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2018年4月 8日 (日)

ボンシュマン

自分の誕生日が年度末に近いので、その打ち上げもかねて祐天寺にある「ボンシュマン」に初めて赴く。駅から離れた住宅街の賃貸マンションの1階が店になっていて、その立地から昨今飲食店が頭を悩ませるアベノミクスの悪弊=店賃高騰の影響は少なく、きっとリーズナブルだろうと思っていたが、果たしてその通りで嬉しくなった。

こじんまりした店内は幸いにも隣の席が空いていたので圧迫感はあまり感じずに済み一安心。ネット予約でシェフのおまかせコースをお願いしていたところ「メニューを変更したいとのお申し出を承っているようですが・・・」とマダムから言われ、その覚えはないのですがと答えると、問題なく当初予定通りのおまかせコースにしてもらえて安堵した。

アミューズはめひかりのベニエに白インゲン豆のマッシュが添えられた一品。
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今まで見たことがないような大きさのめひかりで期待が高まるが、これは流石に大きすぎたようで、どうしても骨が気になってしまいちょっと残念。あの身の霧散ぶりを味わうにはもう少し小さい魚体でなければならないようだ。大丈夫かな・・・と少し不安がもたげたところで、鰹のマリネと春野菜のサラダ仕立て。
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わずかに添えられた蕗の薹がどうにも香ばしく、それでいてきちんと苦みのアクセントを利かせていたり、根ごと供された分葱が抜群の歯応えと想定外の甘みを湛えていたりと、いつもはぬた和えなどで常食する食材の異なる一面が覗けて嬉しい驚き。また、鰹もむっちりねっとりとした官能的な身質で、凡百のものでは避けがたい舌にひっかかる雑味が皆無という清冽無比さに思わず唸る。

温前菜は食べられたらいいなぁと思っていたホワイトアスパラガスのマルテーズソース。
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マルテーズソースというのは、オランデーズソースとは違ってオレンジの果汁で仕上げたものとのことで、なるほど春の陽光を思わせる橙色が際立って美しく、また穏やかな酸味がどこかほのぼのとした春の陽気を連想させるものでとても良かった。

魚のメインはアカムツのポワレ。
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春の野を思わせる見事な濃緑が保たれたソースは青臭さが皆無でさらりとしているのに味の凝縮感が突き抜けていてちょっと吃驚。

吃驚といえばアカムツもそうで、精妙な焼き加減によって口に入れるとこの魚の真味が充満した肉汁が奔出してきて、思わず「なんだこれ・・・」と呟いてしまう始末。普通の店はその身の脂ばかりに焦点を当ててしまうが、ここのものは身と皮の間でその脂と肉汁を乳化させてしまっていて、その意味ではソースの二重奏を味わっている心持にもなった。

肉のメインはうずらの温製ガランティーヌ。
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これまた絶妙に火を通されて薄桃色を保った断面が美しく、フォークをぬぷぬぷと沈んでいく感覚を久々に味わう。うずらの肉は昔香港で食べた酔鴿を真似るべく取り寄せて湯煎したことがあったが、小さいだけにあっという間に火が入ってしまってカチコチになってしまった苦い思い出があって、卓越した技術で仕上げるとこうも違うのか・・・と嘆息しきり。心憎いことにうずらの小味を殺さないように、詰めた肉に施したスパイスも抑えめにしてあって、お互いがお互いを補完しあうように出来ていて舌を巻く。

デザートは春らしくイチゴのパフェで、登場とともにオルゴールでハッピーバースデーの曲を流すという粋な計らい。この歳で誕生日を祝うというのは気恥ずかしかったが、控えめな演出が妙に心に沁みた。
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お茶菓子に小さなイチゴのマカロンが出されてコースは無事大団円。美味しいフレンチをしばらく食べていなかったので、実に一皿一皿が新鮮で発見があり、フランス料理の沃野に眩惑され続けたひと時となった。お陰でもっとフランス料理を知りたいという気持ちが芽生えたので、さっそくシェフの共著を図書館で借りてきてしまう有り様。
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ともあれ、バスで来られるという気軽さもあるし、季節感を大事にする気風も共感できるし、今後ともお世話になりたい店を知ることが出来て率直に嬉しい気持ちになった。歳をとるのも悪くはないものだナ。
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2018年4月 1日 (日)

ベランダで菜の花を育てる

不惑を超えてから寒い最中に花を咲かす草木に心を寄せるようになった。厳しく耐え忍ぶのが精一杯のこちらを尻目に、命の精華を惜しみなく咲かす力強さに憧れとも尊敬とも言えぬ有難みを覚える。

年が明ければ水仙が咲き、しばらくすれば梅がほころび、直にこぶしや木蓮が膨らみ始めると桜も間もなくといったところになる。そうなると足元にははこべら・仏の座・菫・たんぽぽ・花大根がいつの間にか顔をのぞかせている。

ここまでくればもう春だが、その兆しを感じさせてくれる菜の花にも一方ならぬ思いがあって、今年はベランダで育ててみることにした。11月下旬に種をまき、その後今年の寒さもあってか遅々として成長しなかったが、節分を超えたあたりから背丈がぐんと伸びだして3月に入ってついに開花。その鮮やかな黄色が心に沁みてじんわりと暖かな気持ちになる。
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その後何段にも花を咲かせ、更には脇から数本花芽も伸びて4月に至るまでずっとベランダを彩ってくれている。結露越しの花の姿も季節の風趣があってなかなか良かった。
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花の部分だけワイパーで拭ってやると雪見障子のようにもなって、眺めながらやった剣菱のぬる燗は実に結構なものだった。
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育てるのに手間もかからず気持ちを華やがせてくれるから、来年も是非育てて楽しみたい。

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2018年3月27日 (火)

東急ワンデーオープンチケットで桜巡礼3:池上線沿線

慣れ親しんだ池上線に戻り
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五反田のTSUTAYAに寄って会員更新手続を済ませ、近くの目黒川に行ってみたところここの河畔は八重桜となっているようで、わずかに蕾が赤味を帯びているのが確認できただけに。
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それでも積水ハウスの地面師騒動を引き起こした問題の閉鎖旅館物件も見物できたので良しとする。
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五反田から再び池上線に乗り、御嶽山でこのところ贔屓にしている呂万寿に寄って春らしいとりどりの菓子を土産に買い、
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そろそろ日が傾いてくるころに池上駅へ到着。
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まだ木製ベンチは毀されておらず、夕日を浴びた姿は郷愁をそそる。
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↑駅そのものが似合うんだよなぁ、夕日が。建て替えでこうした景色が見られなくなるのはいかにも口惜しい・・・

駅から南下すること5分、その名も桜館と称する温泉銭湯で足の疲労をとることに。
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ここは桜の季節には日によって屋外の展望風呂が開放されて花見風呂が楽しめるのだが、生憎この日は該当せず。それでも漆黒の黒湯とジェットバブルで巡礼の疲れも癒えて、少し早い夕食を駅前の池上食堂で摂る。
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↑こざっぱりとした潔い店構えが好ましい。


からからの喉にビールが沁みてどうにも旨い。滑らかなマヨネーズが身上のマカロニサラダも程よい甘辛さのかつ煮もアテに申し分なく、桜にあてつけられ続けて少し硬直していた身体がじんわりとほぐれる。
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店を出ればもう日没で、綺麗な茜空が道の向こうに広がっていた。
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もうひと踏ん張り行ってみるか、と自分を励まして洗足池に寄ってみる。
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どうやら桜の開花が早すぎて提灯が間に合わなかったのか、仄暗い中での夜桜見物となったが、この方が桜の持つ妖艶さが引き立って見蕩れてしまった。
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ちなみに前日弁当を用意して花見を楽しんだ時の様子はこちら。
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桜の袂にはへびいちごやシャガの花が咲いていて、彩りを添えていた。
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1日で浴びるように桜を愛でたが、概して昭和前期に開発された目黒線や池上線の街は名所の数は多く、いずれも駅から近いので手軽さが魅力だが、一方で樹勢の衰えが目立つ場所もあり、名所としての今後に懸念を抱かせるところもあった。

一方、昭和後期に開発された田園都市線沿線はここ数年がピークと目され、名所の数は少ないものの爛漫のむせるような花の生気を楽しむことが出来た。

東急のワンデイオープンパス、他にもテーマを探してあちこち巡る旅を企図してみたい。(ちなみに今回の旅の運賃総計は約2,500円)

以下桜以外の花々も。
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↑線路脇に咲く隙間花の逞しさを見習いたい
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↑一日で17㎞も歩いたので最後はヘロヘロ。写真もピンボケするというもの。
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2018年3月26日 (月)

東急ワンデーオープンチケットで桜巡礼2:田園都市線沿線

田園都市線とは相性が良くなく、この日も長津田へ向かう急行は3分遅れでの運行。長津田でこどもの国線に乗り換えるのに3分しかない乗り継ぎだったので嫌な予感がしていたが、果たして駆け付けたホームから無情にも列車がこどもの国に出ていく姿を見送ることに。

呆然として待つこと20分、やってきた二両編成の電車に揺られてこどもの国駅へ。
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内陸だけあってか駅からこどもの国につながる小径の桜はまだ3分咲きといったところ。
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あれれ、ちょっと時期的に早かったかなと思ったが、入園してみると中央広場右手の枝垂れ桜がほぼ満開で杞憂に終わり一安心。
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まずは当初のお目当てである椿園を目指す。
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↑椿の森というのが正式名称のよう。


有数のコレクターが栽培していたものを、椿をブランドロゴにしている資生堂が譲り受けてここに寄贈したことから始まる椿園は、おおよそ7,000本もの木があるとのことで期待に胸膨らませたものの…
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今年は3月が暖かかったからかほとんどの木は見頃を終えていて、ぼとりとたもとに落ちた哀れな花が多数と寂しい状況。それでも少しだけ残っていたものは、美しく夢見心地にさせてくれた。
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↑傾斜地に植えられているので結構な道を登る
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きっと春の息吹が感ぜられる早春に行くべき場所だったのだろう。

気を取り直し、枝垂れ桜を眺めながらの昼食を楽しむ。
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彩り豊かな自作のサンドイッチに麦とホップで出来たおとなの国の飲み物を呷る。
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見上げれば春らしい空が広がっていて、気持ちが清々する。
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デザートは自由が丘の「大文字」で買ってきた桜餅と黄味しぐれ。やっぱりここのものは餡子が美味しく、桜葉の薫りが花見気分を盛り立ててくれる。
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食後、枝垂れの下を歩いて帰る。
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向かい側のソメイヨシノの並木はやはり3分咲きで、東京や横浜の満開宣言から数日遅れて見頃を迎える様子。近所の花見を逃してしまった際にはここを思い出したい。
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田園都市線沿線では鷺沼からたまプラーザに続く道の桜並木も美しいとのことで途中下車。
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駅のロータリーを曲がるとすぐに桜並木が見えてきて、
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さらに行くと桜のトンネルが現れ、その美しさに思わず唸る。
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この辺りはまだ開発されて40-50年くらいだろうから桜の樹勢があり、枝ぶりも申し分なく誠に見事なものだった。

この後溝の口で降りて目当ての買い物をしようとしたところ取り扱っておらず無駄足に。
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めげずに大井町線で旗の台に戻り、池上線に乗り換えて大崎広小路へ。

2018年3月25日 (日)

東急ワンデーオープンチケットで桜巡礼1:目黒線・大井町線沿線

そもそもは椿の名所を探して検索していたところ、こどもの国に広大な椿園が広がっていることを知った。かなり遠いので、もしかしたら東急の一日乗車券を使った方が安上がりなのではと思ったら、果たしてその通りだった。そこで貧乏症が発症して「それならいっそ同じ時期に咲く沿線の桜の名所を隈なく巡ってみたらどうだろうか」と閃くに至り、桜巡礼の小旅行に出ることにした。

朝一番で向かったのは目黒線不動前駅。
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ここでは名所を二つ巡るべく、まずは線路沿いに目黒川の方へ足を向ける。目黒川の桜といえば中目黒界隈を思い浮かべるが、なかなかどうして駅徒歩3分のこちらから臨む桜の景色も見事なもので、名所らしく朝から写真を撮りに来た人々がたむろしている位だった。
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↑ここから撮影するカメラマン多し

しばらく川沿いを進み、山手通りへ戻るとここも名所のかむろ坂の入口に。
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坂道の左右を桜が覆ってなんとも豪奢な花道となっていた。
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続いて二駅下って西小山駅。
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ここは駅からすぐのところに立会川の暗渠があって、そこが桜並木になっておよそ1km旗の台まで続いている。
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見事なものだが、慣れ親しんだ道なので滞在2分でさらに二駅下った大岡山へ。
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ここも徒歩1分で到着する東工大キャンパス内では老木が多くて切り落とされた枝も散見されたが、それをものともせずに爛漫と咲き誇っていた。
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学府の時計塔と桜というのはよくお似合いで、折しも入学式だったから尚の事心浮き立つ雰囲気があっていい。ただ、噂には聞いていたが本当に保護者同伴だらけで少し寒気も感じてしまった…桜には罪はないけれど。

と、ここでトラブル。家人がデジカメに挿入していたSDカードをPCに差し込んだままにしてたため、カメラのメモリーが一杯になってしまう。やむなく自宅へ一旦戻り、気を取り直してさらに二駅下った多摩川駅へ。

ここも見所は二か所。まずは東南方面にある河岸段丘を登り、
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↑結構な坂を上って見下ろす

徒歩およそ10分、その名も桜坂へ。
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あの名曲の舞台とあって、通りを見渡せる架道橋には幼児を中心に人だかりができていた。
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ここの桜は背がかなり高く、密集した花の持つ迫力と見事さは薄いものの、青空とのコントラストが楽しめるのが特徴かと思われた。
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取って返して駅まで戻り、駅西側の河岸段丘にある多摩川台公園へ。
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こちらは老木が多くかなり無残に幹を切られた様が少し痛々しいし、枝ぶりも芳しくなく花を楽しむのには若木の生育を待たねばならない感じだった。
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しかし、鉄橋を走る列車との風景が取れるので、鉄道歳時記をカメラに収めたい向きには人気があるようだった。
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↑それっぽい写真

続いて九品仏に向かう際には青カエルに塗装された特別車両に乗車。
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子供でもないのに少しはしゃいだ気持ちになる自分が居てやや気恥ずかしい。

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九品仏は参道入り口や堂宇脇など境内全域に万遍なく咲いていて、見かける度にぽつりぽつりと心に火が点る感じがあり、徐々に心が和やかになるのを覚える。
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ただ野生のオウムの群れが生息するようになって、鷲をかたどった凧が木からぶら下げられていたり、桜花を食い散らかしていたり少し寂しい風景も見かけた。
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↑無残に啄まれ地に落ちた花弁たち。合掌。

ここから九品仏川緑道を自由が丘まで歩く。自由が丘駅まではほとんど桜は植えられておらず、あっても植樹2-3年と思しき若木のみで迫力はない。
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駅に着くとそれなりの木が揃うのだが、ここも老いてしまって樹勢が弱い。
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本当は隣の緑が丘駅まで続く暗渠沿いの並木を楽しみたかったが、先があるのでここで断念。自由が丘デパートに寄ってこの街らしからぬ雰囲気を味わい、
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1階にある和菓子の大文字で季節の和菓子を購入して、いよいよこどもの国へと向かう。

2018年3月 3日 (土)

みうらじゅんフェス!を見に行く

川崎市民ミュージアムはシアターの企画がなかなかなのでチェックをしているが、この度みうらじゅんの膨大な収集物を展示する「みうらじゅんフェス!」を開催するとのことで、出かけてみることにした。

まずは腹ごしらえと新丸子で行きたかったタイ料理のプリックタイを調べたら、昼はやっていなかったので、次点のマドラスミールスへ行くと店前には行列が。なんでもインド人たちの帰省で1か月店を閉めていた直後だったから、こうなるのもやむなしと観念して、20分ほど待って入店。

家人はベジタリアンミールス、こちらはノンべジを注文。ミールススタイルは経験値が少ないが、汁物の味わいに変化が少なくやや拍子抜け。以前食べたケララの風Ⅱの方が一皿ごとの味の変化があって、それを混ぜ合わせた時の化学反応ぶりも楽しめたと思う。あちらはそのコントラストを、こちらはそのグラデーションを楽しむようになっているのかもしれない。
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(写真はネットから引用)

店を出て多摩川の堤防沿いを腹ごなしに散策する。空が開けているし、足元には春を感じて一斉に伸び始めた山野草があちこちで見られてほのぼのとした気持ちに。
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↑ゴジラに破壊された丸子橋
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しばらく行くとアスファルトに足跡があり
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よもやあの北京原人が「ウパー」と叫んでみうらじゅんフェスへ向かっているのかと思わされたが、道が整備された時の誰かのいたずらのようだった。
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さらに進むと目当ての河津桜が見えてきた。このところの春の陽気で一気に開花が進んだようで9分咲きになっていて行きかう誰もが足を止めていた。
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すっかり心も弾んでここからすぐの市民ミュージアムへ。入場券を買うのに並ぶくらいの人出でなかなかの人気。
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↑伝説の通信空手資料一式!
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↑アウトドア般若心経
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↑ゆるキャラの始祖、トリッピー
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↑最新マイブーム「冷マ」
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↑笑ってしまってピント合わず・・・

一人っ子気質の爆発力が世の中にピタリと嵌った稀有な存在であることを再確認させられる展示だった。一方、1998年のみうらじゅん大物産展に足を運んだ身としては、展示が通り一遍な感じで少し物足りず。というより、みうらじゅんの一番脂の乗った時期は20世紀末で、今世紀になってからはその余禄で食べているような感じなんだと思わされた。

ともあれ、これだけくだらないことを全力でやり続けるのはさぞ骨折りだろう。展示物全体にその辛苦が滲んでいるように感じたのは、こちらも20年歳をとったせいもある。還暦を迎えた今後は力を抜いて、転がる石であり続けてほしいところだ。

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↑「ん?」と思わされたところ・・・
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↑「穿かせたろう」か!と気づいたときにアハ体験

2018年2月20日 (火)

牡蠣料理三昧

家人の後輩の実家が岡山で、そこから水揚げしたての生牡蠣を大量に送ってくれたので、その意気に応えねばとあれこれ手を替え品を替え牡蠣三昧の日々を楽しんだ。

まずは定番の牡蠣フライにクラムチャウダー。
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久々に身質の良い牡蠣で作ったのですこぶる美味しいフライだった。クラムチャウダーも出汁が利いてNYのグランドセントラルのものもかくあらんという出来。

お次は和食仕立て。生牡蠣はレモンとポン酢で10個ほど食べたが、磯臭さが皆無だと濃厚な旨味だけが口に残るからどんどんいけて気付けば10個平らげていた。

酒蒸しは季節の菜の花と実山椒を添えて。
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牡蠣豆腐はあっさりと。
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牡蠣田楽は味噌に黄身を少し混ぜて焼いている時に身からタレがこぼれないように。焦げた味噌の風味とよく合う。
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酒肴として前からやりたかった牡蠣のオイスターソース煮もこっくりとした甘辛味が利いて、ビールにも日本酒にも良かった。
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昼にはチャンポンにも入れて消費促進。出汁に汐の風味を添えて美味しい。
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目先を変えて韓国風にもチャレンジ。牡蠣のパジョンはふわふわした衣とぷりっとした身のコントラストがいい。
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わかめと牡蠣の吸い物は水準の出来だったが、
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白眉は生牡蠣で作った牡蠣キムチ。牡蠣の旨味とにゅるんとした口当たりに、甘酸っぱ辛くニンニクの利いたヤンニョムが殊の外よく合い、これはご飯が進んで困ってしまった。
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以下備忘にヤンニョムの材料を記載する。韓国唐辛子を使うのが肝で、これは近所のスーパーで購入。なお、これを白菜の古漬けに和えて食べたら、まさに白菜キムチで汎用性が高く、余った刺身などに流用するなど様々に楽しんでみたい。

・韓国唐辛子:大匙1.5、醤油:大匙1、酢:大匙1、砂糖:小匙2、ニョクマム:小匙1、鶏ガラスープの素:小匙1、ごま油:小匙1、胡麻:大匙1、おろし生姜:小匙半分、おろし大蒜:2片

日持ちするように寒風に晒して干し牡蠣も作ってみた。
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炙ってつまみに食べても良し、豆腐と煮込んでも粤菜風に仕上げても良いだろうと見込んでいるので、しばらくしたら試してみたい。

2018年2月17日 (土)

西嶺町で梅見散策

二月も中頃になると梅があちこちで咲く。今年は目をつけていた西嶺町へ行って梅見を楽しんだ。

最寄りの久が原駅で降りると池上線名物木製ロングベンチが目に飛び込んできた。
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他にその存在が確認されている旗の台・池上両駅では駅舎の建て替えによって跡形もなく消え去ってしまうだろうから、いずれここがロングベンチの孤塁になるのかもしれない。武蔵小杉で新社会人になり、まだあったこういうベンチに一人佇んで会社に行くのを逡巡していたころをふと思い出した。

出口を西に進むと環八が出てきてそれを渡って少し下ると一気に昭和以前の土着の雰囲気が濃厚になる。鬱蒼とした木々に囲まれた地主と思われる家が茅葺だったり、広大な庭の一角が畑となっていて野菜を栽培していたりと、元から住み暮らす人々が昔からの生活を堅持していて、それが一種独特の鄙の雰囲気を醸し出している。

そんな中に高く生い茂った梅の林の小道があって、そこに足を踏み入れるとここが屈指の高級住宅街近隣とは思えず、一種の迷宮感があっていい。しかもそこはかとなく高貴な梅香が漂って、いかにも閑雅な気持ちにさせられる。
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梅林はおおよそ50mほどであっという間に見終えてしまうが、トリップ感もあって少し酩酊したような気持に。

そこから少し行ったところに西嶺高砂公園があり、そこの近くの坂道にも登録有形文化財に指定されている明治初期からの茅葺住宅が現役で使われていて、生垣の隙間からちらっと見させていただいた。日が傾いて少し薄暗くなりつつあったからかもしれないが、今この瞬間が果たして平成の世なのか・・・と疑いたくなるような一瞬だった。
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そこからまた環八に戻って、池上線沿いを御嶽山に向かって進む。池上線の架線塔はこの辺りでは見上げる高さで、どうも高圧線の鉄塔の役割も果たしているようだ。向こうまでずらりと続く様は迫力があってなかなかの景色だった。
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御嶽山での目当ては池上線1日無料デーで知った和菓子屋の「呂万寿」で、店構えはひっそりとしているのに毎回先客が居て、古くからの住宅街になじんで近隣に贔屓が多い様子。

この日は春らしく草餅に道明寺、
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菜の花のきんとんに春の萌黄を思わせる羊羹と浮島の上生菓子。
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草餅は薫り高く、道明寺は滑らかな餡と桜花の塩気が秀逸。きんとんも色どりといい口どけといい申し分ない。古くからの住宅街の近くには茶を嗜む世代が残っているからか、いい和菓子屋があるというのが持論だが、ここもそういう一軒だと思う。

そこからテクテクと雪谷大塚まで歩いて、品の良い大衆酒場のとよだに寄り、おでんともつ焼きで一杯。
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ここは土地柄から客筋が良くて、コの字のカウンター席でも狎れてあれこれと煩い常連もおらず誠に気持ちがいい。また、カウンター向こうできびきびと働くお姐さん方もべたつきすぎず素っ気なさすぎず良い距離を保ってくれるのがありがたい。おまけにおでんももつ焼きも美味しいのにいずれもほとんど一品100円台で極めて良心的。大井町の信州酒場浅野屋を失って、コの字難民になっていた自分にはまたとない店で重宝している。

近場だけれど旅に出た感があって、なかなか良かった。

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2018年1月14日 (日)

忘年温泉熱海伊東4:南粤美食で打ち上げ

透徹な冬の夕日に見送られて湘南を東へひた上り、夜の帳が下りる頃久々の中華街へ到着。中空には灯篭の龍が踊っていて、新年快楽の雰囲気が漂い始めていた。
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目当ての「南粤美食」は持ち帰りの焼鵝を試したり、名物の塩蒸し焼き鶏でビールを軽く飲んだりしたことはあったが、きちんと料理を味わうのは初めてのこと。開店早々だったから、日本語が得意ではないシェフだけしかいなくて少し心配になったが、注文は問題なく通って一安心。

大名物、塩蒸し焼き鶏はぎちっとした身質の噛み締め具合が楽しく、一方皮から溢れる滋味と塩気も利いているからビールのあてには最高の一品。
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海老ワンタンは海老の弾力がしっかり感じられる餡の詰まった広東スタイルのもので、スープも乾物と思われる香りが立ち昇り、あっさりしながら後引く味わいでとてもいい。
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野菜系でなにかお勧めを・・・とお願いして出てきたのはセロリと干し肉の塩炒め。干し肉(臘味)は冬の風物詩で、臘の元来の意味は旧暦十二月であると聞く。ある意味旬の時期だったからか、噛み締めるとじゅっと滲んでくる旨味をたたえた脂がいかにも旨く、そのえぐみはセロリのほのかな苦みで中和されて、後口が思ったよりさっぱりするのに驚かされた。
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これも冬の定番である
仔飯はシェフからは「帆立が美味しいよ」と言われたものの、いい値段だったので定番の冬菇滑鶏にする。これは手前味噌で恐縮だが、自宅で香米を使って作るものと大差のない出来。むしろ日本米だったこともあって、ややべたつくきらいがあって少し残念。
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「香港好きならこれも食べて行ってよ」とシェフから勧められた港式焼きそばは油が強くて今一つ。茶餐廳系が好きな人には良いのかもしれない。
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後半やや失速したが、肉・野菜・汁・飯と上手に献立を組み立てられたこともあり、まずまず満足いく夕食となった。大珍楼が宗旨替えしてしまい、もう中華街に来ることはないかなと思っていたが、こちらのシェフは臘味を自作したりして凝った料理を食べさせてくれるし、何といっても化学調味料に頼らずに深い味わいを手軽な値段で食べられるとのがいい。手間と工夫を惜しまない姿勢は昨今稀有であり、称賛されて然るべきだと思う。香港熱にうなされた際には足を運びたい店だ。


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伊東はいい具合に鄙びた温泉街になっていて、その上魚屋や肉屋、酒屋がまだまだ元気があり、近場で長湯治をするにはいい土地になりつつあると感じた。今度はもう少しのんびり滞在して、暇を見ては太公望を気取り、魚菜を賄い、とっぷりと湯に浸かって、とろとろとした時間を過ごし風趣を嗜みたい。以下備忘まで。
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↑伊東で見かけた気になる酒場
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↑潰れたストリップ小屋。漢字能力高め。
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↑熱海の港にあった石碑。どうしても必要だったのか疑問・・・
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2018年1月13日 (土)

忘年温泉熱海伊東3:伊東から熱海へ

二日目はホテルをチェックアウトしてから、東海館を見物。
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様々な意匠が品よく点在していて好ましく感じる。
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これらの灯は家に欲しい・・・と思った。
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旧客室の広縁は日が差し込んでほのぼのとした気持ちに。
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最上階に望楼があって、そこから見える建物の屋根が東山魁夷の「年暮る」のように見え印象的。
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とても保存状態がよく趣深いから、見学だけではなく仕出しを取り寄せて昼食をとれるようにするなど、お茶屋的機能を持たせて維持保存のための資金確保の道を探ってほしいと感じた。

伊東駅から昼食をとるべく伊豆多賀へ。
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列車に乗り込む前に駅の売店で土産に名物のいなり寿司を買って帰る。美味しかったし、店の女性店員もきびきびしていて良かったが、平成の世にあってはごく平凡に映ってしまうかもしれない・・・というのが率直な印象。

ホームにやってきたのは往年の観光列車伊豆リゾート21の車両。各駅停車に転用されていて、ちょっと得した気分。
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多賀の駅は観光地でもないので駅前から民家が続き、蜜柑がたわわになっていたり、人知れず水仙が咲き乱れていたりと、鄙ののどかな景色に心和む。
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少し迷って目当ての蕎麦屋「多賀」に到着。相変わらず豪壮な造りで不思議と安心感を覚える。
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↑ブルーノ・タウトを魅了した?軒下の無骨ぶり

蕎麦はコシもありのど越しもよく良い出来だと思ったが、つゆが濃いめのものに慣れた身としてはいささか物足りなく感じた。それでも冬の暖かな日差しを浴びた庭を見ながらの一枚は伊豆に来ている感があってやはり好みだった。
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一輪だけ咲いていた梅に見送られ、近くの宮脇バス停から起雲閣近くまでバスで行く。
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↑宮脇バス停はその名の通り神社沿いにあった。

途中断崖絶壁の上を道が通って、紺碧の相模湾が一望できたのは思わぬ収穫。


起雲閣は入場しなくても喫茶室だけ利用できるということで、切符売りの方にその旨申し出ると親切にもそこまで案内してくれた。ここは旅館だったころはバーとして使われていたらしく、喫茶室の割には艶っぽい夜のムードが残っていて少しぞくっとする。
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美しい日本庭園が遠望し、コージーなモスグリーンのソファに腰を掛けていただくのは、抹茶と宿の時にお茶請けで出されていたあんこ巻。和洋折衷の美が醍醐味であるこの建物にぴったりの選択だと一人悦に浸った。
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見学者の割に空いていて、時間の積み重ねられた空間だけが持つ言いようのない安息感に包まれて静かな時間を過ごせるのが良いところ。

ここからテクテク熱海駅まで散歩。途中お家騒動が街の話題をさらっている「ときわぎ」の本家筋の店に寄って抹茶羊羹を購入し、
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↑ごくごくオーソドックスな造りの羊羹だった

向かい
の分家のショーケースに飾られたホスト風の社長の写真に苦い微笑を与え、
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↑写真はネットから引用。

海を眺めに港へ。
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それにも飽きて急峻な坂道をおろおろと登って「間瀬」で和菓子を購入し、
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↑柚子もきちんと香り、餡も滑らかで美味しかった。

熱海駅の雑踏は素通りして打ち上げの地である横浜は中華街へ向かう。

2018年1月12日 (金)

忘年温泉熱海伊東2:自作酒肴で忘年会

ホテルは食事なしなので外に食べに行くかとも考えたが、先般京都からの帰りに食べた「井政」の弁当箱をとってあったことを思い出し、これに酒肴を中心に詰め込んで向こうで食べれば良いではないかと思い直して、贋作折詰弁当を作ってみた。

下の段ははじけたらこや海老芋など炊き合わせ類、
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上段はぶり西京焼や帆立雲丹焼など焼き物に五彩なますとほうれん草と蟹の旨酢和えなどを詰め込んでみた。
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飯類も欲しくなるだろうと思案して、これまた数年前に山陰を旅した際に購入した蟹飯弁当の入れ物にかにちらしを詰め込んだ。
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↑こういう時の奈良漬けは実に旨い

お造りはホテル近くに「魚佐」という鮮魚店があって地の魚の刺し盛があるとの情報を得たので足を運ぶと予定外の休み。あきらめていたところ、釣りに出掛けた際に見かけた東海館そばの「中野鮮魚店」にダメもとで頼んだら、1,500円で盛り合わせを誂えてくれた。
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持参した皿に盛り直すとなかなかの見栄え。
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鯛・鰹・鮪・鮃・金目鯛・イサキと種類も豊富で、鮮度が良いからか雑味も感じずとてもお得に感じた。
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一堂に会して忘年会スタート。湯の花通りの今井商店で購入した磯自慢吟醸生酒は、軽やかな甘みの霧消ぶりに品格があって、さすがは屈指の港町である焼津の蔵、実に刺身によく合った。
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刺身特有の味のノイズを消した上で、酒の旨味が刺身に風味を与えて刺身も酒も食べ飽きず、飲み飽きない。改めてその実力を思い知った。

食後は隠れた和菓子の町と呼ばれる伊東だけに菓子を二種いただく。ひとつはホテルへの行きがけに店先で見かけた「湯猪」という最中。その昔、傷ついた猪が伊東の湯に浸かっていたという逸話をもとにしているとのこと。
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温泉に来たら、温泉饅頭だとか最中だとかの素朴系の菓子で、体とともに心もほこほこさせると感じが出て気分が高まる。パッケージもいい具合に古びていて味わい深い。
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最中自体も甘さしっかりのねっとりとした餡と軽くて香ばしい皮のバランスが良く、パクパク食べてしまう。

もう一種類はキネマ通りの終点近くに店を構えていた
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笹本菓子店で買った山茶花の上生菓子。姿形の優美さといい、色合い・ぼかしの具合といい、個人的には好みのタイプ。
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少ししっかりとした餡だったけれども、それだけに豆のほっくり感を感じることが出来て、これもやはり美味しかった。

ここで自販機でビールを買って、居続けのまま二次会突入。その自販機で売っていた柿ピーが、堅めのおかきタイプでいかにも旨くて嵌ってしまった。
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伊勢原にある龍屋というところが出しているようで、思わず翌日帰りがけに土産として買ってしまった。
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翌日、釣りに行く前に食べた朝食は、大船で下車した際に寄って購入したカルヴァのパンとホテルの大浴場で売っていた瓶入り牛乳。
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大船では評判が良いらしいが、堅実な期待を裏切らない美味しさという印象を持った。ドライフルーツもナッツも豊富に入っていて、生地も妙な酸味も少なくて満足。
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ただ、それよりも一緒に飲んだ伊豆の「おおき牛乳」が濃厚なのにさっぱりした後口で印象深く、これは次に伊豆方面に行った際にはまた飲んでみたい逸品。

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2018年1月11日 (木)

忘年温泉熱海伊東1:伊東で宿泊

年末、我が家でも忘年会を・・・という話になった時に、家人が北木島での釣りが不完全燃焼だったからいっそ泊りで出かけてついでに釣りもしたいという話になって、初めて伊東に泊まりに行くことになった。

【鮨処もり山】
葉山・鎌倉方面に出かける際には寄ってみたいと思っていた大船のもり山へ行きがけの昼食に伺う。
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↑大船駅のホームには結婚式を執り行う貸し切り列車が

予約をして開店時間ぴったりに行ったが、常連を中心にカウンターはびっしり埋まっていて、どこも家庭内忘年会が開催されている様相。考えることは皆同じなのだなと内心苦笑し、カウンターの一隅に席を得て上にぎりをお願いする。

一番高いものだったから、大トロや雲丹、牡丹海老と目立つネタが多く、こちらが期待していた地の魚は鯵くらいにとどまってしまい、少しとまどう。もしかしたらもう一段下のものを頼めば個人的には良かったのかもしれない。それでも質の良い鮨を手頃な価格で食べられたので満足。
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ここで大船観音に別れを告げ、
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小田原では城を望み、
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がたごと東海道線に揺られて熱海を経由し、初の伊東へ。
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↑熱海のように仰々しくなく、海を感じさせる駅舎で好ましい。

駅から海に向かって続く湯の花通りは、熱海のように混み合ってはおらずのんびり歩けていい。ところどころやや古びた建築が残されていたりして、栄華を偲ばせてくれる。
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途中酒屋の「今井商店」で夜の忘年会用に磯自慢の吟醸生酒を購入。こちらは静岡の銘酒を中心に全国の良酒を豊富に取り揃えていて、しかも磯自慢もプレミア価格ではなく大変良心的。こちらがあることが後述のホテルでの宴開催の決め手になった。
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【ラフォーレ伊東】
宿はラフォーレ伊東に。あんまりこういうホテル型温泉宿には泊り慣れていないが、特段不都合もなく快適に過ごせた。特に家族風呂が使い放題で、家人は湯船にプカプカと浮かんでは「ううぇあ~」と唸っていて甚く気に入った様子で、手を二足歩行の恐竜のようにして揺蕩い、時折大きく吼えることから「ここをティラノ湯とする」と宣言したら、いかにも楽しそうに笑っていた。
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↑写真はネットから引用

【釣り】
夕方、ホテルから東海館前まで行き、堤防のたもとの終点新井までバスに乗る。
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↑堤防からはあのハトヤのネオンが臨めた

夕闇迫る中、アジングの仕掛けでカマスでも釣れたらと思ったら、リールの糸が太すぎるのか全然飛ばずまるで釣りにならない・・・。急遽中通し重りをつけたが、そもそも魚がいないようで周りの方も渋い様子。風もあって寒いので早々に引き上げる。

翌朝、バスはまだ走っていないので、ホテルから2.5Km歩いて堤防へ行く。途中、寺から6時の鐘が響いてカラスが飛び立ち、水平線が微かに現れて夜の闇と漆黒の海にメスを入れる風景が眺められたのは良かった。
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が、やはり風が強く波もあってカマスから狙いを変更して用意したカサゴの穴釣り仕掛けも太刀打ちできず。結果、朝焼けとウミウの雄姿を眺めに遠くまで散歩に来ただけという結果に。
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↑ネッシーのようにも見えるウミウ

朝夕とも帰ってからの温泉が殊の外気持ちよかったので、それで良しとしよう・・・と自分を慰めた次第。

2018年1月 6日 (土)

おせちを自分で作る2018

間に一年空いて久々におせちを作った。
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上から時計回りに鶴子芋、亀甲椎茸・帆立、ふき煮、南瓜きんとん、海老旨煮、蒟蒻手綱煮、つくね、昆布巻、カステラ玉子焼、はじけたらこ、黒豆、蓮根煮、紅白なます。今年も家人の試験合格を祈念して巻物に見立てた昆布巻と書物に見立てた玉子焼を多めにした。黒豆と昆布巻は市販のものだったので、準備はさして手間にならずもう随分慣れてきた感じ。

雑煮は型抜きした紅白梅と松葉柚子で彩りが良くなった。

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酒は川崎町のふるさと納税で頂戴した伯楽星。究極の食中酒を目指すというだけあって、するりと入って後口さっぱり。贔屓にしている瀧自慢に酒質が相似していて誠に結構。
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さほど寒くない年末だったので、思い切って西小山の風林堂へ行って年賀の菓子と雑煮用の餅も購入。菓子は上出来のものばかりで、寿ぐ雰囲気をより盛り立ててくれた。
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↑繊細な技が光る水仙

大晦日に生垣から切り出した山茶花は元旦に見事にほころんで、祝賀気分に花を添える。
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本当はベランダで育てた三年目の水仙の花を生けたかったが、過酷な寒さがたたってか小正月に頃になって花を咲かせてくれた。何年も花を咲かせるのは難しいと聞いていたので素直にうれしい。
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とてもいい正月を迎えることが出来て心が和んだ。
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↑この時期は冴えた夕景が本当に美しい。

2017年12月22日 (金)

初冬瀬戸内鱈腹記12:鳥好・まとめ

レンタカーを岡山駅前で返却する段取りだったので、その近くのざっかけない居酒屋で旅の打ち上げと思って調べたところ、樽げんが目当ての和菓子店であるみずゑからも近くて良いと思って、足を運ぶ。

途中なかなかのパーキングタワーを見かけたあたりで、
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朝方挫いた足が腫れ上がってきたので、家人に薬局で湿布を購入してもらい、路上で貼ったうえでややびっこになり気味に店についたところ、「まだ仕込み中なんで」とのつれない返事。公約である開店時間を守れない店が良いものを提供することはかなわないだろうと、隣にある鳥好へ入ることにした。

ここは鳥を屋号にしているものの、駅前という立地から郷土料理はなんでもござれという品書きとなっていて、旅のものとしてはありがたい。しばらく瀬戸内から離れる名残りを惜しもうと、ままかりにいいだこ煮、穴きゅう酢、小いわしの天ぷら、もがいの煮付といかにもらしい魚介料理ばかりを頼んだ。

ままかりは酢の加減がよく皮もひたりと柔らかくて美味しく、
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いいだこやもがい(赤貝の親類)も小味が利いて歯ごたえもいい。
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穴きゅう酢は目下のところ名古屋の大甚が筆頭だが、それに次ぐ旨さ。
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白眉はいわし天で、小いわしだから身がふんわりとしていて、鮮度の良さもあってかえぐみも皆無で頗るおいしい。
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勢いに乗ってままかり寿司を平らげて岡山・香川との別離の宴は盛会のうちに終焉した。
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良い店で大団円を迎えられて喜ばしい限り。

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香川でうどん三昧、北木島で魚介三昧、岡山で和菓子三昧と実に旨いもの三昧の日々を過ごすことができた。何年かして、あの頃は食べられたのだな・・・と述懐することになるだろう今回の旅は、人生の夏の終わりに相応しいものになったのではないかと思っている。以下備忘までに。

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↑この「アニメ日本昔ばなし」に出てきそうなこんもり山を見ると、讃岐に来たのだなと思わされる。讃岐富士は登れるそうなので、今度は挑戦してみたい。

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↑色々と不出来が重なったままの掲出

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↑どんなニッポンなのか聞きたかった・・・@丸亀

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やはり瀬戸内の風土は性に合っているとしみじみ実感。

2017年12月21日 (木)

初冬瀬戸内鱈腹記11:岡山和菓子店巡り

岡山も天下の名園「後楽園」がある位の土地柄だからか、良い和菓子にたくさん出会えて左党と甘党を兼務している自分にとってはたまらないものがあった。

【雲水】
倉敷駅から車で5分ほど、幹線からは外れた道路沿いに店を構えていて、いかにも和菓子屋らしい雰囲気を醸し出しているところに期待が高まる。
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この季節は栗ようかんが名物のようだったが、ここは上生菓子の方がいいだろうと二品購入。

こなし製と思われる霜の降りた葉をかたどった一品は、朝出来のふかふかした餡が秀逸で、その口どけは凡百のものと段違いで瞠目したし、淡いペールカラーの仕上がりが通好みでこれも好ましい。
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一方柚子薯蕷はいくぶん柚子の香りが物足りなく感じたものの、ふわもちっとした皮といい、餡の穏やかで心和むような甘みも程よく、とても美味しかった。
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【はせ川】
自分史上初となる市電の走る市街地での運転で少し緊張気味に街並みを捜索していると、立派な構えの店を発見。
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入って右手にはお茶席ができる広い座敷があり、商品の陳列も整然としていて店全体に凛とした雰囲気が漂う。ここでも上生菓子だろう・・・ということで二種類購入。

帰京した翌日に食したが、紅葉の残る初冬の柴山で焚火の煙が上る様子をかたどったきんとんは、見た目の地味さに反してパンチのある甘みで、個人的には甘すぎると感じたほど。これは濃茶で頂くものだったのかもしれない。
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一方、菊の練り切りはほっくりとした餡にしみじみとした甘みが寄り添う感じに仕上がっていて、ほうじ茶とともに味わって初冬の風情を楽しんだ。
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干菓子や焼菓子など商品も豊富であれこれ食べたい方には向いている店だと感じた。

【笹屋友宗】
ビルの一階の何軒か商店が並ぶ一角にあり、ごく地味な素っ気ない店構えが逆に自信を伺わせる雰囲気。

こちらは羊羹「黒椿」が有名だということでこれを目当てに伺ったところ「今日は売り切れでして・・・最近は国産のいい竹皮が手に入らなくて作る量が減ってるんです」と申し訳なさそうに女将さんと思しき方からお詫びが。

こちらとしては逆に竹皮にまでこだわって作っているなら、どの品も間違いないだろうとこれを質の証左と捉え、これも銘品の誉れ高い「月香」と銀杏餅を購入。

帰りの空港バスを待つ間に道明寺で作られた銀杏餅をぱくつくと、あくまでふわふわとした淡い餅の食感と絹の如きなめらかな餡が出色で、銀杏のミネラル感ある味わいが後になって全体を引き締めにかかるので、口がさっぱりとする。茶道中興の祖、利休の孫の宗旦の命日前後の時期だけ作られるという希少性もあって記憶に残る一菓だった。
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「月香」はその名の通り幽き柚子の香が、脆美な糖玻璃の中から楚々と漂い刹那に消える。中の柚子羹の絶妙な霧消ぶりといい、一片食べる度にいわくいいがたい切なさに満たされ、これが侘びの正体なのかなとも感じた。
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菓子の銘の凝った感じも嫌みがなく、茶味溢れる尚雅の店に出会えて大変良い経験をした。次こそは黒椿をいただいて、寂びの片鱗も垣間見たいと思う。

【みづゑ】
岡山駅前でレンタカーを返却してから歩いて3分ほどのみずゑさんへ。周囲は駅前の飲み屋街で夜の帳が下り始めて活況を呈してきたところだったが、こちらだけはひっそりと店を開けられていて、実に好対照だった。

中に入ると正面に焼菓子類があり、目当ての朝生菓子と上生菓子は左側のショーケースの上にある小ぶりな飾り棚に鎮座していた。(笹屋友宗もこのスタイルだった。)こちらは茶席で供される菓子が得意とのことだったので、外郎の山茶花と季節の山の様子をかたどった練り切りを買って帰る。

いずれも姿形が優美で、やや小ぶりなところが愛らしい。外郎は固すぎず柔らかすぎずもっちり感を失わずに保たれていて、中の餡のふかっとした風合いとのコントラストがいい。
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また「季節の移ろい」との銘だったと記憶する練り切りは、緑から黄・赤、そして白へとまさに初冬の山の移ろいを表現していて趣深い。丁寧に入れた濃いめの緑茶によく合って美味しかった。
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思いの外、充実した岡山県下の和菓子屋の布陣で甚く満足させられた。今度は今回泣く泣く断念した庶民的なおまんやさん風の「太栄」や倉敷名物藤戸まんじゅうも合わせて巡って、さらに岡山の和菓子の懐深さを味わいたいと思い至った。

2017年12月20日 (水)

初冬瀬戸内鱈腹記10:宝福寺・かしお温泉

【宝福寺】
目指す宝福寺は雪舟が少年時代に修業した場所として名高く、あの涙で鼠を描いたという逸話の舞台でもあり、それに題をとった像があちこちにあってその七変化ぶりが楽しめるという。また紅葉でも有名な寺なので、先般国宝展で雪舟の作品を浴びたものとしては是非にもと思い、のんびりした里山の風景をひた走る。
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途中足守藩跡の街並が突如現れ、しかも「緒方洪庵生誕の地」との碑もちらりと見えて後ろ髪引かれたが、時間の都合で通過。しかし、江戸末期には山田方谷もその名を轟かせるなど備中は碩学の徒を輩出した土地なのだと知ることができた。(近現代の岡山県というと内田百閒に岩井志麻子、末井昭となかなかのカオスぶりなのだが・・・)

寺は平日だったのでかなり人の数が少なくて静かに紅葉の美を楽しむことができた。

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肝心の雪舟と鼠は隈なく探したつもりが2つしか見つからず、
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「備中のネズミーランド」と呼ばれるには力不足では・・・と思って帰りかけたところ、入口にひときわ大きい像を見つけ、謎の安堵感に包まれた。
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紅葉と青もみじの頃は見所があって、訪れるのには良いところだと感じた。
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【かしお温泉】
宝福寺の後にはこれも紅葉の名所である近くの豪渓にも行こうかと思っていたが、時間が押して断念。方谷の足跡をたどる旅に取っておこうと踏ん切りをつけて、ひとっ風呂浴びに山道を登ったり下ったりしているうちに「かしお温泉」に到着。
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日の沈むのが早い冬の午後、すっかり西日に照らされるようになった里山の風景の一角にあり、民家のような玄関を開けると受付があって、廊下を少し行くと浴槽があり、その奥にちょっとした宴会ができそうな広間がある。
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いかにも地元密着の日帰り温泉という風情がいい。浴槽もこじんまりとしていて三人入ると窮屈な感じ。お湯は聞いていた通り、にゅるっとしていて肌へのあたりが柔らかで心地よく、やや温めでとろとろと浸かっていられるタイプで満喫した。
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全体に静かで落ち着いた雰囲気だったし、湯で身体を緩め、ゆっくりと心を鎮めるにはいい温泉だと感じた。
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2017年12月19日 (火)

初冬瀬戸内鱈腹記9:出北木島・農マル園芸吉備路

四日目。最終日の今日は島を出て岡山県内を少し巡って帰京となる。

前日午後には旅を大いに盛り上げてくれた山彦先輩が一人船に乗って広島へと戻っていったので、今日は我々夫婦のみ。
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↑島を去る山彦先輩を載せた船。また逢う日まで!

朝、海岸へ出かけて名残りの海を眺めてのち、
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(↑謎の轍。蛇でも通ったのか・・・)

見送りに来てくれた天野屋のご主人に別れを告げて(最後にベラ以外に寒ボラと真鯛がたまらないと聞いて、次回は厳寒の時期の訪問を決意)一路船で笠岡へ向かう。

島々は紅葉の時を迎えていて、海景とともにこれを愛でるというのはなかなかない珍しい風景で目を引いた。
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笠岡の各島とも観光資源の開発に余念がないようだが、紅葉する落葉樹をたくさん植えて遊覧船から眺めるという舟遊びは風趣があって良いのでは・・・ときらきらと眩い波光を心地よく受けながら思ったりした。
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同乗した柴犬は病院に向かうそうだが、海が怖くてならず船中ではずっと二本足で立ちあがっているそうだ。
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疲れるのだろうか、笠岡港の桟橋に上陸した際にはやや足元がふらついていて、愛らしくもあり哀れにも見えた。

笠岡で電車の乗り換えまで時間があったので近くの喫茶店に寄ると、中川家の礼二がモノマネしているのかと思うほど、野卑な笑いと大音声を響かせる巨体のおばちゃん連中が占拠していて少しため息が出たが、程なく退去し紫煙の臭いが充満した静かな空間となり安堵する。
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それも束の間、家人が頼んだレモンスカッシュの材料が足りないようで、マスターがどこかへ買い物に出かけてしまい、じきに電車の発車時刻が迫って落ち着かない。ようやく到着したのを味わう暇もなく飲み干して、
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笠岡駅からカブトガニの剥製に見送られて倉敷へ向かう。
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ここでレンタカーを借りていったん南下し「雲水」で和菓子を調達し(詳細は別記事)

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その後進路を北に向けて吉備市にある「農まる園芸吉備路」でとれたて野菜を中心とした総菜のバイキングで昼食をとる。なにしろ3日魚食いに淫していたので、ここでは肉と野菜の補給に終始する。
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↑ビニールハウスに手を入れただけの簡素な席でいただく

総菜は量り売りでこれだけのおかずとご飯で600円程度とずいぶん安い。産直市を併設しているから野菜の鮮度は申し分なく、味付けもこの手の業態としては丁寧で美味しくいただけた。

その後、園内をぐるり回る。時期柄、大シクラメン祭りが展開していてなかなかの壮観。
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↑その他の鉢植えや園芸用品も充実。

農産物の売り場にはさすが西の果物王国と称されるだけあって、とりどりのフルーツがあって目移りする。
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↑かぼちゃも色々あって面白い

ここでは家人がシャインマスカットを買って帰ったが、申し分なく爽やかな甘みを湛えていて美味しかった。
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↑ついでに買った豆もちもよい出来だった

都会ではなかなか体験できないタイプの店なので十分満喫して、次の目的地である宝福寺へ向かう。
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2017年12月18日 (月)

初冬瀬戸内鱈腹記8:天野屋旅館

前回宿泊してあまりの魚の旨さに瞠目した天野屋旅館さんに今回もお世話になった。そして今回も「えっ!」と驚くようなめくるめく魚体験をさせてもらった。

初日の夕食の膳は以下の通り。まずは太刀魚とチヌの刺身。太刀魚の皮身の旨さとチヌのむっちりした触感と清く澄みきった味わいに早速驚かされる。
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お目当てのワタリガニは身の詰まり具合がいままで食べたものとは雲泥の差で、茹でではなく蒸してあるから味わいも濃密だし、細やかなほぐれ具合と甘みの余韻も秀逸。確かに北の蟹の旨さにも負けないものがあった。
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氷水で仮死状態にして供された小エビの活造りは、弾む身の食感が楽しく、たまり醤油の甘みと身の旨味が反響しあって、思った以上にコク深い。
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↑ガザエビとアカエビだったような・・・とにかく美味

脇を固めるミミイカの煮付、
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メバルの南蛮漬け、
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ガンゾウビラメのから揚げ、
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マゴチと舌ビラメの煮付、
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そのいずれも適切な調味と素材の良さが相まって甲乙つけがたく旨い。

これまた名物の蛸の丸揚げはエビのから揚げを従えて登場。
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むちむちと心地よく噛み切れる蛸からは「いいエサ食べてたんだろうなぁ」と思わせる滋味深い味わいが口いっぱいに広がり、その香ばしさたるや無双とも言えるエビのから揚げとともに、ビールが身体に沁みこむのを大いに手伝ってくれた。

翌日は翌日でぶりっとした歯応えがたまらないだるまイカの煮付や
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舐って食べると止まらない蒸し蝦蛄と小エビ、
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島レモンで品の良い香り漂う鯛の酒蒸し、
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ほろほろと淡い身が尊い太刀魚とカレイのから揚げ、
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細やかな脂乗りがしみじみ美味しい鯛の刺身
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と御馳走が続き、真打は朝自分たちで釣り上げたベラの塩焼き。
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初体験ゆえ恐る恐る箸をつけてみると・・・しっかりした身から仄かな脂と旨味が舌に漂い、鯛の身にまったく遜色ないおいしさで、一心不乱に貪ってしまった。

宿のご主人によると、この辺りは底が砂地だから泥臭くなく、エサも小エビなどが中心だから身も美味しくなるのだそう。「昔佐渡でベラ釣って食べたら、あまりに磯臭くてぱさぱさしてて食べられませんでしたわ。だから関東の人が外道として捨ててしまうのもよくわかります。でも、こっちではぜひ食べてほしいですね、特に冬場は。」とのこと。これには完全に賛成する。

朝も小鯛の焼き浸しや夕飯の時にそれとなく「前回来た時あまてがれいの刺身を食べさしてもらって美味しかった」ことをお伝えしたら、急遽煮付にして出してくれたりして、
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とにかく魚食いの我々三名にとっては目もくらむような素晴らしい素材の御馳走続きで、今回も大満足した。

最終日、部屋に差し込む朝日に釣られて目の前の砂浜まで出てみると美しい朝日を臨むことができた。
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美味しい魚を鱈腹食べて、静かな時を過ごすことができ、大いに充電することができた。

唯一、これは宿というより島への要望となるが、何か所か自転車を備え付けてもらえれば助かるなと感じた。それがあれば北の集落に行って昼食をとることもできるし、釣り場を色々巡ることもできる。都会の放置自転車を譲り受けるなどすればコストもかからないだろうから、是非とも整備をお願いしたい。ともあれ、大変お世話になりました。
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↑朝日に輝く宿の全景。前回の滞在はこちらをご参照。

2017年12月17日 (日)

初冬瀬戸内鱈腹記7:北木島での釣り

宿が大浦港に面しているので、宿泊中は朝夕そこにある防波堤に出かけていってのんびりちょい投げを楽しんだ。隣が砂浜になっているくらいだから、底はほとんど砂地で根がかりも少なく、また釣り人も皆無で気楽に楽しむには持って来いの場所だ。
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↑景色がまたいいので見ていて飽きない

初日の夕方、カレイも釣れたらな・・・・と二本バリの下に長めのイソメをつけて投げたら、一投目から明確なあたりが。軽く合わせてあげてみると、その下バリに15㎝ほどの小鯛がかかっていた。
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さすがに小さかったのでこれは逃がしてやると、突端の灯台下から船道に投げていた妻にもあたりが。今度は小鯛と20㎝超の立派なシロギスの一荷。
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夕闇迫る中、俄然盛り上がる三人だったが、ここからは微細なアタリがあるにもかかわらず釣れず。どうやらカワハギの猛攻にあっていたらしい。その後もう一枚小鯛を上げたところで、対岸のコンビナートの灯が暗闇に浮かび上がってきたので納竿。
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山彦先輩はボウズの不名誉で、神話通りに海彦兄さんの元へ相談にいかんばかりにしゅんとしていた。

翌朝、私は眠くて起きられず、家人と山彦先輩で出かけるも、強風と手返しの悪さが祟ってともにボウズ。海に仕掛けを5つ奉納してきただけとなる。その様子を宿のご主人が見かけていたようで、「うちの親父が晩のおかず釣りに行くといってるので、一緒に船に乗っていきますか?」と願ってもないような申し出をくださったので、三人いそいそと支度をして「天野屋丸」に乗り込み、冬の荒れた海へ繰り出す。
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当初、鯛のサビキ釣りを企図していたが、風はあり波も高く、当方の腕弱しと大旦那さんが見て取って、風の少ない沖の小島近辺でのちょい投げに変更。
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↑大悟の実家の沖合300Mほどのところ

それでも狙いのシロギスは釣れず、もう少し岩場に近づいてみるとベラがぽつぽつ。外道と思って何匹か釣れては逃がしていたところ「この辺のベラは美味しいから逃がしたら勿体ないよ。昔は病人に食べさせよったくらいだから。」と大旦那さんに教えてもらい、本腰を入れてベラを狙ったら20㎝を優に超える青ベラがかかる。これくらいになるとかなり釣り味もよく、引きも楽しめた。(確かにベラは旨かった。その様子はこちら
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連日ボウズの山彦先輩はというと慣れない船上に長竿を持ち込んでしまいこれに手こずり、さらにはリールをクラッシュさせててんてこ舞い。
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↑舳を優に超える竿に苦戦中の山彦先輩(FILA)とカワハギを挙げることに執念を燃やす家人(穴釣スタイル)

しかし、あきらめずに糸を垂らし続けたところ、この日一番の大物は先輩が長竿をしならせて釣り上げた青ベラで、ここ二日のボウズの汚名を晴らして満足げな表情。家人も難渋極めたカワハギの細かなアタリに適応してついには釣り上げて得意げな表情。
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宿のご厚意によって実質仕立て船というなんとも贅沢な船釣りを三名ともども満喫した。
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最終日の夕方は再度堤防で釣るも釣果なく、夕暮れに見蕩れる。
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帰り際にダメ元と思って堤防内の船溜まりでメバリングに挑戦してみる。すると家人、一投目で「なんか来た!」と上げてみると、チビカサゴが釣れた。
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ただあまりに暗く、弱々しい懐中電灯しかなかったので続行は断念。

幸い我々以外の釣り人がいなかったので場所の競り合いもなく、美しい景色を眺めながらのんびりぽつぽつと釣れたので、極上の暇つぶしとなった。

2017年12月16日 (土)

初冬瀬戸内鱈腹記6:宇多津からフェリーで北木島へ

土曜日だけは香川県側から岡山県側へフェリーで渡れるという記事を目にして、ならば目指す北木島まで船で渡ろうと坂出でレンタカーを返却し宇多津まで電車に乗って、そこからはフェリーターミナルまで腹ごなしに歩いてみた。

駅には蒸気機関車の給水塔と思われるレンガ造りの旧跡があって、なかなか浪漫を感じさせる。
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駅前から続く大通りには人っ子一人歩いておらず少し不安になる。
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宇多津は戦災を逃れたらしく、しばらく行くと古びた木造の建物がどんどん出てきて、往時は輝いていただろう喫茶店の廃墟じみたショウケースを見つけたころには、なにやら異世界へ紛れ込んでしまったかのようにも思われた。
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なに、こちらには山彦という神様がついているのだから、と意に介さずズンズン行くと港が見えてきて、そこにポップな絵が大きく書かれたフェリーが停泊していて一安心。
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船はひとまず佐柳島まで行き、そこから真鍋島までをつなぐ船が土曜だけ走り、さらに笠岡への定期船に乗って北木島へと向かうおよそ2時間ほどの船旅。
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↑航跡が船内ディスプレイで確認できる最新鋭船だった

曇天ながら波光煌く瀬戸内海は静謐な美しさがあって心が鎮まる。
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しかし、佐柳島での連絡船との乗り継ぎは時刻表上同時刻となっていて、果たして無事乗り継げるのかと幾らか不安になって、到着時には船から身を乗り出してその姿を確認してしまう。
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↑あれだ!

わざわざ四国から本州まで船で渡ろうとする酔狂な人は稀有なようで、真鍋島への連絡船は我々三名のみの乗船。
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10分ほどで真鍋島に到着して、定期船が来るまでしばし港で待機する。この島は今は猫の島として有名で、船着き場に大勢観光客がいてそれを目当てに猫も集っていた。
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しかしそこまで人懐っこい訳ではなく、触れ合うことはできなかったが、それらしい雰囲気の写真を撮ることができて思わぬ拾い物。
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心もほぐれたところで日も傾き柔らかな日差しがたまっていた北木島大浦港に到着したのは16時前。以前と変わらず、連絡船が去っていくと物音一つしない静かなままの島の様子が保たれていて、旅のものとしてはほっとする。

一方、家人と山彦先輩は上陸早々釣り人魂に火がついて、港周辺の岸壁沿いを歩いて魚影をくまなく探す。その眼光だけは一端の漁師のようであった。お世話になる天野屋さんも何も変わらぬままあってホッとして荷解きをし、防波堤へ急ぐ。
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