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2017年12月19日 (火)

初冬瀬戸内鱈腹記9:出北木島・農マル園芸吉備路

四日目。最終日の今日は島を出て岡山県内を少し巡って帰京となる。

前日午後には旅を大いに盛り上げてくれた山彦先輩が一人船に乗って広島へと戻っていったので、今日は我々夫婦のみ。
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↑島を去る山彦先輩を載せた船。また逢う日まで!

朝、海岸へ出かけて名残りの海を眺めてのち、
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(↑謎の轍。蛇でも通ったのか・・・)

見送りに来てくれた天野屋のご主人に別れを告げて(最後にベラ以外に寒ボラと真鯛がたまらないと聞いて、次回は厳寒の時期の訪問を決意)一路船で笠岡へ向かう。

島々は紅葉の時を迎えていて、海景とともにこれを愛でるというのはなかなかない珍しい風景で目を引いた。
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笠岡の各島とも観光資源の開発に余念がないようだが、紅葉する落葉樹をたくさん植えて遊覧船から眺めるという舟遊びは風趣があって良いのでは・・・ときらきらと眩い波光を心地よく受けながら思ったりした。
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同乗した柴犬は病院に向かうそうだが、海が怖くてならず船中ではずっと二本足で立ちあがっているそうだ。
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疲れるのだろうか、笠岡港の桟橋に上陸した際にはやや足元がふらついていて、愛らしくもあり哀れにも見えた。

笠岡で電車の乗り換えまで時間があったので近くの喫茶店に寄ると、中川家の礼二がモノマネしているのかと思うほど、野卑な笑いと大音声を響かせる巨体のおばちゃん連中が占拠していて少しため息が出たが、程なく退去し紫煙の臭いが充満した静かな空間となり安堵する。
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それも束の間、家人が頼んだレモンスカッシュの材料が足りないようで、マスターがどこかへ買い物に出かけてしまい、じきに電車の発車時刻が迫って落ち着かない。ようやく到着したのを味わう暇もなく飲み干して、
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笠岡駅からカブトガニの剥製に見送られて倉敷へ向かう。
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ここでレンタカーを借りていったん南下し「雲水」で和菓子を調達し(詳細は別記事)

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その後進路を北に向けて吉備市にある「農まる園芸吉備路」でとれたて野菜を中心とした総菜のバイキングで昼食をとる。なにしろ3日魚食いに淫していたので、ここでは肉と野菜の補給に終始する。
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↑ビニールハウスに手を入れただけの簡素な席でいただく

総菜は量り売りでこれだけのおかずとご飯で600円程度とずいぶん安い。産直市を併設しているから野菜の鮮度は申し分なく、味付けもこの手の業態としては丁寧で美味しくいただけた。

その後、園内をぐるり回る。時期柄、大シクラメン祭りが展開していてなかなかの壮観。
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↑その他の鉢植えや園芸用品も充実。

農産物の売り場にはさすが西の果物王国と称されるだけあって、とりどりのフルーツがあって目移りする。
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↑かぼちゃも色々あって面白い

ここでは家人がシャインマスカットを買って帰ったが、申し分なく爽やかな甘みを湛えていて美味しかった。
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↑ついでに買った豆もちもよい出来だった

都会ではなかなか体験できないタイプの店なので十分満喫して、次の目的地である宝福寺へ向かう。
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2017年12月18日 (月)

初冬瀬戸内鱈腹記8:天野屋旅館

前回宿泊してあまりの魚の旨さに瞠目した天野屋旅館さんに今回もお世話になった。そして今回も「えっ!」と驚くようなめくるめく魚体験をさせてもらった。

初日の夕食の膳は以下の通り。まずは太刀魚とチヌの刺身。太刀魚の皮身の旨さとチヌのむっちりした触感と清く澄みきった味わいに早速驚かされる。
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お目当てのワタリガニは身の詰まり具合がいままで食べたものとは雲泥の差で、茹でではなく蒸してあるから味わいも濃密だし、細やかなほぐれ具合と甘みの余韻も秀逸。確かに北の蟹の旨さにも負けないものがあった。
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氷水で仮死状態にして供された小エビの活造りは、弾む身の食感が楽しく、たまり醤油の甘みと身の旨味が反響しあって、思った以上にコク深い。
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↑ガザエビとアカエビだったような・・・とにかく美味

脇を固めるミミイカの煮付、
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メバルの南蛮漬け、
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ガンゾウビラメのから揚げ、
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マゴチと舌ビラメの煮付、
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そのいずれも適切な調味と素材の良さが相まって甲乙つけがたく旨い。

これまた名物の蛸の丸揚げはエビのから揚げを従えて登場。
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むちむちと心地よく噛み切れる蛸からは「いいエサ食べてたんだろうなぁ」と思わせる滋味深い味わいが口いっぱいに広がり、その香ばしさたるや無双とも言えるエビのから揚げとともに、ビールが身体に沁みこむのを大いに手伝ってくれた。

翌日は翌日でぶりっとした歯応えがたまらないだるまイカの煮付や
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舐って食べると止まらない蒸し蝦蛄と小エビ、
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島レモンで品の良い香り漂う鯛の酒蒸し、
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ほろほろと淡い身が尊い太刀魚とカレイのから揚げ、
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細やかな脂乗りがしみじみ美味しい鯛の刺身
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と御馳走が続き、真打は朝自分たちで釣り上げたベラの塩焼き。
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初体験ゆえ恐る恐る箸をつけてみると・・・しっかりした身から仄かな脂と旨味が舌に漂い、鯛の身にまったく遜色ないおいしさで、一心不乱に貪ってしまった。

宿のご主人によると、この辺りは底が砂地だから泥臭くなく、エサも小エビなどが中心だから身も美味しくなるのだそう。「昔佐渡でベラ釣って食べたら、あまりに磯臭くてぱさぱさしてて食べられませんでしたわ。だから関東の人が外道として捨ててしまうのもよくわかります。でも、こっちではぜひ食べてほしいですね、特に冬場は。」とのこと。これには完全に賛成する。

朝も小鯛の焼き浸しや夕飯の時にそれとなく「前回来た時あまてがれいの刺身を食べさしてもらって美味しかった」ことをお伝えしたら、急遽煮付にして出してくれたりして、
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とにかく魚食いの我々三名にとっては目もくらむような素晴らしい素材の御馳走続きで、今回も大満足した。

最終日、部屋に差し込む朝日に釣られて目の前の砂浜まで出てみると美しい朝日を臨むことができた。
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美味しい魚を鱈腹食べて、静かな時を過ごすことができ、大いに充電することができた。

唯一、これは宿というより島への要望となるが、何か所か自転車を備え付けてもらえれば助かるなと感じた。それがあれば北の集落に行って昼食をとることもできるし、釣り場を色々巡ることもできる。都会の放置自転車を譲り受けるなどすればコストもかからないだろうから、是非とも整備をお願いしたい。ともあれ、大変お世話になりました。
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↑朝日に輝く宿の全景。前回の滞在はこちらをご参照。

2017年12月17日 (日)

初冬瀬戸内鱈腹記7:北木島での釣り

宿が大浦港に面しているので、宿泊中は朝夕そこにある防波堤に出かけていってのんびりちょい投げを楽しんだ。隣が砂浜になっているくらいだから、底はほとんど砂地で根がかりも少なく、また釣り人も皆無で気楽に楽しむには持って来いの場所だ。
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↑景色がまたいいので見ていて飽きない

初日の夕方、カレイも釣れたらな・・・・と二本バリの下に長めのイソメをつけて投げたら、一投目から明確なあたりが。軽く合わせてあげてみると、その下バリに15㎝ほどの小鯛がかかっていた。
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さすがに小さかったのでこれは逃がしてやると、突端の灯台下から船道に投げていた妻にもあたりが。今度は小鯛と20㎝超の立派なシロギスの一荷。
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夕闇迫る中、俄然盛り上がる三人だったが、ここからは微細なアタリがあるにもかかわらず釣れず。どうやらカワハギの猛攻にあっていたらしい。その後もう一枚小鯛を上げたところで、対岸のコンビナートの灯が暗闇に浮かび上がってきたので納竿。
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山彦先輩はボウズの不名誉で、神話通りに海彦兄さんの元へ相談にいかんばかりにしゅんとしていた。

翌朝、私は眠くて起きられず、家人と山彦先輩で出かけるも、強風と手返しの悪さが祟ってともにボウズ。海に仕掛けを5つ奉納してきただけとなる。その様子を宿のご主人が見かけていたようで、「うちの親父が晩のおかず釣りに行くといってるので、一緒に船に乗っていきますか?」と願ってもないような申し出をくださったので、三人いそいそと支度をして「天野屋丸」に乗り込み、冬の荒れた海へ繰り出す。
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当初、鯛のサビキ釣りを企図していたが、風はあり波も高く、当方の腕弱しと大旦那さんが見て取って、風の少ない沖の小島近辺でのちょい投げに変更。
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↑大悟の実家の沖合300Mほどのところ

それでも狙いのシロギスは釣れず、もう少し岩場に近づいてみるとベラがぽつぽつ。外道と思って何匹か釣れては逃がしていたところ「この辺のベラは美味しいから逃がしたら勿体ないよ。昔は病人に食べさせよったくらいだから。」と大旦那さんに教えてもらい、本腰を入れてベラを狙ったら20㎝を優に超える青ベラがかかる。これくらいになるとかなり釣り味もよく、引きも楽しめた。(確かにベラは旨かった。その様子はこちら
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連日ボウズの山彦先輩はというと慣れない船上に長竿を持ち込んでしまいこれに手こずり、さらにはリールをクラッシュさせててんてこ舞い。
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↑舳を優に超える竿に苦戦中の山彦先輩(FILA)とカワハギを挙げることに執念を燃やす家人(穴釣スタイル)

しかし、あきらめずに糸を垂らし続けたところ、この日一番の大物は先輩が長竿をしならせて釣り上げた青ベラで、ここ二日のボウズの汚名を晴らして満足げな表情。家人も難渋極めたカワハギの細かなアタリに適応してついには釣り上げて得意げな表情。
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宿のご厚意によって実質仕立て船というなんとも贅沢な船釣りを三名ともども満喫した。
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最終日の夕方は再度堤防で釣るも釣果なく、夕暮れに見蕩れる。
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帰り際にダメ元と思って堤防内の船溜まりでメバリングに挑戦してみる。すると家人、一投目で「なんか来た!」と上げてみると、チビカサゴが釣れた。
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ただあまりに暗く、弱々しい懐中電灯しかなかったので続行は断念。

幸い我々以外の釣り人がいなかったので場所の競り合いもなく、美しい景色を眺めながらのんびりぽつぽつと釣れたので、極上の暇つぶしとなった。

2017年12月16日 (土)

初冬瀬戸内鱈腹記6:宇多津からフェリーで北木島へ

土曜日だけは香川県側から岡山県側へフェリーで渡れるという記事を目にして、ならば目指す北木島まで船で渡ろうと坂出でレンタカーを返却し宇多津まで電車に乗って、そこからはフェリーターミナルまで腹ごなしに歩いてみた。

駅には蒸気機関車の給水塔と思われるレンガ造りの旧跡があって、なかなか浪漫を感じさせる。
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駅前から続く大通りには人っ子一人歩いておらず少し不安になる。
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宇多津は戦災を逃れたらしく、しばらく行くと古びた木造の建物がどんどん出てきて、往時は輝いていただろう喫茶店の廃墟じみたショウケースを見つけたころには、なにやら異世界へ紛れ込んでしまったかのようにも思われた。
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なに、こちらには山彦という神様がついているのだから、と意に介さずズンズン行くと港が見えてきて、そこにポップな絵が大きく書かれたフェリーが停泊していて一安心。
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船はひとまず佐柳島まで行き、そこから真鍋島までをつなぐ船が土曜だけ走り、さらに笠岡への定期船に乗って北木島へと向かうおよそ2時間ほどの船旅。
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↑航跡が船内ディスプレイで確認できる最新鋭船だった

曇天ながら波光煌く瀬戸内海は静謐な美しさがあって心が鎮まる。
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しかし、佐柳島での連絡船との乗り継ぎは時刻表上同時刻となっていて、果たして無事乗り継げるのかと幾らか不安になって、到着時には船から身を乗り出してその姿を確認してしまう。
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↑あれだ!

わざわざ四国から本州まで船で渡ろうとする酔狂な人は稀有なようで、真鍋島への連絡船は我々三名のみの乗船。
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10分ほどで真鍋島に到着して、定期船が来るまでしばし港で待機する。この島は今は猫の島として有名で、船着き場に大勢観光客がいてそれを目当てに猫も集っていた。
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しかしそこまで人懐っこい訳ではなく、触れ合うことはできなかったが、それらしい雰囲気の写真を撮ることができて思わぬ拾い物。
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心もほぐれたところで日も傾き柔らかな日差しがたまっていた北木島大浦港に到着したのは16時前。以前と変わらず、連絡船が去っていくと物音一つしない静かなままの島の様子が保たれていて、旅のものとしてはほっとする。

一方、家人と山彦先輩は上陸早々釣り人魂に火がついて、港周辺の岸壁沿いを歩いて魚影をくまなく探す。その眼光だけは一端の漁師のようであった。お世話になる天野屋さんも何も変わらぬままあってホッとして荷解きをし、防波堤へ急ぐ。
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2017年12月15日 (金)

初冬瀬戸内鱈腹記5:兵郷・讃岐の里

【兵郷】
うどん巡礼二日目は午後宇多津から船に乗って北木島へ渡る予定となっていたことから、坂出・多度津近辺を巡ることにした。時あたかも素朴系の雄ともいえる兵郷が年内をもって店じまいするというので、まずは足を運ぶ。
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この店は二度目となるが、昔ながらの普通の家の軒下で出来立てのうどんを啜ることができ、いかにも讃岐の情景という感じが印象に残っていた。あと数週間で閉店だから混み合うかな・・・と思ったが、近所の人が朝飯代わりにうどんを啜りに来ている程度で、別れに殺伐とした雰囲気にならずに良かったとほっとする。

少し薄暗い厨房に入って出来立てのうどんをどんぶりに入れてもらい、隣室に行って給湯サイロの古びた蛇口をひねって黄金色の出汁をかけまわすと、なんともいえぬいりこ出汁の香りがぷんと鼻をくすぐる。すりおろしたしょうがをちょっと乗せ、青ねぎと胡麻を散らすとうっとりするよな一杯が出来上がる。
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優しい出汁が少し肌寒かった身体に沁みわたっていかにも旨い。強すぎず、かといって緩すぎない柔和な麺が出汁と寄り添って胃の腑に納まると、ぽっと心の火が点る感じがある。

飾らぬ普段着のようなこの雰囲気と一杯の安らぎこそ讃岐うどんの醍醐味だと思うが、ここも無くなり、またよく行っていた彦江も無くなって、原初の風景はどんどん消えていき、物寂しく思う。ともあれしみじみ旨い、思い出深い一杯を味わうことができて嬉しかった。御馳走様でした。

【讃岐の里】
前回の巡礼では痛恨の定休日だった心のベストテン第一位、讃岐の里。今回は是が非でも行こうと決めていただけに、店が開いているだけで歓声を上げんばかりに嬉しい。11時半を過ぎて混んでいるかな・・・と思ったが適度の入りで一安心。ここはどういうわけか地元民がほとんどで、昔ながらのうどん屋の空気が感じられて好ましい。

早速にあの素晴らしい麺を堪能しようとぶっかけうどんの冷を頼む。間髪入れず供されたそれは、透き通る乳白色の肌を煌かせて降臨した。
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↑欲張って下足天も載せる

美しいエッジが優美な曲線を描き、私を誘い込む。待ちきれずにずずずと啜ると、絹よりもなお滑らか舌触りと官能的で打ち震えるような麺の腰が口の中に殺到してきて、食欲なのか色欲なのかは判然としないが、しかし強烈な情動が身体に沸き起こり軽い興奮状態に陥る。「最後の最後にこの麺にありつけたわが身の僥倖を自ら祝してやりたいな・・・」などと思っているうちに、あっけなく丼は空となる。

「この麺ならば!」と思い、続いてはおばちゃんに「冷たいうどん玉だけ欲しいのですが」相談すると「それじゃしょうゆうどんの冷にして、おろしとレモンは外すわな」と柔軟に応じてもらう。

レジ前で生卵を買い、うどんの入った丼の手前にスペースを作って割入れ、入念に溶いでいく。頃合いを見てしょうゆを垂らしてから麺と混ぜ合わせると、食べる前から事をなし終えたことがありありと判る景色が現出してまたも興奮。
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↑要するに卵かけうどん

見よこのてらてら感!と店内中に叫びたいくらいだったが、隣の家人に見せびらかすに留めた後、喰らいつく。玉の肌に極上の乳液をすりこんでやったようなものだから滑らかさがさらに高まり、卵の黄身のコクをまとって濃艶たること西施もかくあらんという具合。やっぱり讃岐うどんはこの店にトドメを刺すなぁと改めて感じ入った。

家人も目の色を変えていたし、山彦先輩も「麺といい出汁といい、うまいね~しかし」とご満悦。「わし今日は蕎麦」という常連さんの大らかさなども含めた店の佇まいといい、優し気なおばちゃんといい、完璧な麺がいつ行っても味わえることといい、個人的には「讃岐の至宝」と崇めたいくらいだ。末永くのご繁盛を祈念して店を後にした。

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↑家人が頼んだしょうゆうどんも結局一口頂くことに

2017年12月14日 (木)

初冬瀬戸内鱈腹記4:三友堂・せとうち東山魁夷美術館

【三友堂】
明けて旅行二日目。前日津田に行く前に寄った「三友堂」で買った生菓子を酔った勢いで食い散らかしたようなのだが記憶に残っておらず・・・
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↑ピンぼけの写真のみがカメラに残置

なんとも心残りだったので、うどん巡礼に出る前に再び店に寄る。和菓子屋の良いところは早朝からやっていて、こういう事態に陥ってもリカバリーできる点だ、と酒徒としては強弁してみる。

店のある通りには瓦せんべいの「久つ和堂」やこれもお茶席では名高いという「富久ろ屋」といった格式高い和菓子屋が何軒か連なっていて、風趣あふれる栗林公園がある上に特産の和三盆もあるから、高松には和菓子文化が根強く残っているらしい。
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店に入るとひっそりとして薄暗く、そうしてしばらくすると気持ちが落ち着いてくるので、日本文化の陰の功労者である陰翳の効果を体感することができる。季節の上生菓子と名物「木守」、この時期らしい「木守柿」を買ってみる。

生菓子は色が鮮明なものが多く、なるほど高松は雨が少ない太陽の国であったなと感づかされた。一方外郎の銀杏は軸にあたる部分に細切昆布を使うなど芸の細かさも随所に。
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名物の木守はふのやきに柿と黒糖の餡が入っているが、ふのやきの、最中の皮より厚みがあり歯ざわりがしっくりとしているところと、餡の甘みの凝縮感がうまく調和していて、なるほどお茶が欲しくなる一品。
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これは東京に帰ってから新橋の「せとうち物産館」で改めて購入するほど気に入った。

名前の似ている「木守柿」は干し柿に見立てた求肥で柿入り白あんを包んだもの。
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白あんと混ぜることで柿の甘さのくどみを矯めて野趣をそぎ落とし、ごく品よく仕上げてある一品。いずれもさすがの老舗の底力が感ぜられて甚く満足した。

別のホテルに宿泊した山彦先輩とはこの店の前で落ち合う。遠目からも眠たげで、昨晩も持病の睡眠時無呼吸症候群に一晩中なぶられていたのかもしれない。卸売市場前の岸本釣具で島での釣り道具と餌を買って一路進路を西へとり、30分ほどで「せとうち東山魁夷美術館」へ到着。

【せとうち東山魁夷美術館】
ここは鑑賞しなくてもカフェだけの利用ができるとのことで朝の一服をしようという算段。海に面した建物は直線がぴしりと決まり、画伯の絵を彷彿とさせる緑青の外壁が海とシンクロして美しい。
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カフェからの眺めも申し分なく、静かに時を過ごした。
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↑この後地元の人が目の前を犬の散歩で横切ってちょっとびっくり

ここは銘菓かまどが運営していて、青のりが入った薯蕷饅頭と抹茶のセットをお願いしたが、饅頭はかすかな塩気が利いているところが良く、抹茶にもよく合った。望むらくは皮の生気が感じられれば・・・というところ。うどん巡礼の時間調整に申し分ない場所が発見できてとても良かった。

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2017年12月13日 (水)

初冬瀬戸内鱈腹記3:小料理・割烹津田/鶴丸

【割烹津田】
高松で夜を過ごすとなれば、瓦町にある「津田」に行くことになるのが我々夫婦の決まりで、この慣わしに山彦先輩にも従っていただくこととなった。
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初めて伺ってからもう二十年近く時が過ぎ、改築をなされてからは往年の一杯飲み屋の風情は薄くなって粋筋が集う店になりつつあるが、相変わらずご主人は快活で数年ぶりの訪問でも温かく歓待してくれてとても嬉しい。

とにかく瀬戸内の海の幸が食べたかったので、刺身の盛り合わせと穴子の白焼きを各々に出してもらう。見栄えの大変美しい刺盛では生簀で先ほどまで泳いでいたカワハギの身の清冽さと肝の清々しいコクが出色。
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これも生簀にいた穴子も肉厚でふかふかとしていて滋味深く、ラインナップが強化された日本酒が進んでしまって困惑するぐらいだった。
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注文したら「それ正解!」とご主人が太鼓判を押した鰤しゃぶは、なんと鱧松茸の鍋仕立にくぐらせていただくという贅沢なもの。味が混じってしまうかな・・・と危惧したが、ややあっさり目の脂乗りの鰤を霜降り程度にくぐらせて食べると、松茸がふわりと香り、名残りの鱧の脂が風味を添えて悶絶の美味しさ。
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御馳走続きで私と山彦先輩の鯨飲スイッチが入って、鍋島や飛露喜がうどんをすすりこむがごとく胃の腑に消えていく。また家人もいつになく杯が進んで笑みが絶えない。この他に手羽先焼などなどを堪能していると、お隣の席から日高見の限定酒の振る舞い酒まで頂いて、すっかり寛いだ時を過ごした。

今までになく飲んだのでお会計はそれなりになったが、楽しい高松の一夜となったので個人的には納得の水準。

【鶴丸】
すっかり勢いがついて延長戦の気分になっていたので、歩いてすぐの鶴丸で〆のうどんを啜っていくことにした。今は夜に並ぶくらいの人気だそうで、表には行列の仕方についての注意書きが出ていてちょっとびっくり。
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幸いすぐに席にありつくと、あのうどんを断ち切るドンドンドンという重低音が店内に鳴り響いていて、否が応にも期待が高まる。往年は海老天ぶっかけでも行けただろうが、胃の負担を考慮して肉ぶっかけにしたところ、山彦先輩は果敢にも海老天ぶっかけに挑戦。腹囲推定130㎝は伊達ではない。

しばらくしてやってきた肉ぶっかけの姿たるや、実に食欲をそそる見事なもので、見ていて惚れ惚れする。
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無心になって貪ると、ちゅるんとした滑らかな肌とぎゅんとはね返る見事なコシが相まって素晴らしい出来。もりやもでも小縣家でも少し物足りなさを感じていたので、「これこれ!」感が身体の奥からこみ上げてきて、なんとも言えない幸福感すら覚えた。


山彦先輩というと「なにこれ、揚げたてサクサクじゃないの!」と海老天の出来の良さに瞠目して、やはり喜色満面の笑みとともにいともあっさりと平らげていた。最後に鶴丸があって良かったと思える、素晴らしい一杯だった。

2017年12月12日 (火)

初冬瀬戸内鱈腹記2:仏生山温泉・高松シンボルタワー

腹もうどんで満たされて落ち着いたのでうどん巡礼はまた明日にして、前回入ってなかなか良かった仏生山温泉へ向かう。

当初山彦先輩は「俺は入らずに待っていようかな」と言っていたが、いざ入ってみると「いつもシャワーで済ませてるから、湯船に浸かるの気持ちいいわー」と甚くご満悦の様子。結局、我々夫婦が美しい休憩所でお待ちすることになり、やがて頬を上気させて福々しい恵比須顔でご登場。お誘いした甲斐があったと実感した良い表情だった。

それもそのはずで、美しい設えもさることながら、
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つるすべ感極上の湯質はなかなかないものだし、その上季節は晩秋で露天の中庭にあるもみじは見事に紅葉して、柔らかい日差しに照らされ殊の外美しい。
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どこか山間の温泉宿にでもいるように錯覚させる仕掛けになっていて、風呂に入る気分もより伸びやかになるというもの。先輩の仏生山の記憶を塗り替えることができて一安心。

その後、そろそろ夕日が沈む時間に差し掛かったので、以前行った庵治の喫茶店に行き、瀬戸内海に沈む夕日を見ようかと思っていたところ、山彦先輩「さっき遅刻して高松駅をうろうろしてたら、港沿いにすごい高いタワーがあって、そこからの眺めが良さそうだったよ」と珍道中のさなか拾ったネタを開陳されたので、元手のかかった千金の提案に我々夫妻ともに首肯して高松駅へ急ぐ。

知らなかったが、いつの間にか「高松シンボルタワー」という立派なタワーが聳えていて確かにかなり高そうだ。エレベーターホールに「展望台」と書かれていたので上ってみると、「おおー」と三人がどよめく景色が展開。
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しかもレストラン営業前はそちらにも入れるということで、クイーンアリス内にも入って高松市街と瀬戸内海を望む。
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この建物が唯一といっていい高層なので見晴らしは抜群で、胸のすく思いがする。じきに夕暮れとなり、美しい茜色を三人でただだんまりとして眺めた。
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日の出や日の入りは日常にあっては忘却の彼方にあるけれど、旅に来るとこの忙しないい時間帯を自分の思う様に使っているのだと実感したくて、どういうものかずっと見ていたくなる。その意味で大変旅情あふれる登楼だった。山彦先輩のウロウロも捨てたものではなかった。

2017年12月11日 (月)

初冬瀬戸内鱈腹記1:もり家・小縣家

一昨年の春に北木島に行った際、宿のご主人に「冬のワタリガニもいいですよ」と言われたことが頭に残っていたし、またしばらく讃岐うどん巡礼にも出ていなかったので、両所を巡る旅に出ることにした。

前回北木島にご一緒した、宮崎出身現在は広島に単身赴任中であるハクション大魔王似の山彦先輩(仮称)をお誘いしたところ「是非にも」とのことだったので、高松空港で落ち合うことにして機上の人となった。

冬晴れで窓からは薄桃色に輝く相模湾が見え、その後冠雪した富士山火口直上を通過すると、

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(↑写真はネットから引用)
先日訪れたばかりの京都の町の碁盤の目が眼下に見えてじきに高松空港へ着陸。

到着口を出たところでで山彦先輩から数通メールが届いていることに気づく。案の定、バスに乗り遅れて遅延しているとのメールが。そこで我々夫妻だけで「もりや」へ行き、山彦先輩には高松築港駅から琴電に乗って仏生山駅に来てもらいそこで落ち合うことにした。

この調整でやや出遅れ、借りたデイズルークス
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↑もはや軽ではない車内の広さで驚く
を急がせてもりやに到着したのは12時10分前。それでも10人待ちほどで済んで、NHKの昼のニュースを見ながら待望の第一食となる。
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時間がよいのでもち肌のうまい麺にありつけたが、以前より麺の鋭敏さや剛毅さは影を潜めているように感じた。それでも東京の讃岐うどんとは雲泥の差で、早々に平らげて未知の地で心細く我々を待つ山彦先輩を拾いに仏生山駅へ急ぐ。

駅前のロータリーに平日の昼、しかも内陸の駅にも関わらず、パンパンのリュックを背負い、竿を肩にかけた釣り人スタイルで独り所在なさげに佇む山彦先輩を発見。その姿を見て哀れさを伴った可笑しみがこみ上げ、早々に車内に招じ入れ珍道中の顛末を聞きながら西に針路を向ける。

目的地は往年満濃トライアングルと呼ばれた一角にある「長田」。しかし13時半ごろ到着してみると「売り切れ」との看板が建てられて店は閉じられていた・・・「すまん!」と山彦先輩。しからば、とはす向かいにある「小縣家」へ行くことに。
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うどん巡礼がブームになり始めたころには2-3軒支店があったと思うが、今はここだけになったようだ。まずまず客が入っていて一安心。長田では冷やしうどんを食べようと思っていたので、それに似たざるうどんを頼む。
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麺はまだギリギリの時間だったから少しくたった程度で済んだのだが、つけ出汁がどういう訳かほとんど出汁の旨味が感じられないほど薄く、胡麻を擦って風味を添えてなんとか啜り込む。

家人は苦戦しながら大根をおろしてしょうゆうどんを頬張り笑顔を見せ、山彦先輩は「いりこ出汁がうまい、うまい」と神話さながら海へいりこを取りに行かんばかりにかけうどんを啜ってこちらも満足げな表情。注文を誤った責めは自らにあるが、長田で食べたかった…というのが正直なところ。

2017年12月 3日 (日)

洗足池で紅葉狩りピクニック

今年も九品仏の紅葉を愛でに行こうかと調べてみたら、境内の一部が工事中で囲いがされているとのことで断念。洗足池へ目的地を変更して出かける。

丁度昼時だったので温かい紅茶を入れて持っていき、長原のラ・モトピケでパンを買って坂を下ると陽光溢れる洗足池に到着。
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ところが洗足池も一部造成工事中・・・それでも紅葉はかなり綺麗に見られたので、さほど気にはならずに済んだ。

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池の端のベンチに腰掛けて遠くの紅葉を眺めながらパンを頬張る。今までモトピケではあまりピンと来たパンに出会えずにいたが、このバゲットサンドは歯応えもしっかりあり、チーズ・ハム・トマトと具材も好みで美味しかった。欲を言えばマヨネーズがもっと控えめなら、よりパンの風味を味わえたと思う。
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食べているとひらひらと枯葉が舞い落ちてくる
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紅茶には冬の支度を整えた梢が映る
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食べ終えて池をぐるりと一周。対岸にもぽつりぽつりと紅葉が。
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まだ散り残ったいちょうの黄色が美しい
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神社の社殿とのコントラストもいい
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少し陰ったところに燦然と咲く山茶花たち
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澪標に佇む都鳥。琳派の画題になりそうな。
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小春日和の陽気の中、思ったより散策を楽しめた。

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2017年11月15日 (水)

「江戸の琳派」・桶谷曜変・「驚異の超絶技巧!」展をめぐる

京都で宗達の風神雷神図を見た余韻が残っているうちに、ある種”孫引き”とも言える抱一のそれを見ておきたいと思って出光美術館の「江戸の琳派展」へ出かけた。

お目当ては入って早々にあり、開館前に少し並んだお陰でかなり独占して見られた。
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近寄ってみているとよく言えば端正な、悪く言えばお行儀が良すぎる雰囲気なのだけれども、2-3M離れてみると両神が屏風から立ち昇ってくる感覚が味わえて俄然魅力を増す。屏風としての使用をよく考えた上での配置と構図なのだろう。

抱一は八つ橋図や紅白梅図など大作が揃っていて目移りしたが、一番心惹かれたのは青楓朱楓図。
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単純化され意匠にも見える山河や楓の葉が流麗に展開する屏風の片隅に、ごく小さく精密に描きこまれた菫など野の花が点在し、これによって不思議と画面全体に現実感が添えられるから、抽象と具体が入り混じる夢の中のような景色に没入することになる。いかにも見飽きず、終始うっとりした気持ちに揺蕩うことができた。 


次点は四季花鳥図に描かれた目白たち。かわいい・・・
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其一では扇面ほどの紙面に種々とりどりの秋草が描きこまれた小品が良く、どことなく京都のいいところの折詰弁当を見ているような気持にもなった。

満足してその足で今曜変が展示されるという銀座の黒田陶苑へ。開店早々にも関わらず、2Fの展示ギャラリーは人が一杯とのことで1Fに待ちの列が。

しばらく待っていると先に見た人々が降りてくる度に曜変酒杯を購入していく。しかもその配送先は北陸やら中京やら遠方のものが多く、とすればわざわざここまで現物を確認しにやってきたのだろう。世に好事家というものが確かにいるのだな・・・との思いを強くした。

順番が来て階段を上がると作者の桶谷氏とともに酒杯数点と曜変天目茶碗が鎮座していた。売り物だけに手に取ることができるという僥倖に恵まれ、恐る恐る手を添えて傾けてみたが、稲葉天目に相当する大宇宙が掌中に展開して陶然とした気持ちになる。
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これは最早曜変天目と言って過言ではないと個人的には感じた。その後終日軽く酔ったような心持が続き、曜変の魔力の一端を知った気になった。

他日。清水三年坂美術館の銘品が日本橋に来ているというので三井記念美術館へ行く。噂に聞いていた象牙の静物や菊花繚乱の香炉、茶碗
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もさることながら、現代の名工たちの超絶技巧に驚かされることが多かった。

金属でできた蒲公英の綿毛や
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蛇の骨格の自在置物
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にも嘆息しきりだったが、二頭が相乱れる巨大なオオサンショウウオの鉄の置物が、その質感といい精巧さといい抜群の存在感を放っていて思わず「ふへー」と唸ってしまった。
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国宝展も含め”芸術の秋”を地で行くこととなったが、濃密な時間を過ごせて甚く満足した。(写真はいずれもネットから引用)

2017年11月 5日 (日)

国宝観覧入洛記5:浪川菓舗・喫茶なかむら・清水坂界隈・京都タワー

【浪川菓舗】
祇園からバスで再び清水道へ。バス停脇に古風な開けた店構えが見えたら、そこが浪川菓舗だった。
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目的は餅菓子で、たぶんあるだろうと見込んでいた栗大福と鮮やかな色合いが目を引いた金柑餅、それに店先のガラスケースにたくさん飾ってあった柚子おこしを買ってみる。

栗大福は栗たっぷりで餅もふわふわ、餡も滑らかで期待以上の美味しさ。金柑餅は中に蜜煮した金柑と細やかな舌触りの白餡が入っていて、かぶりつくとふわりと柑橘の爽快な香りが漂い、控えめながらもきちっと甘い白あんが利いていて実に美味しい。
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柚子おこしも品の良い柚子の香りと、べたつかずさくっとした歯触りが持続しつづけるおこしの軽快さがいかにも京ごのみの風情があってとても良かった。
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普段使いの店でこれだけのものが手に入る洛中の人々を羨ましく思わせる店だった。

【清水坂界隈】
家人の行ってみたい店があったので、初めてこの界隈に足を踏み入れる。
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まずは二年坂入口にある高台寺中谷へ。手のひら位の浅い鉢をここしばらく探しているので、良いものがあればと思い立ち寄る。割烹などで使われる作家物が豊富でちょっといいなと思うものもあったが、手頃な大きさのものは見当たらず。重々しすぎず入れる店だったので、また立ち寄ってみたい。

もう少し登ったところが家人目当ての香十。セレクトショップのようなライティングで清々しい薫りに包まれていると良い気持ちになる。
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↑店先には季節の寄せ植えもあって、雰囲気を盛り立てていた。

続いて土産用に満月へ。阿闍梨餅は小豆不足で生産量が減っていて帰りに京都駅の売店を覗いたら売り切れ続出だったが、こちらは午後3時ごろでも混みあうこともなく問題なく購入できた。


五条坂には観光バスの巨大駐車場があってほぼ満杯。
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日本人も外国人もレンタルした着物姿の人がとにかく多かった。
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坂を下ったところが家人目当てその二の「ぴあり館」。着脱システムに特別な工夫がされたイヤリングを扱っていて、外れず痛くならないのが特色だという。気に入ったものが見つかったようでなにより。

【喫茶なかむら】
清水道から五条坂を下ってみるとバス停は長蛇の列。しかも京都駅に行くバスいずれも満員で到着して一向に列は進まず。そこで駅南にある九条車庫行に乗ってみると見事がらがらで、10分もしないで到着。

そこからイオンモールの浅野日本酒店で仙介の四合瓶を買い(ミニボトルは皆無で旅行者向きの店内ではなかった・・・)
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ほど近い「喫茶わたなべ」で一息つく。見事なレンガ造りでしかもいい具合に星霜を刻んでいるところがなんとも言えず味わい深い。
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胃が少しくちかったので、生まれて初めてミックスジュースを注文すると、きちんとミキサーに材料を入れて作ってくれて、さすが関西に来ているのだなと軽く感動。薄すぎず濃すぎず甘過ぎない絶妙な一杯で、歩き疲れた身体に沁みわたっていった。

家人が頼んだレモンスカッシュも、レモンの果実から果汁を絞ってくれていたので、香り高くまたべたっとした甘さの少ないきりっとした仕上がりで美味しかった。

駅から歩いて5分かからないのに静かでのんびりした空気が横溢していて居心地もよく、きっと珈琲の味も間違いないだろう。駅近くで時間調整する際に重宝する店だと思う。

【京都タワー】
JR東海のパック商品に入場無料券がついていたので夕景を眺めようと登ってみると、丹波の山並が霞がかっていい色合いを見せてくれた。
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一方、眼下の市内の様子はもはや京都らしい風情を残したところを探すのは難しく、東山魁夷の「年暮る」のような情緒は洛中からは去ってしまっているようだった。
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(↑画像はネットから引用)
どうもタワーは上るより下から眺めるものに変位したようだ。美しくライトアップされたタワーに見送られ、夜の帳の落ち始めた洛中から新幹線とともに洛外の闇へと去ることとした。
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日帰りでもまずまずゆとりを持って回ることが出来たし、十分楽しめた入洛だった。

2017年11月 4日 (土)

国宝観覧入洛記4:松寿軒・祇園石・甘泉堂・いづ重

【松寿軒】
国宝展を鑑賞した後、バスで清水道まで出て松原通を西へ進む。通りに入ってすぐに「力餅食堂」、さらに行くとう巻がおいしそうだった川魚の「のと正」があり、いつか京都に長逗留したいと考えている身には心惹かれるものがあった。

目的の松寿軒はのと正から数軒行ったところにあったが、店構えはごく普通の街場の和菓子屋そのもので、それと知られた店には見えなかった。中に入ると女将さんが笑顔で迎えてくれ、予約しておいた旨を伝えると「選んで頂こうおもてましたんで・・・」と箱に入った生菓子を見せてくれた。4種でお願いしていたので、織部饅頭に黄味しぐれ、栗餅にきんとんのいが栗を選び、これも美味しいと聞いていた三笠もお願いする。

黄味しぐれは帰りの新幹線の車中で頂いたが、外身のふかっとした食感と中身の餡のあっさりとした滑らかさの対比が見事で、ちょっと今までに食べたことのないタイプのものだった。
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こちらは餡の軽やかさが身上のようで、いが栗を食べた時にもそれを感じた。砂糖はごく控えめで、質朴とも思える豆本来の甘みを生かしつつ、ふわふわとまるで霞のような餡の風合いが得も言われぬ品格を菓子に与えている。

一方、栗餅は栗がやや小さく少し物足りなさを感じ、また織部は日またぎしてしまったこともあり、皮の生気が失われてごく普通の薯蕷饅頭となっていて、実に惜しいことをしてしまった。
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その代わり三笠はしっとりした皮の風合いは失われておらず、どら焼きでは一番と思っている阿佐ヶ谷の「うさぎや」に引けをとらない出来で感服した。
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小体な店ながらきっちりと美味しい菓子を提供していて好ましく感じた。

【祇園石】
祇園川上で昼食をとって、ちょっと一服したいなと思い近くのこちらへ。前は無かったが1階入り口に喫茶部の案内板が出ていて、これは混んでいるかな…と思ったら、相変わらずのひっそりさは保たれていてほっとする。

昼は出汁三昧で口が甘いものを欲していたので、珍しくコーヒーフロートなどを頼んでみる。
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ごく普通の味わいだが、剛毅な天井と石壁に囲まれての一杯は特別感が添えられ気分がいい。
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ただ、前回同様関西マダム軍団の入店に遭遇してしまい、席につくだけで1-2分を費やすわ、やたらとけたたましいわで意気消沈して早々に退散した。店に責めはないが一寸残念。もし財力に余裕があるなら、銀座石にも喫茶部を作っていただければ幸い。

【甘泉堂】
祇園石からすぐの甘泉堂へ。山椒魚の住処のような薄暗い路地奥に息をひそめているかのような店で、その素っ気なさが最早味わいでもある。

水羊羹で驚嘆させられたこちらは秋は栗羊羹が名物。久々に食べたが、蒸し羊羹特有のねっちりした歯触りがやや強めで、餡の品の良さと拮抗しつつもそれをやや上回り、栗のほっくりした味わいとも相まって鄙の風情が感ぜられる一品だった。
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窓際の日向にあたりながら緑茶で食べたが、ほとほとと身体が温まって心も和み、晩秋らしさが愉しめてとても良かった。流石と言わざるを得ない。

【いづ重】
甘泉堂からはすぐで、大抵どちらかに寄ればどちらかにも寄ることになってしまう。時期的に良さそうなので鯖棒寿司を買って帰る。翌朝食べたが、見込んでいた通り身も厚く脂乗りもいい鯖で、こちらの鯖寿司の意匠とも言える断面の兎の耳もくっきり確認できる。
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となればもちろん味は保証されたもので、昨晩ともに持ち帰った「仙介」の生酒とともに久々に棒寿司の醍醐味が味わえた。いつかはこちらで甘鯛棒寿司を・・・と思っているが、これは末期の一食にとっておこうと思う。

2017年11月 3日 (金)

国宝観覧入洛記3:井政

日帰りでの入洛だったので、夕食はゆったりできないスケジュール。そこで夜は帰りの新幹線で美味しい折詰弁当を食べることにした。

今まで京都で弁当と言えば「あと村」だったのだが前回内容が落ちていたので、今回は新しいところを開拓してみることにした。有名なのは駅の伊勢丹で受け取れる老舗なのだろうが、そういうところは大量生産体制によるものだから、今一つ食指が伸びない。

そこで過去の旅行時のブックマークを調べてみると、「井政」という仕出し屋を発見。4,000円の二段重「茶福箱」を二つ以上予約をすれば京都駅まで届けてくれるという。ご主人のインスタグラムを見るに随分良さそうな感じだったので思い切って頼んでみることにした。

待ち合わせに指定されたのは八条東口の「祭時計広場」。
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定刻少し前にご主人自ら届けてくださった。白木が美しい折が真田紐で結ばれていて、開ける前から期待が高まる。
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車内がドタドタしている間は落ち着かないので名古屋までぐっと我慢して、発車早々折を開けると思わず顔がほころぶ景色が広がった。
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上段は出汁巻、松風、海老霰揚、南瓜・湿地・小芋・紅葉麩・高野豆腐・赤蒟蒻・飛龍頭炊き合わせ、焼栗、白瓜漬、麩田楽、松葉銀杏冬菇石付煮、薩摩芋公孫樹、蒲鉾、茄子とずいき胡麻クリーム和え、海老風味焼、鰆西京焼、茗荷酢漬。
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下段は穴子胡瓜・梅紫蘇海苔巻、鯛刺身旨酢ジュレ、枝豆ちりめん山椒御飯。

五色の彩りの配分も良く、実に食欲を刺激するビジュアルでなかなかの壮観。味わいもやや塩気が強めながら、全体に手堅くまとまっていて美味しい。ふんだんな酒肴を見越してイオンモール京都の浅野日本酒店で購入しておいた「仙介」の生酒が実によく合って、蕎麦猪口についでもついでもすぐに胃の腑に吸い込まれていく。
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いい具合に酔っていつもは長く感じる帰京の途も、実に良い心持でふわふわしている内に到着と相成った。月に一度は日本橋高島屋でこれが購入できるそうなので、とっておきの行楽の時などに利用してみたい。久々にブックマークしていた自分を褒めてやりたくなるような店との出会いだった。なお、刺身がデフォルトで入るようなので、受け取り後すぐに食べる必要があることを付言しておく。

2017年11月 2日 (木)

国宝観覧入洛記2:祇園川上

折角なので昼は京料理の神髄を感じられる店が良いなと思いあれこれ逡巡したが、老舗になりつつあるものの重厚過ぎない雰囲気が良さそうだったので、祇園川上へ行くことにした。

明るい時間に祇園をぶらついたのは初めてだが、打ち水をした路地にぴしりと直線の決まった町家が立ち並ぶ姿はなかなか清々しく、これもまた悪くないなと思っている内に目当ての「川上」に到着。
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席料もなしで入口右の個室に入れてもらえたのはありがたい。
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冷酒を頼んで昼の懐石が始まった。
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あしらいの黄葉が秋を告げる先付は先日旨さを知った茹で落花生も良かったが、茄子の葛寄せに胡麻クリームをかけたものがいかにも京料理らしくて美味。
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造りでは南蛮海老の甘みに瞠目。
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椀替わりの鯛の小鍋立ては出汁とポン酢の具合がたまらず、
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ここで熱燗を注文。
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続く揚物の鰆茸餡もわずかに甘みを強くした出汁の風味がよく合っていい。
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焼物替わりは牛ロースしゃぶしゃぶ。しゃぶしゃぶと言われたものの、葱が敷かれて餡が割り下風味だったので上品なすき焼のようでもある。
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美しい塗椀で供されたのは海老とオクラの揚げ出汁。
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海老の旨味は感じられたがちょっと甘めの出汁系が続いて変化が欲しいと思ったところに、酢の物に紅白なますと蛸の旨酢ジュレが来て口をさっぱりと洗ってくれた。
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御飯と赤出汁に漬物、
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ごく軽く炙ったたらこが添えられているのが心憎い。
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水菓子としてトマトのコンポートが出たが、きちんとデザートとして機能していたし、へたに見立てたミントの爽味が良かった。
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出汁系の献立が鯛・鰆・牛・揚げ出汁と続いたのが少し単調にも感じたので、鰆を幽庵焼もしくは牛を朴葉焼として出してもらえたら申し分なかっただろうと思う。それでも5,000円で卓越した技量の片鱗を味わえたから、全体にとても満足のいくものだった。また是非伺いたい。

2017年11月 1日 (水)

国宝観覧入洛記1:国宝展

毎年結婚記念日にはそれなりの所に食事に出かけているが、今年は京都で「国宝展」が開催され、しかも平日休みが取れる時に幻の名器である龍光院蔵の「曜変天目」が展示されることを知って、日帰りで入洛してそれに代替することと相成った。

朝早い新幹線で寝ぼけまなこだったが
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優麗たる富士の峰が目に入った時にはさすがに目が冴える。
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幸先よく今日一日の瑞兆が現れよい心持で京都到着。まずは八条口のコインロッカーに荷物を預け、9時前のバスにのり博物館には9時丁度着。事前情報ではかなりの行列と聞いていたが、この時点では建物内に入れるくらいで順番としては300番目位。

しかし10分もすると建物内の行列が外に延び、開館の9時半には長蛇の列が…もう1-2本遅い新幹線だったら危なかった。
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↑帰りに出来ていた行列。80分待ちになっていた。

観覧も十分作戦を練っていた。目当ての「曜変天目」は館内に入っても待ちの行列が出来るという。そこで入館したら展示の最後半にあるそこを真っ先に見物し、その後目当てのものを空いている内に順に拾っていくというもの。

好都合なことに本来の入口である3Fへのエレベーター前に1Fから入場する場合はこちらと案内が出ていたので一目散に曜変天目が展示されている部屋へ。するとまだここまで到達している見物客はほとんどおらず、4・5人が並んでいるのみだったので、ゆったりと鑑賞が出来た。

どちらかといえば藤田美所蔵の曜変に近く、輝紺の大宇宙に澄んだ光を放つ星たちが瞬く景色が広がり、見ていて吸い込まれそうになるし胸が高鳴るのを感じた。

その後、列に並ばずもう一段外から覗き込むようにしたが、今度は周りにあるすべてのものを飲み込むブラックホールのようにも見え、わずか数寸の椀ながらその存在の絶対感は流石だった。
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次点は雪舟の慧可断臂図。岩や慧可の表情の細密さと達磨禅師の後背の空白との描写の隔絶が、両者の関係を象徴しているようにも見えて色々想像が捗る。慧可の視点から画を見ると、達磨の背中が”無”そのものに見え、取りつく島の無い絶望がこちらに迫ってくる感もあった。
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その他では縄文土偶シリーズと火焔土器は原初の衝動が具現化されている凄味があったし、
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「風神雷神図」も初めて本家を目にしたし、
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予想に反して優美な姿形と繊細な口の造形に見蕩れた「飛青磁花瓶」は拾いものだったし、
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流石国宝だけの展示とあって枚挙にいとまがない。作戦成功も相まって満足いく見学が出来た。(作品写真はいずれもネットから引用)

2017年10月15日 (日)

池上線1日無料デーに出かける

池上線が10月9日の東急の日に無料乗車券を配ると聞いて、なかなか行けていないところをピックアップして散策に出かけた。

真っ先に行きたいと思ったのは、小沢昭一の生まれ育った蒲田の女塚界隈。先だってユリイカの川島雄三特集を読んだ際、川島も蒲田撮影所に近いこの辺りのアパートに住んでいたと書いてあって、両人へ憧れを持つものとしては是非にも足を運びたいと思っていた所だった。

最寄駅の蓮沼は未だかつてこんなに混んだのを見たことがないという異例な事態となっていて無料の威力を思い知る。駅東側をしばらく行くと住宅街に入り、公園に「女塚」の文字を発見。
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しばらく行くと晩年小沢昭一がNHKのドキュメンタリーで訪れていた女塚神社が
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さらに行くと母校の相生小学校が見えてきた。
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今はみっしりと中層のビルが立ち並ぶ一角でひと気も少なかったが、昭和初期はまだ空地と新開の商店街が開けたばかりで活気もあり、実家の写真館は目立つ存在だったろうなぁと思いを馳せる。また、どこにも書かれてはいないけれど、小沢少年は町内に新米監督だった川島が住み暮らしていることを銭湯などで聞いたのではないだろうかとの夢想も広がった。

平坦な道を南下して行くとハングルや中国語・タガログ語など諸国の文字が並ぶ歓楽街があり、そこを越えたところが蒲田駅西口になる。丁度岩手旅行から帰って少し経ったところで、再び冷麺熱が高まってきていたから、冷麺の元祖である盛岡の食道園の料理長が独立して出したという店に行ってみる。
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池上線の高架沿いの飲み屋街の一角に店はあって、休日の昼時とあって8割の入り。運よく席にありついて早速冷麺を注文。基本に忠実な具材が乗った端正な姿の冷麺は、期待通りの出汁の風味と麺のコシで水準以上の出来。特徴らしい特徴は少ないものの、手堅くまとまっていて美味しかった。
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店の裏手にあるベトナム食材の店「福山商店」に寄ってニョクマムを買おうとしたところ本日はお休み。やむなく最終目的地である御嶽山の和菓子店「呂万寿」へ向かう。

御嶽山はホームの下を新幹線が通過するので、鉄道好きの幼子を連れた家族連れや本式の鉄の方が入り乱れ、やはりかなりの混沌状態だった。しかし、目指す呂万寿は和菓子屋の本道を行くひそやかさが保たれていて、ほっとした気持ちになる。
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季節柄芋と栗を使ったものが多かったので、芋ようかんと薯蕷饅頭、それに栗鹿の子風の上生菓子を購入。
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芋ようかんは鮮やかな黄色が間もなく色づく銀杏の黄葉を思わせる。つなぎを最小限にとどめているようで、口当たりは案に相違してふっくらしていて面白い。甘みは芋のものを生かす姿勢が感じられ抑制気味。ふっくらふわふわとした焼き芋を食べているようでその新食感が斬新だった。
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一方薯蕷饅頭は端正な姿とその肌の美しさが目を引いた。つまみ上げるとしっとりとした皮が指に吸い付くようでなんだか艶めかしい。そうして期待通りのむっちりしっくりとした皮の按配と、滑らかで仄かに甘い餡が大変品よく実に美味。後口も良く何個でも食べられそうだった。
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このところ近隣になかなか良い和菓子屋がなくて寂しい思いをしていたが、これからは雪が谷大塚のとよだへ行く際には寄って、季節ごとの味わいを楽しみたい。
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この後、一旦自宅に帰った後、夜に大崎広小路まで出てツタヤでDVDを借りて無料デーは終了。瞬間的に竹下通りの混雑を越えたという戸越銀座やスワンボートが1時間待ちとなった洗足池には寄り付かなかったので、面倒には巻き込まれずに済んだ。
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↑戸越銀座の大群衆(ネットから引用)

東急にはもっと名所開拓を掘り下げて、乗客が各駅に分散・回遊するよう計画・宣伝を練った上で、来年も実施してもらえれば幸い。

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↑東急にはこれくらい古い車両を輸出した国から再輸入してレストアの上、走らせるくらいの胆力が欲しいところ。渋谷の再開発の100分の1くらい還流すればできそうだと思うのだが、どうだろうか。(写真はネットから引用)


2017年10月10日 (火)

昭和大学文化祭のよしもとライブ

毎年昭和大学の文化祭で催される名人会は無料なのになかなかの面子が揃うので楽しみにしているが(ただし三三が来た時は雑な噺で失望した・・・)、今年はなんと一之輔が来るというので一層楽しみにしていたところ、風邪っぴきになってしまい敢え無く断念。

一方、今年はよしもとが有料ライブを開くとのことで調べてみたら、こちらもなかなか粒ぞろいだったので、前売り券を買って見に行った。以下寸評。

・ウエスP
レベルの高い宴会芸という感じでとても楽しめた。ハキハキとしゃべるのも好もしく応援したい気持ちになる。

 

・おかずクラブ
期待通りのコントの後に会場いじり芸。勢いが感じられた。

・インディアンス
今回一番の収穫。爆笑して腹が痛かった。ボケ担当のしつこい感じがアンタッチャブル山崎のようでもあり、アクの強い感じが原西のようでもあり、とにかく抜群のネタだった。


・相席スタート:手堅い漫談風でテレビと違った印象。
・西村ヒロチョ、おばたのお兄さん:ギャル向けで今一つ・・・
・尼神インター:ヤンキーの方がかなり荒んでいて引く。
・ハイキングウォーキング:意外にもジャグリング芸。中堅の苦しさを垣間見た思い。

1,200円で2時間たっぷり楽しませてもらって大変満喫した。

2017年10月 1日 (日)

無印で冷蔵庫を20%オフで買った後、困惑する

所帯を持って15年以上が経過し、それに伴って諸々の生活用品の買い替え時期が到来した。自転車や扇風機など長く使ってきたものと別れるのはちょっとした哀惜を感じるものだと知った。
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それらの中で最も大物だったのは冷蔵庫だ。
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↑15年物の東芝OEM品。

結婚した時にぜひとも買いたかった無印良品のものは高かったので、OEM供給していた東芝のものを買ったのだが、今は生活に余裕も出てきたので今度こそは無印のものを買おうと様々に情報を収集し、定価の2割引きで手に入れることが出来た。

安く買うには無印良品週間の10%オフ+ルミネカードの10%オフもしくはエポスカードの10%オフの時期に合わせて買うべきと知って、いずれにするか検討したところ、ルミネは新宿店1店舗しか適用とならず、しかも年に1回3月のみとのことで想像を絶する混雑ぶりになり、3₋4時間待ちは当たり前とのこと。自動的に首都圏に4店舗(志木・上野・中野・吉祥寺)あり、年に2回時期が到来する丸井で11月に買うことにした。

事前に年会費無料のエポスカードをこのために作り上野へ。狙いは当たって平日の夜だったがあっさり特設カウンターに誘導されてすんなり購入。エポスカードの入会ポイントも活用して20%オフでゲット。(OEMであるアクアの同型機に比べればそれでも相当割高だが・・・)

ただし、受注生産をしているようで納品が可能な日程を提示できるのは12月下旬とのことで、その連絡があった際には1月中旬に配送してもらう手筈を整えた。我々は良かったが、故障による買い替えはこのタイムラグの関係で事実上不可能であるようだ。この点は留意が必要と思われる。

待ち望むこと十有余年、やっと迎えた冷蔵庫はやはりすっきりしたフォルムが美しく、しばらくはチラチラ見てしまう程嬉しい買い物だった。
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が、しかし。

冷気を作るコンプレッサーが動くと、かなりの騒音が出てくることに次第に困惑するようになった。一度様子を見てもらったが、「今の冷蔵庫はこんなものですよ。コンプレッサーはLGが作ってるのでちょっとわかりかねます。」と無責任に言われ、しばらく様子を見ることに。

すると次第に冷蔵庫の躯体自体がブルブル震えてより大きな音を鳴らすようになり、夜中に目を覚まして「昭和かっ!」と突っ込んでしまう程に悪化。その上、チルド室に入れておいた豆腐や肉類が最弱に設定しても凍ってしまう不具合も起きてしまい、「訳あって、安い」無印も「訳もなく、高い」ようになってしまったのか・・・と嘆いていたら、どういう訳か暖かくなった4月中旬から躯体の振動と騒音はおさまり、チルドの不具合もまれに発生する程度に治まったので、なんとか交換せずに使っている。

無印の冷蔵庫はデザインと引き換えに少しの不具合は甘受する心構えが必要かもしれない。秋に入ってまたブルブル症状が出てきたので、今は底部にある金属板が振動しないようにタオルを丸めて床との隙間に詰め込んで、なんとか気にならない程度に騒音を抑え込んでいる。購入検討のご参考まで。

2017年9月23日 (土)

初秋満喫伊勢原行3:栗拾いと生落花生

【中村農園】
彼岸花も見て温泉にも浸かって宿願は果たせたが、もう少し欲張って駅への戻り道にある中村農園に寄って30数年ぶりとなる栗拾いをしてから帰ることにする。

幸いなことに七沢からバスに乗って分れ道の交差点まで来ると、バス停のすぐ前が農園になっていて、車でなくともアクセスしやすいのが有難い。受付前の栗の木はイガが沢山なっていて期待も高まる。
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最初は受付近くの林で拾っていたが、かなり拾われた後なので苦戦。
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そこに農園の人がやってきて、奥にある林まで連れて行ってくれた。そこはまだあまり拾われていなかったので、そこそこぷっくらと張りのある栗が転がっていて、気づいたら拾うことにかなりのめり込んでいた。
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こちらは1Kg500円と誠に安価で、Kgに満たなかった場合は農園で拾っておいた栗を足してくれる仕組みになっている。我々は1.8㎏ほどだったので、200gほど補充してもらい2㎏持ち帰ることに。

持ち帰ってから水で濡らした新聞紙にくるんで冷蔵庫で1か月ほど寝かして熟成させたら素晴らしい甘さに仕上がって、オーブントースターで焼いては日本酒のアテにして秋の風趣を満喫した。

さらに凄いのは、今まで何十と食べてきたが虫食いにあたっていないことだ。お蔭で安心してほじっては食べほじっては食べている。なんでも春はふきのとうやたけのこ狩りも行っているそうなので、是非その頃にも出かけて里山の恵みを味わってみたい。

【さのや】
伊勢原の駅についてまずは和菓子のさのやへ。大山はこまが名産ということで、それをかたどった「大山こま最中」と秋の風景を思わせる錦玉羹を購入。

最中は形からしてやや食べにくくはあったが、皮の香ばしさも餡の甘みも整っていて美味しい。
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生菓子は錦玉羹で少し季節を逸したようにも思われたが、赤とんぼの飛ぶ澄んだ秋の空を略再現しているようで、田園風景を満喫してきた後だけになかなか感じ入るものがあった。
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そこから少し歩いてJA伊勢原の直売所「あふり~な伊勢原」へ。
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生の落花生が売っていたので買って塩ゆでしてやると、じんわり塩気が染みていて小豆ほどホクホク過ぎず枝豆ほどシャキシャキせず、いい塩梅の噛み応えと舌触りで後を引く。
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少し残しておいて干しシイタケと豚肉とともに中華風おこわにしてみたら、ドンズバではまって大変おいしかった。これはまた是非買って帰ろうと思う。

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秋の里山の情緒がたっぷりと味わえ、しかもアクセスがよく、恵みの秋も堪能できるいいところだった伊勢原。ちょくちょく足を運ぶようにしたい。

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↑道すがらの花々がどれも美しい。
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↑夕闇迫る多摩川をホームから。こうしてみると美しい。

さのや和菓子 / 伊勢原駅
昼総合点★★★☆☆ 3.3

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