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2017年1月24日 (火)

香港飲食男女Ⅲ-24:生記清湯牛腩麺家・生記粥品専家

ホテルを出てマーサーストリートの突き当りの階段を上り、
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↑写真はネットから引用

少し東に行ってこのone96の横の暗い細道を抜けると九記牛腩の麓に出る。
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しかし階段を見上げると14時半にしてこの行列。
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家人は思い入れが強いのでそれでも並ぼうとしたが、流石に30人近い待ちでは小一時間程度待たされるだろうと判断して断念、そういうこともあろうかと調べておいたホテル裏の「生記清湯牛腩麺」に向かう。

こちらも店の入り口の前に人だかりが出来ていたが、持ち帰りの客がたむろしていただけで、店員に声をかけるとすぐに奥の方の席に通してもらえた。ここは迷わず大名物の清湯牛腩麺を頼むと程なくして運ばれる。
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ささにごりした出汁からはいい香りが立ち上り、これは良さそうだなと啜ってみると、深い味わいながら後口がさっぱりとした仕上がりでとても美味しい。バラ肉もよく煮込んであってほろりと崩れ、噛み締めた時に感じる旨味やふるふるとしたゼラチン質の旨さは九記に遜色ないと感じられた。

麺が旨かったので粥も旨いだろうと翌日の朝には粥屋の方の「生記粥品専家」にも行く。活気あるおばちゃん店員の声が行きかい、厨房の粥の鍋からは絶え間なく湯気がのぼっていて、まだ朝が明けたばかりの眠たげな暗い通りと比べると、店内には溌剌とした明るさがあった。

ここでは定番の痩肉皮蛋粥を頼んだが、肉が独特。加熱する前にミンチ肉を何度も何度も執念深くかき混ぜて細い繊維状に仕上げているようで、まるでコンビーフが混ぜ込まれたような感じになっている。(最初は出汁取りの干し貝柱かなと思ったほど。)
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↑麺・粥ともに36ドルだったと記憶。

噛み締めると肉の風味が広がり、細切り肉よりもきちんと火が通るので衛生的にも理に適っている。葱としょうがは別皿で頼まねばならないが、念の入った美味しい粥が食べられてとても満足した。

2017年1月23日 (月)

香港飲食男女Ⅲ-23:上環で買い出し

ホテル至近のあちこちを回って買い出し。下記の地図のようにぐるっと歩き、効率的に回れた。


覗いてみようと思っていた珍妮曲奇(ジェニーベーカリー)は旧正月前で品不足になり急遽上環の店は閉店したとのことだったので、まずは永楽街へ出て利工民へ行く。

【利工民】
ここの極薄生地の下着は酷暑に見舞われるようになった日本の夏を乗り切るのに欠かせない。前回の旅では電灯印の「光華」を購入したが、やや生地の目が詰まっていて通気性にかけた。そこで今回は最高級ライン「金鹿」の一つ下「藍鹿」ラインのU字ネック「V領文化」を購入。
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珍しくセールを行っていたので、10%オフの184ドルで買えた。正月は真新しい下着でという習慣を守っているだろうご高齢の方で店が賑わっていて少しほっとした。

【安記海味】
ここは随分手広く商売をするようになって、あちこちに支店が出来ているらしい。他に比べて客の賑わいが目立っていて、やはり流行っているようだ。目当ては蝦粉と木耳だったが、前回買って歯応えが抜群だった「頂級雲耳片」(4両=150g)は見つかったし、しかも前回より安かった。(37.5ドル)しかし蝦粉は見当たらず。
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【林奇苑茶行】
前回は日本語の堪能なお姉さんと試飲して語らいながら納得して購入することができたが、今回は大旦那時代からの常連らしき老婆が座っていて試飲は出来ず。またあのお姉さんもいなくて、代わりに「日本人か?」「これいい匂いだから嗅いで嗅いで」「ジャスミン、花茶、鉄観音あるよ」と忙しなく畳みかけるようなセールスをする店員になっていてちょっと辟易した。

やむなく「有没有”肉桂”?」と普通語で言ったら、とたんにしゅんとして棚の上の方にあるそれを取ってくれる。そこからは静かになったので品定めして、壽眉も半斤ばかり追加。かなり観光客寄りにシフトしていて少し残念だったが、肉桂75g120ドル、壽眉300g70ドルと値段はまずまず納得の水準だったので良しとしよう。
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【安利製麺廠】
カラフルな練り込み麺やパッケージの愛らしさがあって女子受けが良い乾麺の店らしく、林奇行から20mほど行ったところだったので家人の希望で立ち寄る。間口の狭い店に綺麗に各種麺が陳列していて、それこそ焼菓子の店のようにも見えた。購入した鶏蛋麺を帰京後食べてみたが、香港の麺家で出てくるあのプチプチした食感が略再現されていて感心した。
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↑和風だしにつみれと青菜を入れてみた

【正隆行食品】
ここも安記海味とともにここ数年で急成長しているようで、いまやコンビニにも商品を置くようになったらしい。店に行ったらあの閑散とした素っ気ない店内は改装されていて、店員は明るくテキパキと働いていて客でごったがえしていた。盛業でなによりのことだ。

前回買って美味しかった話梅(干し梅)を探すと一気に種類が増えていてどれか判らず。店員に試食をお願いしてようやく「甘甜大話梅」と判り、4両(150g)欲しいと言ったらちょっと困ったような顔をして、量りの設定を変更し始めた。どうやらここは磅(ポンド)単位の量り売りだったらしい。なので少し多目の半磅(1ポンド450gなので225g)と言えば面倒をかけずに済んだようだ。次回からは気をつけよう。150gで18ドル。
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↑右上が安利製麺廠の鶏蛋麺、下が甘甜大話梅。

【永成参燕荘】
家人が買おうと思っていた棗・蓮の実・クコの実が正隆行には売っていなかったので、通りに並んでいる乾物屋を一軒ずつ覗いていたら、ここに揃っていた。
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↑住所は永楽街130

ただ量が多かったので家人が逡巡していると老婆の店員が声をかけてきて、半量に調整して売ってくれた。三種で100ドル。
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【源興香料公司】
もともと佐敦にある源興美食を調べていたらこちらの香料公司の方が出てきて、少量でも量り売りしてくれると書いてあったので、消費量の多い八角と自分で摘んで作っている青山椒(この店では四川青麻椒として売っている)を買おうと街市から少し坂と階段を上って店へ。店頭にはどんとスパイスが並んでいてエキゾチックな香りがふわりと漂う。
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「八角100公斤、青麻椒100公斤」と書いてご主人に渡すと、こくりと肯いておもむろに巨大な封入袋を持ち出し、スコップ山盛りに八角をすくって入れようとする。「ノーノー、ワンハンドレッド、プリーズ」と出川哲郎並の英語でアピールすると、ああ、そういうことという表情をして、希望通り各々100gでパッキングしてもらえた。(二つで52ドル)

しかし、これは私のミスでグラム(公克)のつもりでキロ(公斤)と書いてしまったのがいけなかった。申し訳ないことをした。買い出し時にはよくよく重さの単位と相関を頭に入れて準備することが肝要だと知った。
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夜には上環駅直上のウェルカムでいつも買う四川火鍋の素(3つで18ドル)と美味しそうに見えたトリュフチョコを購入。ルメトルというベルギーのチョコレートメーカーのものだったが、口どけがふわっとしていて美味しかった。日本だと600円するようだが、この時は23ドルだったので随分安く買えた。また、ずっと探した金象印の香米は2kgサイズが無かったので、金鳳印のものを初めて買ったが、遜色ない香りで一安心した。
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やはり、上環は買い出しには便利で楽しいところだった。
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2017年1月22日 (日)

香港飲食男女Ⅲ-22:シタディーンマーサー香港

そうは言っても冬ではあるし流石に5泊も湯船に浸かれないとしんどいかなと思って、最終日買い出しをする香港島上環付近でバスタブありのホテルを探したところ辿り着いたのがここシタディーンマーサー。シタディーンはホテルブランドで、マーサーというのはホテルが位置する孖沙街(マーサーストリート)に由来するようだ。
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↑またもやペンシルビル(写真はネットから引用)

買い出しする店もほとんどが歩いて5分程度の所にあり、よく行く九記牛腩もあのジェニーベーカリーも至近、麺と粥で有名な生記は1分とかからない。上環駅からは3分、行きつけの香港老飯店が北角から上環に移転してきていてここも近く、機場快線の香港駅も徒歩圏内。

最終日を過ごすにはまたとないロケーションだったので、ホテルズドットコムのマスターカード決済12%オフキャンペーンを使って、真ん中のクラスのスタジオプレミアを予約。1か月と少し前だったが、1泊22,000円ちょっとだった。

太子のルプラベルホテルを昼前に出てここのフロントには12時半には到着。チェックインは14時からだと言われたので先に買い出しに行き、戻ってきて部屋に入る。26階の部屋のキーを貰ったが、確かスタジオプレミアは低層階だったはずでは…と思って部屋に入るとやはり1ベッドルームエグゼクティブにアップグレードしてくれていた。(本来だと3万円弱する部屋だったと思う)これはありがたい。

サービスアパートメントだった名残で入って左にキッチンがあり、右にはダイニングテーブル、その向こうに大きなソファとリビングが展開し、ガラスで仕切られたベッドルームにキングサイズベッドとデスク、バスルームがあってかなり広い。前日までのホテルが15㎡でこの部屋が38㎡と一気に2.5倍に広がったのでしばらくはちょっと慣れなかった。
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↑5日ぶりの湯船の気持ち良かったこと・・・

また部屋には備え付けのスマホもあって滞在中は使い放題のようだったが、特段必然性を感じず利用はしなかった。部屋のwi-fiは問題なく、ワンフロア2部屋しかない上に隣は客が居なかったので本当に静かで、ゆったりと滞在することができた。

フロントマンは中心顧客の欧米人にあれこれうるさく言われるからか、やや硬い毅然とした態度だったが、とあるやり取りをしていて向こうが勘違いをしてることに気づいた時には「オーップス」と言いながら実にいい笑顔を見せて、なんだかほっとした気持ちになった。また、夜のレストランの予約も粘ってなんとかテーブルを確保してくれたし、黙っていても部屋をアップグレードしてくれたりするなど、素っ気ないように見えて顧客志向性は高いと感じられた。そのお蔭で何不自由なく長旅の疲れを癒すことができてありがたかった。

ホテルライクなサービスは不要だが、ゆったりと広い部屋にそこそこの値段で泊まりたいという方には好都合なホテルだと思う。

2017年1月21日 (土)

香港飲食男女Ⅲ-21:エッグタルト食べ比べ・凱施餅店

5日目。午後に上環のホテルへ移動するので、午前中は深水埗へ出てちょっと散歩し、豆乳と蛋撻を買い込んできて朝飯代わりにしようという算段。

まずはホテルからすぐの金華冰廳へ行き、大名物のパイナップルパンではなく蛋撻を二つ購入。8時過ぎだったがほんのり暖かい。
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そのまま旺角まで行ってMTRに乗り、深水埗の公和へ。直前に「衛生設備が不可判定となり、店内では飲食できなくなった」という現地紙の記事を見ていたので、持ち帰りにする。初めて行ったからよくはわからないが、店は確かにがらんどうとなっていて、客席は無かった。家人に注文を任せたら、希望の温かいものでなく冷たい豆乳でしかも甘くちょっと残念。これなら
維他奶で充分事足りる。
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そこから西九龍中心に寄って、蛋撻で有名だという泰昌でパイ生地のものとクッキー生地のもの両方を買って帰る。
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↑こちらは原味の方

この旅では随分蛋撻を食べたが、個人的には泰昌(原味)>泰昌(酥皮)=多多餅店=金華=凱施餅店という評価になった。多多と金華、泰昌(酥皮=パイ生地)は味が似ていて、カスタードのクリーミーさが勝つタイプ。
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↑多多餅店の
葡式蛋撻。葡式6.5ドル、港式3.5ドル。差の理由は判らず。


凱施餅店は玉子の味が強く、どこか手作りプリンを思わせる素朴な風味があって、個人的にはそこが気に入っている。
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↑石澳の浜辺で頬張った凱施餅店のもの。

一番の泰昌(原味)はクッキー生地になっていてさくっと香ばしく、その上塩気があり、それがカスタードクリームの甘さを際立たせ、味に奥行きを与えている。その点で他のものより頭一つ抜けていると感じた。

ただし、えげつないと噂される稲香グループに買収されてから、ここ2年ほどでどんどん値段が上がっているようで、他のパン屋では大概4-5ドルなのにここの西九龍中心店では6.5ドルした。驚くことに翌日訪問した中環の本店では9ドルだった。一物二価という異常な手段をとっているのは、本店に日本人と韓国人が来ては大量購入するからのようで、店内には日本語とハングル語が踊っていた。

滞在中グループの店でプラスチック製の米を使っていると指摘され問題になっていた稲香Grなのでその継続性に疑義はつくものの、今なら泰昌(原味、除く本店)だろうと思う。

【凱施餅店】
前回の旅で蛋撻を食べて美味しかったので調べたら、ホテル至近の太子駅前に店を出していたので滞在中何度も足を運んだ。
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ここは店内に窯があってそこでパンを焼く方式で、そのきちんとした味が支持を得ているらしくあちこちの駅前でその姿を見かけた。前述の蛋撻も水準の出来でまずまずだったが、はまってしまったのはマンゴープリン。
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マンゴーが熟す時期だったからか、果実の濃縮感たっぷりのプリンが実に旨く、その上にさいの目に切ったマンゴーが乗り、ご丁寧にもマンゴーゼリーを薄くかけまわして果実がゴロゴロ転がってしまうのを防止している。

この心配りはもちろん味にも及んでいて、クリーム味でごまかし気味のしゃばいものが多い中、マンゴー度が極めて高くて小さめのカップでも十分に満足できた。(許留山で食べたものよりも個人的には良かった。)これで14ドルというのは誠にお安く、ついでに買った豆沙餅(あんこ入り焼餅)も甘さが程よくいい出来だった。

気に入りすぎて日本でのばらまき用お菓子もこちらの上環店であんこパイ(豆沙酥)にしたほど。これは一つ3ドルで、個包装されているのでこちらのニーズに持って来いのものだった。
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手頃に美味しい甘味が買える店なので、次回以降も重宝しそうだ。

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↑ケーキ類も見目麗しくいずれも美味しそうだった

2017年1月20日 (金)

香港飲食男女Ⅲ-20:鳳城酒家

【鳳城酒家】
前回の旅で訪れた「陵發潮州白粥」がホテル至近だったので今回も行こうかなと調べてみたら、香港にワーキングホリデーで行き様々な料理店で修業された方の記事に出会った。その方が一番お世話になったのが「鳳城酒家」で、焼き場専門の厨師が毎日名代の「化皮乳猪」(子豚のロースト)をじゃんじゃん焼いているという。調べてみると、なんとホテルの真裏という立地。

これは行かねばと20時半ごろ予約もしないで行ってみると、店は9割の入りでうまいことすぐにテーブルにありつけた。連日のご馳走尽くしに胃は疲れ気味。簡素なメニューにはこの店が売りとしている順徳菜(広東省では名厨師を輩出する地域として知られ、福臨門の創業者もこここの出身とのこと。道理でメニューが似ている。)のあれこれが載っていてどれも試してみたくなる誘惑にかられたが、身体と相談して大名物「化皮乳猪」」と「八宝豆腐羹」、それに白飯にビールを注文。

ビールを頼んだ突き出しなのか、小碗で大根・きゅうり・人参のピクルスが出されたが、これが疲れ気味の胃には好適な一服の清涼剤となり、あまりのおいしさにおかわりを所望したら、快く応じてくれてありがたかった。
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そして”馳名”と銘打って店が自信を持っている化皮乳猪が到着。見事な焼き上がりの姿に期待が高まる。
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早速口にしてみると、表面のごく薄い皮の部分が薄玻璃のように繊細に砕けて、その度に香ばしさが口腔を覆う。仔豚だけに脂身がさほどついておらず、肉質も筋肉の成長途上だからふんわりとしていて、全体にあっさりと品の良い風味にまとまっている。なるほどこれはいい。

八宝豆腐は結構な大鉢で登場。叉焼、海老、グリーンピース、溶き卵、椎茸など五目炒飯に入る具材が豆腐とともにあっさりとしたスープで煮込まれているもので、これもあえぎ気味だった胃の腑に沁みわたって、なんだか昼寝をしている時に上掛けをかけてもらった時の有難味を感じた。
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↑これは取り分け後の写真。

実は二日目の昼には飲茶にも訪れていて、その際には山竹牛肉丸(筍入り牛肉団子)が驚きの弾力とボリュームでとても良かったし、合桃叉焼
もさくっと甘い生地と叉焼の甘辛さがよく合っていて美味しかった。
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↑山竹牛肉丸
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↑合桃叉焼
酥。合桃とは胡桃のことのよう。

ただ信頼している香港のブロガーKC氏推奨の上湯炸粉果は皮があまくて今一つ自分には合わず。また家人が頼んだ鮮蝦腐竹巻(海老すり身の湯葉巻揚げ)は冷めていてちょっと残念。
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↑揚げたてでさくっとしているところは良かった。
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↑昼には早い時間だったから早茶の残りか

それでも夜でその実力の片鱗は垣間見えたので、こんどは灌湯餃(スープ入り餃子)や店お勧めの順徳菜を頼んで色々と食べ比べてみたい。参考:夜=410ドル、昼=130ドル
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2017年1月19日 (木)

香港飲食男女Ⅲ-19:帝京軒

【帝京軒】
前夜、ハッピーバレーの競馬で儲かった分、昼は少し奮発しようと歴史博物館から紅磡へ行き、東鉄線でひと駅の旺角東駅にある帝京軒へ向かった。

駅上にある帝京酒店のダイニング部門ということですぐに行けるだろうと思ったら、予想外に複雑な造りでなかなか見当たらず。ようやくホテルマンらしき人がいたので「我想去”帝京軒”」と書いて見せたら、にっこり笑って英語で話しかけてきて誘導してくれた。

途中で案内板が出てきてもう大丈夫だと「オーケー、アイ シー」と伝えたら、”Do you have a table?”(予約はありますか?)と聞かれ、「ノー」と答えたら「では、このままお連れして確認いたします。」と誠に丁重。店の入り口で係りに引き継いで笑顔のまま去っていった。実に慇懃であっという間に帝京酒店の贔屓になってしまった。

13:30過ぎの入店だったが、席は半分ほどの入りで着席すると「14:30ラストオーダーになりますが、良いですか?」と確認が入る。こういうところも細やかで流石はホテルのレストラン。
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席にはお昼のお得な点心セットを中心としたオーダーシートのみ置かれていたのでグランドメニューをお願いすると、こちらのものは写真の掲載がなかった。可能な限り創造を逞しくしてし「露竹帯子餃」「三菰珍菌豆腐」はシートにチェックして、「脆皮鶏 (半隻)」は紙に書いて注文。

「露竹」はやはりアスパラ。透けた皮から見える緑が鮮やかで、帆立のほのかな甘みもいい。
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家人の希望であった鳩のローストが無かったので鶏のロースト。脆皮感は少なかったが、身質はしっとりしていて、また肉にしみこんだ下味がいかにも粤式焼味という感じでとても美味しい。家人も危うく鳩から宗旨替えするくらいのものだった。
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一番良かったのはきのこ類と豆腐の煮込み。見た目は地味だが、揚げた豆腐には深奥まで味が行き届いており、キヌガサタケ、エリンギ、しめじは抜群の歯応えを保っていて、豆腐のフルフル感とのコントラストが後を引く。普通に見えて技巧が冴えわたっているところが心憎く、ホテルダイニングの底力を見せられた思いがした。
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↑キヌガサタケが揚げ豆腐の上に覆いかぶさっている。

鶏が208ドルとなかなかの値段で、更にビールがいわゆるホテル価格だったので、以上にビール1本で550ドルほど。お値段はやや張るものの、その分が味に反映されていたので納得の内容。早朝から点心もやっているというので、次の旅の宿泊候補としても検討してみたい。

2017年1月18日 (水)

香港飲食男女Ⅲ-18:香港歴史博物館

香港公園から金鐘駅に戻る途中、バスターミナルを発見。地下鉄の尖沙咀駅から歴史博物館まで歩くのは距離があって面倒だから、バスで紅磡辺りまで行けないかな・・・と標示を見てみると、104系統なら海底トンネルを抜けて行けることが判明したのでそれにすることにした。

やや道が混んでいて時間は40分ほどかかったが、湾仔の海岸沿いでは再開発の様子も見ることができたのでなかなか楽しめた。海底隧道收費廣場で下車し、香港理工大学のキャンパスを南西に横切っていくと香港歴史博物館に到着。
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↑キャンパス内のこっちの方向に通り抜け可。

この施設も無料で、しかもクロークまであったので、手荷物を預けてからゆったりと見学。スタートは4億年前から。
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この原始時代の展示はちょっとな…と思っていたが、漢代に入ると日本の弥生式土器そっくりの出土物が展示されていて俄然興味が湧いてくる。やがて時代を経ていよいよ英国統治下、今の香港の祖型にさしかかる辺りで一気に展示物が大型化。
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↑これはジャンク船
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↑こちらはお祭りに使われていた飾りのよう。

当時の街並みを再現した展示には乾物屋、茶楼、銀行などが立ち並んでいて一つの街を形成。新横浜ラーメン博物館みたいな雰囲気。
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茶楼は中に入ることが出来、入口には飲茶の成り立ちの説明もあり。
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↑中文
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↑英文
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↑他の展示で見かけた茶楼の発展に関する説明。富裕層のサロン的に展開していたとの説明とともに男だらけの写真が。当時は点心のお運びさんもおばちゃんでなく若くて美しい女性が妍を競う勢いがあって、今日はこちらで明日はあちらで名花を眺めては茶を嗜むという雰囲気だったとどこかで読んだ。当時は日本もカフェーの女給といえばそうした役割を担っていたし、この時代の流行のスタイルだったのだろう。


二階に上がる階段を昇ると、往時の茶樓を偲ばせるかなり凝った作りになっていて、思わず「ここで茶を喫せればな…」と夢想して席に座っていたら「座っちゃダメ」と係員に注意された。(注意書きには「椅子や机の位置を動かさないこと」としか書かれていなかったはずだが・・・)
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迷路のような道を抜けるといきなり洋館のベランダに出て、目の前にはポンポン船が停泊していたり、
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さらに行くと日本の占領下での人々の苦難が偲ばれる展示も出てきて目まぐるしい。

戦後の香港の発展のコーナーにあった、ポップでキッチュな当時の茶餐庁は非常に心惹かれてここでも「冷たいレモンティーが飲めればな…」と思ってしまう。
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最後は中国への返還式典の様子がビデオ上映されていて、旅の直前に星野博美の「転がる香港に苔は生えない」を読んでいたから、なおさら興味を惹かれるものがあった。
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全体に大充実の展示で、香港の成り立ちがよくわかるし、これで無料というのは申し訳ないぐらいに感じた。一度は足を運んでみる価値があると思う。

2017年1月17日 (火)

香港飲食男女Ⅲ-17:富記粥品・香港茶具文物館

4日目。雨予報の一日で博物館めぐりを中心に。ただ、さすがに前半で飛ばし過ぎて疲れが溜まったので、この日は朝ゆっくり目にホテルを出る。

【富記粥品】
太子~旺角近辺で粥となると,ここか旺角街市の中にある妹記ということになるようだ。妹記の方は観光客に名が知られて日本語メニューもあるそうだが、あまり観光客ずれしていないほうがいいなと思い、富記へ向かう。

店は太子駅からでもさして遠いとは感じず、旺角の街市もすぐ近くだったからぶらぶら覗いてから来るのも悪くなさそうだ。連日痩肉皮蛋粥ばかり食べていたので、今日は目先を変えて及第粥にする。
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及第とはその昔、中国の科挙にトップで合格することを指し、その受験生は身体が温まって栄養もつくこのモツ入り粥を食べて夜なべの勉強に励み、難関を突破していったと聞いている


それはそうとして、少し冷えた曇り空の日に満々と粥をたたえた丼から立ち上る湯気は心をソワソワさせる誘惑があり、運ばれるやいなや誠にかぐわしく、見ただけで「これなら及第点」という粥を目の前にして、思わず笑みがこぼれる。
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豚のガツやコブクロ、レバーがかた過ぎず、かといって煮込みすぎず、好い加減で粥にまじりあっていて、噛むほどにその臓器ごとの個性が奔出してくるのが及第粥の特筆すべき点で、こちらのものは見た目に違わず至極真っ当な美味しいものだった。また何度か啜っている内に出汁に使った干し貝柱に出会ったので、手間と材料を惜しまず作っていることが伺われた。

油条(揚げパン)は朝の遅い時間だったからかもう一つだったが、それでも香ばしさが味の変化に一役買ってなかなか良かった。
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昼や夜には焼臘類も揃い、魚と野菜の炒めたのや揚州炒飯なども画像を見る限りはおいしそうだったから、手頃な街中華的に使うには重宝しそうな店だ。
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↑粥35ドル×2、油条12ドルで82ドル。

【香港茶具文物館】
旺角からMTRで金鐘へ。太古広場を抜けるとそこが香港公園だった。
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この辺りはほとんど来たことが無かったが、狭い香港島の中枢にこんなに広い公園が整備されているとは知らなかった。中国銀行のビルとのコントラストがなかなかいい。
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目当ては公園内にある香港茶具文物館。コロニアル様式を今に伝える堂々とした建物が、往時の英国統治を偲ばせる。
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ここは一大豆乳ブランド「維他奶(ビタソイ)」の創業者が所有していた茶器を中心とするコレクションが展示されていて、その寄贈を受けた政庁が運営しており、今は無料で見学できる施設として開放されている。

地元民にとっては目新しさがなく、観光客には知られていないようで、客はほとんどいなかった。1階は茶と茶器の歴史、2階は企画展示としているようで、この時は香港の現役作家や学生たちの作品展が開かれていた。なかなかアバンギャルドな作品が多かった中、こちらの饅頭と蒸籠を模したものは精緻でほのぼのとしており、ちょっと欲しいなと思ってしまった。
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さささっと見て、土産物屋もスルーして次なる目的地「香港歴史博物館」へ。

2017年1月16日 (月)

香港飲食男女Ⅲ-16:ハッピーバレーでナイター競馬

水曜日に香港にいることが無かったので、初めてハッピーバレー(跑馬地)競馬場へと足を運ぶ。世貿中心近くからトラムに乗って10分ほどで跑馬地ターミナル駅に到着。
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どのトラムも競馬場行の客で混み合っていて、香港での競馬人気の高さがうかがえた。トラム駅は第3コーナー入口付近にあり、コーナーに沿った歩道を行くと第4コーナーの終わり辺りに一般客用入場門がある。オクトパスカードで入場料(10ドル)を支払って中に入ると今日はインドフェスティバルが開催されているようで、ステージではマサラムービーさながらの歌と踊りが展開され、その前のビアコーナーは仕事終わりの欧米人がガプガプビールを飲んで盛り上がっている。日本の競馬場とは別次元の盛り上がりぶりに少し気圧される。
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パドックはゴール前にあって、そこに行って周回を待つが全体に騒々しい場内になれずなかなか馬体チェックに集中できない。最初の馬券は外れ。
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雰囲気は楽しめたのでもうひとレースだけやろうと家人に提案し、こんどは少し落ち着いてパドックに集中し5番の複勝を購入。家人も念入りにパドックで馬をチェックして、2-5のワイドを購入。
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レースは単勝20倍くらいの5番「紫電明珠」が二番手につけてなかなかの好位置。
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向こう正面でかかり気味に先頭に立ってそのまま4コーナーを回ると意外にしぶとい足を発揮。
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ゴール前では差しかえす勢いとなり、そのまま2着でゴールして複勝4.3倍的中。
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「おーやったねー」と家人が祝意を述べた直後、電光掲示板にレース結果が映し出された。

その時。

「当たってる!これ当たってる!2着3着で当たってる!」と家人が興奮気味に声を上げる。確かに…確かに当たってる!
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↑いつの間にやら2番「好運有利」が突っ込んできていて
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↑3着に来ている!

しかも・・・ワイドで59倍超!なんたる高配当。しかも一点買いとは恐れ入る。
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(以上レース映像と結果はHKJCホームページから引用)

二人してそそくさと払い戻しに向かうと購入した時と同じ劉さんの窓口だ。ポーカーフェイスを崩さない劉さんも、人気薄の複勝・ワイド共に一点買いで的中という離れ業に一瞬びっくりした表情を見せた後、札束をぺらぺらと再鑑してから払い戻してくれた。
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↑劉先生、多謝!

30ドル(450円)賭けて676ドル(10,140円)と大勝利。さぁさぁ勝ち逃げしましょうと競馬場を後にしてバス停へ向かう。その途上もあまりの幸運に興奮気味で、予定していた102Rの競馬開催日臨時バスが見当たらず彷徨ったものの、諦めずに海底トンネル方面に続く堅拿道西まで行ったら171茘枝角行きを発見。
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これもトンネルを抜けて彌敦道を北上するようだったので乗り込んで「旺角・鴉蘭街」で降りたら太子駅頭上、ホテルの真裏の鳳城酒家前に到着。セブンイレブンでビールを買ってとりあえずのささやかな乾杯をして、家人の目利きぶりを改めて讃えた。


その後テレビで最終レースをやっていたのでエア馬券検討をしたら、またも複勝1点で的中することができた。
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パドック派の二人なら今日はもっと大勝ち出来たかもしれないが、欲をかくとろくでもないことになるので、早めに切り上げて正解だったかもしれない。自分の競馬史上に残る一夜を過ごせて大満足の跑馬地行きだった。
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↑波乱の主役、好運有利号。その名の通りラッキープロフィットをもたらしてくれた。

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2017年1月15日 (日)

香港飲食男女Ⅲ-15:上海緑楊邨酒家

【上海緑楊邨酒家】
前回の旅で課題店として残っていたこちら。上海と銘打っているものの、揚州や杭州などいわゆる江南圏の料理が一通りあってそのいずれもが旨そうなのだが、ここ数年オープンライスの投稿が少なく最近の実態は判らなかった。

それでも調べてみると、今でも揚州から厨師を呼び寄せていて、お目当ての「宮廷富貴花」は二日前までの予約ながら注文できるようなので、思い切って足を運んでみた。

店は銅鑼湾のそごう裏にある世貿中心(WTC)の11階にあり、エレベーターを降りるとモダンな飾りが施された鏡が天井まで巡らされていて一寸高級感を感じる。
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開店直後に行ったので席はまばらにしか埋まっていなかったからか、ビクトリア湾を臨むハーバービューの席に通される。まだ夜になる前だったので景色が楽しめて気持ちも上がる。
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メニューは杭州の新開元酒店と同じく写真をふんだんに使った分厚いもので、予想外のことに日本語まで添えてある。しかも間違った日本語使いは一つもなく、その念入りなことに驚かされる。
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予め予約しておいた「宮廷富貴花」に加え、「三鮮煮乾絲」「糖醋排骨」「家常酸菜魚片」それに青島ビールを注文。

お待ちかねの宮廷富貴花はそれは見事な姿で、庖丁の技の高さで知られる揚州厨師の伝統を存分に感じられるものだった。花はごく薄く切られた大根の酢漬けで芯にパプリカを巻いては置き巻いては置きして大輪の花を咲かせていた。葉の部分はきゅうりの細工切り、幹の部分は椎茸の煮たものとなっていて、目に入るものすべて食べられることができる。
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宴会の前菜がこれで始まればパッと座も華やぐだろうし、実に趣向を凝らした一品でその腕前に唸らされた。(値段は推定で140ドルくらい)

干豆腐の千切りと海鮮の白湯煮は揚州でも食べた一品。白湯は見た目ほどくどくなくてコク深い。それを吸った干豆腐はあたかも麺のようで、空腹を満たすにはもってこいのものだった。
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黒酢酢豚だと思って頼んだ糖醋排骨は赤々しい姿で登場したので「あれ、ケチャップ味なのか…」と残念に思ったらさにあらず。黒酢よりえぐみの少ない紅酢で作ってあるようだ。
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↑ピンボケしているが大変おいしい。

そして酸味も甘さも絶妙な加減に抑えられていて、全体の味はギトつかずあくまで優美な味わいを保っているのに驚く。勿論肉の火入れの加減も申し分なく、しっくりと歯に絡みつく感じがあって色っぽかった。

酸菜魚片は「魚と酸っぱい漬物の炒め」と書いてあったが、実際にはコンロ付きの土鍋が卓に持ってこられて、これは予想外の展開。
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しかし、少し唐辛子の利いたあっさり目のスープに酸菜の淡い酸味が移り、そこに草魚の滑らかな身がほろりと崩れては旨味を添えて実に美味しい。香菜も乗っていたのでトムヤムクンに近い感じを覚えたが、これはいわゆる川
料理だろうか?(文化大革命前後に農村と都市の人的異動を強制されて四川省から上海に移住させたれた人々によってもたらされた料理があると聞いている)

お勘定は600ドルちょっとだったが、雰囲気も良く整った味でどれも美味しかったし、きびきびとした少年ウェイターもなんだか懐かしい風情があって、想像以上に良い店だった。味付けも日本人が食べ慣れている江南圏のものだし、立地もいいし、旅行者には使い勝手のいい店ではないかと思う。メニューにはなかったが本当は食べたかった、超絶刀芸が味わえる「文思豆腐羹」を次回は予約して再訪したい。

2017年1月14日 (土)

香港飲食男女Ⅲ-14:元朗・美孚ぶらぶら・足之堡

【許留山本店】
もう少し元郎をうろうろ。
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青山公路を北に上がりミニバスのターミナル横を抜けて見えてきたのはこちらも家人念願の許留山本店。ごくあっさり街に溶け込んだこじんまりとしたもので仰々しさがない。閑散としていたのも予想外。
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注文したマンゴープリンはこの旅で行きつけになった凱施餅店の方がカット果実も載っていて美味しかった。
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家人が頼んだ温かい糖水的なもの。心穏やかな気持ちにさせられた。
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そうはいっても亀ゼリーの入った大きな瓶やサトウキビを絞る機械など見所はあり、目の前の公園で将棋に明け暮れる老爺たちを遠くに見ながらの甘味というのはなかなか良かった。
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【香港から手紙を出す】
はす向かいには郵便局があって、家人が海外在住の知人宛にしたためておいた手紙を出したい、と中に突入。しばらくかかりそうなので建物の外に出ると、ポストと共に切手の自動販売機が設置されているのを発見。
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↑ポストは緑色なのだと初めて知る。
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↑日本の切手自販機と同じで、ボタンを押すとレシートのように出てくる。
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料金表も掲示してあったし手紙を出すだけならこれで事が済むようだ。

【多多餅店】
またもや朗屏駅に戻って、家人のリクエストで帰国土産用に美孚の多多餅店へ。この美孚駅というのがなかなかの曲者で、乗り換えのアップダウンと距離が相当あり、まるで赤坂見附-永田町のよう。途中でへたばる人も多いのか通路にベンチが置かれている始末。(帰国後調べたら、西鉄線を利用して行こうとするとこういう目に会うとのこと)この美孚迷路を抜けてようやく着いた多多餅店は有名な店のようで、平日にもかかわらず客でごった返しておりこちらは店前で待機。
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後で家人に名物ヌガーをおすそ分けしてもらったが、甘すぎずべたつき過ぎず品の良い仕上がり。エッグタルトはマカオ式・香港式の二種購入したが、いずれも水準の美味しさだった。店内に多種多様なヌガーやクッキーがあって、これを選ぶ楽しさが女性を惹きつけてやまないようだ。

【足之堡】
連日歩き疲れたのでそろそろ足つぼを…と思って、前回行った佐敦の知足常楽に行こうかと思ったけれどちょっと遠くで億劫なので、ホテル近くで探そうと「太子駅 足つぼ」で検索したら、こちら「足之堡」が出てきたのでふらっと訪問。

入店すると中年の男五人がずらっと並んで施術を受けていてなかなか壮観。待たされるかなと思ったら、丁度入れ替わりで先方が出て行ったのですぐに施術開始。担当は腕っぷしの太い女性だったので、ぐいぐい攻めてくるタイプ。所々悲鳴を上げたが、全般的に丁寧で満足。家人のお世話になった初老の女性は練達の人だったようで、「加減が良くってすごく上手かった。」そうだ。足が一回り小さくなったような感覚でホテルに帰って、夜の競馬観戦に備え小休止。

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2017年1月13日 (金)

香港飲食男女Ⅲ-13:添記焼臘飯店

添記焼臘飯店
この店との出会いは偶然だった。前回の旅の際にブックマークしていたページを改めて見ていたところ、深水埗の添記飯店というのがあった。なんで調べたんだっけ…と改めて検索してみると、この深水埗とは別の元朗の添記の情報がかなり上がってきた。しかも前回の旅では貴重な情報源となった香港人のブロガー、Jason氏が今年に入って行っている記事を発見。

気になって調べてみると今や香港でも貴重な炭火焼の焼臘店で、早いと12時には売り切れになる人気だという。昔ながらの店舗形態(上から見ると椎茸のように見えるので”冬菇亭”と呼ばれる建物に入っている)で持ち帰り中心ながら、店前にテントを張って、夏はうだる暑さ、冬はこごえる寒さもなんのその、そこで地元民が肉と飯を喰らっているという。(動画付き
蘋果日報の記事はこちら。)惹かれる要素満載で11時少し過ぎ、勇んで店に赴く。
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丁度焼き立ての焼肉を注文に応じてぶった切る場面に遭遇。切る度に皮からガリリっという音がして、断面からはほんわりと湯気が立ち上り、肉汁がしたたっていた。これは間違いなさそうだ。

入口付近の店員のおばちゃんに「堂食 焼肉叉焼飯 2碗」(店内で豚ローストとチャーシューのせ丼二つ)と書いて差し出すと、焼き場の隣のテント下に座るように誘導される。
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ローストとともにこちらの名物である本日のスープ、例湯(ライトン)は?と聞かれるが、肉に集中したかったので断る。すると「$#%**Yパイグーアッ?」と更に聞いて来る。たぶん肉のどっちかはパイグ―=排骨になるけどいい?と聞いているのだろうと察してウンウンと肯くと、焼き場に戻って注文を通してくれた。

こちらは小ぶりのお椀に乗ってくる丼スタイル(碗)かカレーライスのような皿盛りスタイル(碟)かが選べ、後者の方が若干盛りが良いようで2ドルだけ高い。じきに来た我々が頼んだ碗は、定食屋の小どんぶり程度の大きさにこんもりと肉が盛られてきて、いかにも食欲をそそる。
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↑テントの赤に照らされ、実物より赤々しい写りに

まずはカリッとした歯応えを楽しもうと焼肉(豚ロースト)を口にほうりこんで噛むと、これまでには味わったことのないごくごく軽い脆皮感がやってきて、しかも大変香ばしい。まるで肉の表面にチップスターかプリングルスが張り付けてあるかのような食感で、これは際立った旨さだ。

叉焼はやっぱり排骨(骨付き)になっていたがこれまた香ばしく、その風味が味に奥行きを与えているので、甘みに頼らずきりっとした味わいに仕上がっていてすこぶる旨い。パリッ、ゴリッ、チュバ、ハフハフと肉をかじり舐ってはご飯をかっ込んでいると得も言えぬ幸福感に包まれる。

思わぬ出会いで店を知った分、喜びのバイアスがかかっているかもしれないが、今までで一番極上の焼臘飯だった。しかも、これが一碗26ドルと破格のお値段。これは人気になるのも肯ける。実際11時半前に店を出たら、持ち帰りの客の行列ができていた。
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オープンライスの投稿を総合すると11時台前半であれば出来立ての焼臘を待たずに楽しめるようなので、次も同じ時間帯を狙って燒鵝と焼肉をがっつり食べたい。好運強記食堂に続きとても良い店に導いてくれたJason氏に感謝!

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2017年1月12日 (木)

香港飲食男女Ⅲ-12:大栄華酒楼・屏山文物径

【大栄華酒楼】
三日目。前々から家人が新界、とりわけ元朗に行きたいと主張していてその時間を組みこんだが、当人が前日夜になって地図とにらめっこしている状況で少し不安を抱えながらの訪問。

のっけから乗換駅の美孚駅を乗り過ごしそうになってヒヤヒヤし、下車した朗屏駅では反対側出口に出てしまって、高架の下をタブレット片手にウロウロ。いかにも土地に不慣れな感じが見てとれて、治安が悪い地域だったら良いカモに見えただろう。
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それでもなんとかあっちへいきこっちへいきしながら目的地「大栄華酒楼」に到着。店内は思ったより空いていて、そしてクーラーが利いていてもの凄く寒かった。点心はオーダーシート方式で、寒かったので今日も痩肉皮蛋粥、それに名物の奶黄馬拉糕、「春巻が食べたい」という家人の要望で芝士蝦春巻の三品を注文。オーダーシートなので前日の中央飯店のようなことはなくスムーズに事が進む。

粥は中央飯店よりコクがあり、何より寒い店内だったのであったかいのがありがたい。
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カスタードクリームが挟まったマーラーカオは思ったよりクリームらしさを感じず生地もやや粗めでそこまで美味しいとは思わなかった。
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春巻は揚げがあまく、また芝士、つまりチーズ入りな上コーンも入ったりして、食べ慣れた春巻とは違うからか、頼んだ家人も持て余し気味。
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香港のあちこちに支店を持つ菓子舗「栄華」の本店にある酒楼ということで名が知れているようだが、正直これといって印象は残らなかった。以上点心は11時まで全品20ドル、これにお茶代にサービス料が加算されて勘定は89ドル。前日の中央飯店とほとんど同じオーダーなのに1.5倍の価格。はるばる元朗まで来て食べるというのはお勧めしない。

【屏山文物径】
MTRの隣の駅、天水園近くに昔ながらの建物が散在する屏山文物径というのがあるというので、再び朗屏駅に戻ってMTRに乗る。
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↑元”朗”と”屏”山の間だから”朗屏”なのか。国立や大田区に似た出自。

改札に向かうと子供連れの女性に広東語で話しかけられた。スマホには南昌駅までの経路図が書いてあって「ナンチョン」と連呼するので、ウンウンと肯き手招きしてホームまでお連れし、行先案内板で南昌と出ているのを指さしして「ここに来る電車に乗れば着くよ」と示唆したら、その意が通じたようで感謝された。現地人に道案内をするとは思わなかったが、事前によく調べておいたお蔭でちょっとでもお役に立てて嬉しく思う。

天水園駅はMTRの高架下を軽鉄が走っていて、ここで初めてのご対面。路面電車のような感じだが、東急世田谷線の感じにも似ている。
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ここからはまた家人がグーグルマップを覗いてはちょこちょこ歩くという感じ。おおよそ1キロくらいに明代~清代にかけての古い建築物がぽつぽつ現れて、間隔が程よくて散歩がてらや腹ごなしにはもってこいのルート。
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メインの祖廟は最近になって一部補修して復元したようで、所によってはコンクリに白線を引いてレンガ造り風にしているところもあるが、部分部分星霜を経た輝きを放つ装飾もあってなかなか興味深い。
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↑これは仏手柑だろうか?供物として描かれるのは初見。
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↑喧嘩とはもともと「うるさくする」という意味だったのだと知る。

この前にある冰室はなぜか大混雑していたが、史跡には誰も人が居なくてのんびり見物できた。祖廟から歩いて5分ほどのところに軽鉄の坑尾村駅があって、ここから元朗中心街の大棠路駅まで行き、目当ての添記焼臘飯店へ向かう。

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2017年1月11日 (水)

香港飲食男女Ⅲ-11:文記海鮮飯店

【文記海鮮飯店】
前回の旅の時に九龍城の街市の上にある熟食中心の様子が良くて、次に来た時はどこか街市の上で食事をとろうと考えていた。今回調べてみると、地下鉄の延伸で駅が新設された黄埔近くに紅磡街市があって、そこはかなり賑わっているようだったので夕食を取りに足を運んだ。

事前情報ではここの熟食中心には三店舗あり、日本人には文記が知られているけど、地元民の人気は兩合の方が高く、あと一つは二つが埋まってしまってあぶれた客が行くのだという。しかし平日の7時頃行ったらどこの店も閑散としていて大差はない。結局生簀があって海鮮も楽しめそうな文記のテーブルに落ち着く。

今日こそは蝦蛄を食べたいと願って、「椒鹽瀬尿蝦(中)4隻、幾多銭?」(蝦蛄のガーリック揚げ、中くらいの大きさ4匹でいくら?)と書いてウェイター氏に見せると4隻に×をして128と書いてから何やら説明しだした。途中「ドウドウ…」と言うのを聞いて、広東語をかじったことがある家人が「OK、OK!」と返答。どうやら「うちは一皿頼めばもっと多多(ドウドウ)なんだけど」と言っていたらしい。これは好都合。それではと上湯浸時菜と魚香茄子、蝦仁滑蛋も注文。

件の蝦蛄がまずやってきたが、本当に「多多」で、皿にこんもりと蝦蛄が盛られてきた。おおよそ12-3匹はあったと思う。大きさは20㎝弱のものが多かったからやや食べにくかったものの、殻ごとしゃぶりついてやるとあの肉の甘みがやってきていかにも旨い。やっとありつけた喜びもあって一入だった。
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これと定番料理の魚香茄子(麻婆茄子の辛くない版)、季節野菜のスープかけは期待通りの味わいで美味しかったが、海老玉は海老の下味を忘れたようでちょっと残念。
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それでも蝦蛄を入れて4品頼んで前日の金山を下回る336ドルだったので、値段を考えれば満足のいくものだった。早い時間で空いていたから少しがらんとしていて寂しかったが、人いきれに紛れて喧騒とともに喰らっていたら印象はもっと強いものになったと思う。次はもう少し遅い時間に行ってみたい。

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↑平日7時の兩合。土日だとほぼ一杯らしい。
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↑1階の魚屋は店じまいの掃除中。お疲れ様です。

2017年1月10日 (火)

香港飲食男女Ⅲ-10:海怡半島の夕陽

我々が旅に行く少し前にMTRの新線である南港島線が開通したと知って、いい機会だから乗ってみようと食指が伸びた。香港人にはおなじみの遊園地である海洋公園を通るが、もう不惑を越えていてそういうところではしゃぐというのは億劫だし、沿線に土地勘はないしどうしたものか・・・と考えあぐねていたところ、終点の海怡半島は英語名では「サウスホライズン」、つまり”南の水平線”と呼ばれていることに気づき、そうだとしたら西の海に夕陽が沈む景色だって見られるのではないかと思い、出かけてみることにした。
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港島線の金鐘駅で下りて南港島線のホームへ。この乗り換えは「かなり深くてまで下りて遠く、開業時には大混乱に陥った」との現地のネットニュース記事を見ていたが、東京のそれに慣れている身としてはさほど負担には感じなかった。ただ、その混乱にMTRがかなり懲りたようで、連絡路からホーム上までほぼ10Mおきに誘導員が立っていて、そのお蔭もあってすんなり人が流れていたようだった。

地下鉄と言っても海洋公園駅手前で地上に出て、公園内を走るロープウェイの姿が見えたら、やっぱりちょっと行ってみたいなという気にもなった。時あたかも開業40周年を迎えた日で、香港政庁のトップ梁振英も記念式典に来ていたようだった。
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およそ15分ほどで海怡半島駅に到着。駅の地図を見ると、半島をぐるっと高層マンションが取り囲むように建てられていて海辺に出られるか心配したが、南側に公園らしきスペースがあったのでそこに向かってみる。
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↑グーグルマップはまだMTR開通に対応しておらず。

すると遊具が沢山ある児童公園があり(子供たちがぎゅうぎゅうに遊んでいた)、そこを抜けると海岸線に沿って遊歩道が整備されていて、ジョギングする人や釣り師のオヤジなど思ったより人がいてほっとする。

そして、期待通り真正面に赤々と太陽が沈んでいく様が見える絶好の場所だった。
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先刻石澳の海岸を楽しんだが、あちらは雄大で自然あふれる感じだったが、こちらは向こうに島も見えてどことなく瀬戸内海の夕景を彷彿とさせるものがある。実に見事な景色で、これを毎日遮るものなく眺められるこのマンションの住人が羨ましく思われた。
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しばらく蕩けるような夕陽をただぼんやりと眺めて、いい心持で旅情に浸っていると、遠くからタグボートが何かを曳航してきた。何だろうかとよく見ると…
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あれは…
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家だ。家を運んでいる!

未だ水上生活をしている人がいる香港仔あたりにでも運ぶのだろうか。というか、あれはプレハブですらなく出来上がったものを現地に据え付ける工法をなのか、と予想外の発見をして思わず「へぇ~」と嘆息。

存分に景色を味わって踵を返すと反対の空からは月が登ってきていた。
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我ながら抜群のタイミングで来ることができてとても印象深い滞在となった。

ちなみに駅前の不動産屋の店先に物件のチラシが貼ってあったので覗いてみると、なんとこの雑なチラシで12百万ドル(1億8千万円)の物件を売っている。
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読み解くに「8号棟H街区、4部屋、抜群のオーシャンビュー」といったところだろうか。日本だったら「贅美なる海景を従えて、住まう。」などと独特のポエムを添えて買い手をふわっとした気持ちにさせるのだが、何事も合理的でシビアな香港民にはこれぐらいド直球な方が刺さるのかも知れない。ほんの15秒くらいしかいなかったのに、店内からセールスしようと店員が出てきたので慌てて退散。

いやはや、色々な発見があった半島巡りだった。

2017年1月 9日 (月)

香港飲食男女Ⅲ-9:石澳の海辺

今まで香港島の南側には行ったことがなかったけれど、地下鉄の延伸などで随分アクセスが良くなったとのことで、今回は東南端の石澳と西南端の海怡半島に行ってみることにした。

石澳には地下鉄
筲箕湾駅まで行き、A2出口前にあるバスターミナルから9番石澳行きのバスに乗れば終点がそこなので案外簡単に行けた。
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途中、有名なトレッキングコースの「ドラゴンズバック」があるので、20分に1本出ているバスは8割方客で埋まってちょっとびっくり。出発するといきなり凄い急坂をゼイゼイ言いながら二階建てバスが登っていき、10分もすると細い山道に入る。
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かなり曲がりくねった細い道なのに、スピードを出して走るものだから、二階最前列席はさながらジェットコースターのようでなかなかスリリング。この森を抜けると突然眼前が開けて雄大な山の姿が目の前に。
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そこから美しい海岸線が眼下に見え、どうやらそれが石澳のようだった。出発から30分ほどで到着。途中、かなりの揺れで少し「うっぷ・・・」となったので乗り物酔いしやすい人にはお勧めしないが、公共交通で、しかも150円でこのアトラクションが楽しめるというのはなかなか素敵な趣向だった。(ちなみに海岸線は進行方向右に展開するので、そちら側に座った方が景色が良い。)
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バスの停留所から1分も歩くと海岸につながる細い道があって、そこを抜けると美しい海岸が待っていた。
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全長500mにも満たないだろうが、目の前にどんと山がそびえ人もまばらだったからか広々感じて気持ちがいい。おまけに砂浜は白く綺麗で、磯臭さも皆無なので海風を浴びてゆったり過ごすことができるのもいい。
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早速買ってきたエッグタルトを頬張って寛ぎモード。
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ラグビーボールを蹴る少年や無心に走る犬の姿はあくまでものどかで、こんな香港も悪くないなぁという気分に。東に開けた海岸だからか風もさほど強くなく、うす曇りだったから日差しが眩しいということもなく、ぬるま湯に浸かっているような絶好のグダグダ日和。香港の喧噪に少し草臥れていたが、うまく緩めることができた。

じきにバックパッカー風の白人女性がやおら服を脱いで海にザバザバ入って泳ぎだしたのを見て、ひやっと寒々しさを感じたので砂浜からは退散。気温は20度前後だったが、波が来る度にそこにザブンと飛び込んでいた。強靭な肉体で羨ましい限り。
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直結した駐車場の前にはシャワーコーナーがあり、ずらりと「〇〇士多」(〇〇ストア)と看板を掲げた海の家的なものが並んでいたので、夏には駐在の欧米人を中心に賑わうのだろう。
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シャッターを閉めた士多の軒先には海水浴の遊具がぶら下がったままで、猫が不思議そうに眺めていた。
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その後ぶらぶらと街並みに入り、地祖神を祀る祠に「蒲田樹母」の文字を見つけてちょっとニヤッとしていたら、路地奥にいた犬に怪訝な顔をされたのでバス停に戻った。
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香港でゆったり息抜きしたい…という向きには良い場所ではないかと感じた。今度来るときはレシャーシートと本を持参して、レモンティーでも飲みながらのんびり寝そべってうたた寝でもしてみたい。

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↑停留所の味わい深い表示にしびれた

2017年1月 8日 (日)

香港飲食男女Ⅲ-8:MTR一日乗車券

今回の旅では郊外に行ってみようと考えたので、一日乗車券みたいなものはないだろうか…と思ったら、MTRに旅行者専用のものがあった。しかも一日とは「利用開始から24時間」ということなので昼間に買えば翌日の昼間までは利用できるという優れもの。さらに予定していた元朗近辺を走っている軽鉄も利用可能ときた。

「元を取るのは難しい。」との情報もあったが、MTRのホームページを利用して旅程の運賃計算をしたらオクトパス利用でも100ドル弱となり、65ドルで乗り放題ならおよそ3割引きというところなので二日目の午後、香港島方面に向かう前に購入してみた。(詳細な利用条件等はこちら
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正式名称は「成人遊客全日券」といい、これを紙に書いてMTRの客務中心に持って行って差し出したら、パスポートの確認もせずに購入できた。使い方は入る時はオクトパスと同じようにタッチして入るのだが、改札から出る時は切符の挿入口に入れると、向こう側に出てくるのでそれを受け取るという方式。オクトパス慣れしていると、出る時に間違いやすいが、慣れてしまえば特段支障はなかった。ちなみに利用した区間と金額を一覧にするとこちら。(旅行二日目の午後から三日目の昼過ぎまでおよそ23時間内で利用)

太子→筲箕湾      14.2
筲箕湾→海怡半島    10.1
海怡半島→黄埔        14.2
黄埔→太子               5.3
太子→朗屏              18.8
朗屏→天水園       4.7
坑尾邨→大棠路        4.8(軽鉄利用)
朗屏→美孚              15.2
美孚→太子               5.3
 合計                      92.6


新界方面等、中心部から遠くまで2回以上MTRで出かける場合には検討しても良さそうだ。

2017年1月 7日 (土)

香港飲食男女Ⅲ-7:中央飯店

【中央飯店】
家人が「ワゴン式の飲茶を食べたい」とのことで、こちらの「ローカル感たっぷりの店で飲茶を食べたい」という意向とすり合わせ、
深水埗の「信興酒楼」か「中央飯店」かにしようと考えていたら、前者は旅行直前に閉店となってしまったため、中央飯店で朝飲茶をすることにした。

太子駅からぶらぶらと10分ほど、大埔道沿いのビルに大きな看板が出ていて、その奥まったところに妖しげに赤く光るネオンサインが。
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9時少し前に店に入ると精緻なタイル張りとどでかい日めくりカレンダーが出迎えてくれ、9割方埋まった店内はほぼ高齢者というなかなかの状況で少し気持ちが昂った。
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一見だしあまり目立たぬ所へ…と店の一番奥まった席に滑り込むと「ヤムメイチャー?」とすかさず声をかけられ、朝だったのであっさりとしたほうがいいと思い「サウメイチャー(壽眉茶)」と返すと、程なくしてポットが二つ到着。一つにはお茶が、一つには熱湯が入っている。
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テーブルにはボウルも置かれたのでぎこちない仕草で洗杯をし、さてと、とワゴンを待つが、蒸籠の受け渡し場から動く気配がなく、客は各々そこから蒸籠を貰ってきている。そういうことか、とテーブルのメニュー表を持ってそこに向かって5歩も歩いたところ「&%?*!!!!!」と店員のおばちゃんから怒鳴り声が。

きょとんとしているとテーブルにやってきてなにやら説明してくれるのだが全く分からず。仕方なく普通語と広東語のチャンポンで「我想吃”痩肉皮蛋粥”(ウォーシャンチー”ソウヨベイダンジョ”)」と伝えたらハイハイハイと肯かれ、ニコニコしてテーブルを離れたので大丈夫だろうと待っていると粥を持ってきてくれ、ペタンと勘定書きに判を押してくれた。

この機、逃すまじと急いで「菜肉鶏包仔」と「馬拉
と紙に書いて渡すとこれまたにっこりと笑って持ってきてくれた。粥の写真を撮っていると「日本人は写真を一杯撮るね~」という趣旨の普通語を話しかけてきて、最初の緊張もほぐれ和やかな雰囲気に包まれた。

粥はピータンも肉も見事なまでにぐちゃぐちゃにかき混ぜられて原型は留めていなかったが、味わいは確かにそれだった。(油条の代わりに雲吞の皮の揚げたものが添えられていた)
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菜肉包は「仔」とつくだけあって小ぶりで日本の肉まんに近い味。癖もなく皮がふかふかしていて美味しかった。
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白眉は馬拉
。蒸籠一杯まで膨らんだ生地はスポンジが細やかで、ほんのり暖かくほんのり甘くてすいすいと口に消えていく。この後、鳳城酒家と大栄華飯店でも馬拉を食べたが、ここのものに勝るものは無かった。
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三品とお茶代で60ドル程度だったからとてもリーズナブルだし、似たようなスタイルの蓮香楼のように殺伐としてしておらずのんびりできた。後々ワゴンも動き出して「チャ~シュ~ミンバオ~(叉焼麺包)」というおばちゃんの麗らかな掛け声も堪能できたので、ワゴンで選びたいという家人の願いは空しくなったものの、いい経験が出来て満足。

2017年1月 6日 (金)

香港飲食男女Ⅲ-6:深水埗界隈散策

二日目。前回の旅で印象に残った深水埗界隈を散策。

ホテルを出て彌敦道を北上していくと界限街と交差する地点で終点を迎える。その脇にいかにもおどろおどろしい医院があって、今徐福を名乗る仙人が現れて不老不死の薬を処方してくれそうな雰囲気。
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「界限」の名の通り、昔はここまでがイギリスの租借地だったようで、ここを越えると途端に香港らしいごちゃついた街並みが展開されていて足取りも弾む。
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途中中央飯店で朝食を取り(次頁の記事参照)、石硤尾の街市を覗く。団地至近にあるからか、朝からかなりの人出で活況を呈していて見て歩いてるだけでとても楽しい。
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街市に来ると子供の時分には未だあった、近所の杉田マーケットだとか川原マートだとかの様子がまざまざと甦る。ひしめき合う小体な店や裸電球やパック詰めされていない生の食材の気が溢れる空間に身を置くと、原初の自分の記憶が身体の深奥から吹き上げてくる。
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この体験こそ香港に自分が強く惹かれる点で、結局、日本では失われてしまった混沌と生気に一時浸っていたいらしい。自分にとって香港への旅は、手近で実現可能な疑似タイムトリップのようなものなのだ。
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心地良い喧騒にもまれて街市を離れると、街並みに「護老院」と看板を掲げるところが増え、歩道もほとんど高齢者という地区にさしかかる。この辺りは映画「桃さんのしあわせ」の舞台にもなった低所得者向けの老人ホームが密集しているところだそうで、社会保険制度が手薄と聞いている香港社会の一端を覗いた気持に。
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その地区に隣接して見学の目的地、美荷樓があった。ここは古い団地をリノベーションしてユースホステルにしていて、その一角に地域の歴史に触れることができる展示施設がある。ここもどこか自分の幼少期を思い出させるものが多く、懐旧の念に浸る。
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↑早くも春節の飾りらしきものが飾られていた。
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↑結構展示が充実している
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↑左から見ても・・・
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↑右から見ても往年の団地の様子が見える趣向。
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↑中庭から団地の上を見上げたアングル風
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↑団地と子供達。自分の子供の頃とダブって見える
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↑当時を彷彿とさせる展示の中に…
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↑Mr.BOO(半斤八両)を発見
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↑古いバスの切符
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↑小学校の頃までこんなテレビだった

展示を見終えてユースホステルの中庭にあるテーブルで小休止していたら、裏山の大きな木の根元にある祠の前に老婆が二人座って、静かに言葉を交わしていた。1-2分後振り返って改めて見るとどこかに消えていた。場所が場所だけに不思議な感じ。
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美荷樓前の坂を下ったところが桂林街の入口で、ここに立つと
深水埗の雰囲気が俄然高まる。
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町は旧正月向けの飾りやお年玉袋を売り出していて年末モードに入っていた。
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そんな中、やはり路上にはワゴンの古着の品定めに没頭するおばちゃんたちやガラクタ市のような露店も多くあって楽しい。
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古びた味わいある建物もいい。
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本当は行きたかったが年末で80余年の歴史に幕を閉じた信興酒楼はまだ名物のネオン看板が残っていてちょっと嬉しい。
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茘枝角道の所で左折してホテルへの帰り道、萬盛閣という建物に大きな恵康(ウェルカム)があったので入ってみて、土産用の金象印の香米を探したが2kgのものは見つからず。ちょっと残念。けれども朝からぐるりと香港らしい町並みを散策できて気分が良かった。

2017年1月 5日 (木)

香港飲食男女Ⅲ-5:聯記麺家・金山海鮮酒家

【聯記麺家】
ホテルに着いたのは16時半。トラムツアーが終わるのは20時頃でそうなると晩飯は21時頃となるだろうから、腹に何か入れておこうとオープンライスであたりをつけていたホテルの並び沿いにある聯記麺家へ。白地の壁に赤文字の店名と古風な店構えを保っていてなかなか期待が出来る。
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「ソイガウミン ヤンゴ、ワンタンミン ヤンゴ(水餃麺1個、雲呑麺1個)」と初広東語で注文すると「シュリンプダンプリングヌードル、ワン、%&??&!」と英語で確認されてちょっとびっくり。
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出てきた水餃麺(26ドル)は実に美しい姿。若干化調を感じるが餡の海老もブリッとしているし、木耳もコリリと小技を利かせていて美味しい。スープもあっさりしながら味にそこそこ厚みがあり、香港一食目としては満足の一杯。

毎日店の前を通ったが、朝から少年がワンタンや餃子を店先で包んでいたからきちんと自家製を保っているようだし、太子駅近くでさっと食事をしたいという場合には良い店だと思う。

【金山海鮮酒家】
香港での食事としては定番化している金山。ピークの時間帯である20時半過ぎに店に向かったので、さぞや待つだろうと思っていたところ、店前に人だかりはなくあっさりテーブルに通されて拍子抜け。

この時点でなにかがおかしいとうっすら感じたものの、いつものように紙に注文を書いて渡すと「この椒鹽中尿蝦王はメニューには68ドルとなっているけど今は88ドルだよ。」とウェイター氏に言われ、エッと思っていると隣のウェイター氏にバトンタッチ。するとこの新手が「中尿蝦王は売り切れ。今あるのは大きいやつで一匹160ドルのものだけだ。」と告げてきた。店前の水槽には相応の大きさの蝦蛄が泳いでいたから、どうやら日本人は蝦蛄ばかり食べるので、そこを狙い撃ちにするつもりのようだった。

では、と蝦蛄はやめて、白灼中蝦仔を半斤(300g)、脆皮鴿、清炒時菜、それにサンミゲルビールを頼む。
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まず鳩のローストが来てかぶりつくと、肉が冷めている。おまけに皮はしなっとしていて期待していた往年のパリッとした脆皮感は皆無。さっきの蝦蛄の一件も含めかなり失望する。
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茹で蝦は水準だが、昔はこうした海鮮物を頼むときには水槽まで連れて行って選ばせていたが、ウェイター氏の手は空いているのにそれはなかった。
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季節野菜の炒めは火加減は申し分ないものの、食後ひどい後味の悪さと舌の痺れを感じた。今どきカップラーメンでも味わえない化調具合であっという間にここまで転落したのかと愕然としてしまう。

もうこの店に来ることはないだろうなと寂しい感傷に浸って勘定をすると339ドル。鴿50ドル、1両14ドルの蝦を半斤(8両)で112ドル、ビール22ドル、季節野菜の炒めはまあ高くても100ドル。どうかんがえても284ドルのはずだが、ここはそういう店になってしまったのだと思って350ドル出し、釣りの内10ドルを手切れ金として献上。

福臨門についでまたしても香港の思い出の中核を担ってきた店と別れを告げねばならないことは残念だが、家賃が高騰したり、支店を作ったり、ゆるい日本人客が増えたりしてこうなってしまったのだろう。早くも空席が目立つ活気のない店を出て、すぐそばの路上の海鮮料理店に地元民が集っていたのを見て、香港の店の盛衰の速さを見る思いがした。

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↑2005年に訪れた時の金山の店先。今は見る影もなかった。

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