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2019年8月20日 (火)

東京都心の和菓子屋巡り

東京の都心三区で小商いの筆頭ともいえる和菓子屋を営むのは到底困難な時世となっているから、たまに見かけると応援方々買って帰ることになる。

赤坂見附など用事があって降りた例はないが、幸い東急メトロパスは地下鉄線内乗り降り自由なので、小山台高校の応援に神宮に行った時に地上へ上がってすぐの青野に行ってみる。駅出口すぐ横という申し分ない立地で盛業していて頼もしいかぎり。中に入ると朝生菓子から上生菓子、季節柄涼し気な水羊羹や水まんじゅうと豊富な品ぞろえで目移りするが、お手並み拝見と思って「ほおずき」と「ほたる」との銘の上生菓子を購入。
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裏に戻って商品を持ってきたから、この季節の事、冷蔵していたようで餡がやや硬く感じられ重い雰囲気だったのは少し残念だったが、その造形の美しさはなかなかのものだった。若主人とお見受けした方の練れた接客は流石のもので、この立地ならではのお使い物需要を手堅く満たしているようだった。

銀座に出た時にはイトシアの裏に回って大角玉屋の出店を覗くようにしている。家人がよく土産に買ってきてくれて馴染みになったが、高速道路の下のこじんまりとした店がいかにも和菓子屋らしくて好もしい。いちご大福の元祖として名が知れているが、ここも上生菓子を何種かは置いているのでそれを目当てに足を運んでいる。

夏のある日、水の流れを模したものと「水遊び」との銘のものを買って帰る。古典的な型のものも、現代風にポップな色調に仕上げたものも仕上がりは美しく、一服の清涼剤になる。
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しかして餡は個人的には得意ではないねっとりとした系統のもので、夏だけに舌に甘みが残るのは爽快さという点では残念だが、逆に秋冬にはこの甘さの余韻が心に響いてくるだろう。

三田の慶應の前の大坂家は山口瞳の実家がが麻布に家を構えていた時の贔屓で、御母堂の依頼で「織部饅頭」を作ったという逸話を聞いて10年以上前に出かけて行ったことがある。過日界隈に用事があったので立ち寄ってみると、変わらず盛業中のようで安心する。

萌え出づる芽吹きを模った「若草」と君時雨を買って帰ったが、まず色調の具合がいい。そうして「若草」は細かな細工が施されていて、それが春の野のわき立つ精気を感じさせて見事な造り。
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甘みも餡のほどけ具合もごく品が良くて、この辺りの旧家にお邪魔した際に美味しい緑茶と共に出されたらさぞ良いだろうなと夢想してしまった。

そういえば・・・と大坂屋の店先で思い出して、歩いて10分ほどの松島屋へ行ったらまだ豆大福があったので買って帰る。東京三大大福の一角を担う店だが相変わらずざっかけない店構えで、まだ港区にも庶民の生活が残っていた頃の風情が色濃く残っていて好ましい。そうして豆大福は相変わらずたっぷりのえんどう豆とさっくりと切れの良い餡、ふるふるした食触が身上の餅が三位一体となって卓越した味に昇華しており、しみじみ美味しい。
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近々こちらの近所に引っ越される上皇夫妻にも、遠い昭和を懐かしむひと時に食べていただきたい逸品だと思う

2019年8月10日 (土)

日本橋アンテナショップ巡り

美々卯に行ったり、国立映画アーカイブで古い邦画をみたりと京橋にはちょくちょく足を運んだ。それで隣町の日本橋の状況を探ったら、各県のアンテナショップが揃い踏みしていたのでぐるりと回ってみた。

一等北にある日本橋ふくしま館には阿闍梨餅のフォロワーの中では至高の出来である三万石の「三千里」が置いてなくて残念。みえテラスは品揃えも豊富で、飲みなれた「瀧自慢純米大吟醸」も置いてあったが、これという品に欠きここもスルー。奈良まほろば館では柿の葉寿司があったので買ったが、米が乾燥していて今一つ・・・
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島根にほんばし館では松江の銘菓「若草」を買おうと思ったら売り切れ。ブリッジにいがたとここ滋賀はこじんまりとしすぎていて商品が少なくスルー。

ようやく目当ての品があったのは「日本橋長崎館」で、商品の展示がかなり上段の方まであって、どこかヴィレッジヴァンガードのように感じられて購買意欲をくすぐる。目当ての「カスドース」は入り口付近で発見。試してみたかっただけなので、二個入り500円のものが置いてあったのも有難い。
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帰って食べると、ザラメがまぶされたフレンチトーストといった感があるものの、想像よりは甘くなくさっぱりとしていて面白かった。
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色々回って一番良かったのは「日本橋とやま館」。工芸品の展示に地酒が楽しめるバーカウンターと食事処も備え、更には観光相談できるカウンターまである。それでいて空間を広くとっているからゴミゴミした感じはなく、ゆったり見て回れる。
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それに商品がいい。和菓子は「薄氷」というものを買ったが、これは食通池波正太郎の師匠筋にあたる小島政二郎が推奨文を書いている。小島某といっても、今の世の中では知る人もほぼ皆無であろうが、この菓子を広く全国に紹介して店が盛業となった恩を忘れない気風が感じられて好ましく思う。
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湿気を防ぐために真綿にくるまれたそれは、口に含むとしゅるしゅる・・・と溶け出して、気づくと淡い甘みだけを舌に残して跡形もなく消えてしまう。なるほど薄氷とはよく言ったもので、その銘に偽りはない。最後にそこはかとなく切なさを覚え、その感じが寂びの残心を思い起こさせて趣深い。これは良い菓子を知った。
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それから「月世界」というのも買ってみたが、これまたふわしゅわっとした寂び系のもので、富山の人はこういう感じを甚く好むのだと知った。

酒のつまみには鯖の麹漬けを買ったが、程よい酸味と麹の旨味が相まってきりっと冷えた日本酒によく合って美味しい。これが500円というのは随分お得に感じた。
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富山と言えば氷見の鰤があるから、冬になれば同じく麹を使ったかぶら寿司もきっと旨いだろう。季節の愉しみが一つ増えたアンテナショップ巡りだった。

2019年7月30日 (火)

小山台高校野球班を応援する2019

去年母校の応援で初めて高校野球の予選を観戦したが、今年は区内の公立校小山台が東東京の第1シードということで動向を追っていたところ、順当に勝ち上がってきたので二度球場に足を運んで応援した。その内5回戦の対安田学園戦は痺れた。
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8回まで散発な攻めが続き、0-3と劣勢のまま9回表の攻撃に。ここからが凄かった。ヒットと四球で1アウト満塁として7番森君のライト前で1点。続く代打香取君はサードゴロ。三塁ランナーが生還して2-3となったがサードベースにタッチされ2アウト、更に素早く1塁に投げて万事休すか・・・・と思ったがセーフ。危うくゲッツーを逃れ、なんとか2アウト1・2塁で9番ピッチャーの安居院君。フルスイングでレフトに上がった打球はふらふらと思ったよりも伸びて行って・・・レフト倒れこむも捕球できず!1・2塁走者が生還して4-3と逆転!

スタンドは狂乱状態で、自分も家人とハイタッチをして大騒ぎ。9回裏はピチっと3人で閉めてゲームセット。劇的な勝利で言いようのない昂揚感にスタンド全体が包まれ、もの凄い熱気と興奮。高校野球の醍醐味を味わい、帰路の間はずっと家人と試合回顧をした有様。

その後準決勝、決勝と勝ち進んだが、2年連続の準優勝。実に惜しかったが、選手たちはやり切った晴れ晴れとした顔で表彰式に臨んでいて、実に清々しい気持になる。決勝は強力打線を封じ込めようと戦略を練って臨んだと翌日の記事(
「都立の星」小山台を支えた捕手決勝を見据え餌まいた)を読んで知った。確かに強打者相手に内角をズバズバ攻めて、研究しつくしているなぁ・・・と思っていたが、遥か二試合前から敢えて外角の球ばかり投げて、相手に「外角しか投げてこないバッテリー」と思い込ませていたとは・・・”武蔵小山の諸葛亮”と呼びたいくらいのキャッチャー吉田君の戦略にただただ感嘆するばかりだった。

私立高は関東一円から選手を集めて寮生活をし、午前中で授業を終えて午後は全員でバスに乗って近県に備えられた広々とした練習グラウンドで毎日数時間みっちり練習というのが主流だという。対して小山台は武蔵小山駅前の狭小なグラウンドを他の班活動と共有し、しかも夜学があるので練習は3時半から5時まで。勉強を疎かにしないため週一日は休みをとり、赤点や1を取ったら野球禁止という。もちろん野球推薦で入学する選手はおらず、偏差値も68程度と最上位クラス。そういう限られた環境の中、知恵と工夫と努力で互角に渡り合うチームの姿は、我々大人も随分学ぶべきところがあると思わされた。

熱狂する上に学びまである。高校野球観戦はなかなかいい趣味だと改めて気づかされたこの夏だった。小山台高校野球班の皆さん、お疲れさまでした。そして有難うございました。

↑神宮でこの応援を聞いて胸が震えた・・・

2019年7月25日 (木)

梅雨寒の食卓と京橋美々卯

川島雄三が贔屓にしていたと聞き及んで行きたいと思っていた京橋の「美々卯」。界隈には往時日活も大映も本社を置いていたから、きっと川島は給金が出たら会計係から現金を鷲掴みにしてすぐそばの「美々卯」で腹ごしらえをしてから、銀座の綺麗どころが揃ったクラブへ繰り出してしこたま飲むなんてことをしていたのだろうな・・・と夢想したが、ここの美々卯は70年代に入ってから出来たそうで、彼は既に彼岸の人となっていたから行きつけにしたのは関西にシャシンを撮りに行った際に立ち寄っただろう本店の方らしい。

梅雨寒が続き、よく覗いているブログの方が夏限定の鱧しゃぶすきを堪能しているのを見て、今こそと思い立って重厚な店の門をくぐる。勝手にお座敷が多いのかと思ったら半個室のテーブル席がほとんどで、来店客の年齢層から車椅子でも楽に入退店できるように改築された模様。ここにも我が国の老いの影を見る思いがした。
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予約の時に「一人前は鱧しゃぶすき、もう一人前はうどんすき」とお願いし、まずは出汁がたっぷり出る鱧しゃぶすきから始める。骨の炙ったもので風味付けをするあたりの演出が心憎い。
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脂っ気はあるものの、あくまでふわふわとした鱧にはやはり薄口の出汁がよく合うし、鱧を出汁で振っている内に表面に浮かんでくる脂がキラキラ黄金色に輝いて美しかった。ここに通常のうどんすきを入れて食べたが、ほんのり鱧の脂が回って絶妙のコクを与えているので実に美味しい。

それに出汁味に飽きないように添えられた粉山椒がまた鮮烈な香りで実にいい。あまりに気に入って帰りに土産として買ってかえってしまったほど。
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突き出しも夏らしいものだったし、刺身も手抜かりなく、全体に調子の整った味でとても満足した。
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その後も梅雨寒は続き、ジメジメと日照不足で気が塞いでしまったので、湿気払いに鰻を買ってきて早めの丑の日を自宅で開催。例によって戸越銀座の双川で蒲焼を買ってくる。
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流石に一串1,400円からとなっていたが、今は店で旨いうなぎを喰おうとすれば、四~五千円は覚悟しなければならないから随分安く済んで有難い限り。

これも双川で買ってきた立派な北海道産の土用蜆は椀にして、
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自家製白瓜と茄子の糠漬けも艶があって美しく、なかなかの膳に仕上がった。
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それでも中々梅雨は開けず閉口したが、再度鱧にご登板願って再々の湿気払い。今は鱧の骨切りしたものが業務用にパック詰めされて出荷されているようで、近所の魚屋でそれを買えたし東京でも手に入りやすくなった。玉子豆腐と冬瓜をあしらった椀は上品に仕上がって、これも梅雨の鬱陶しさを薙ぎ払うのに最適な菊正宗の樽酒ともよく合って美味しい。
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鰻の時のタレを残しておいたので、塗り付けて照焼にしたらまずまずの仕上がりで美味しかった。
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蛤は霞煮にし、豊潤な旨味を堪能。
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止めに土用丑の日には穴子を買ってきて煮穴子にして食べたら、身質が滑らかでほんのりとした脂っ気が乗っていて、上品な美味しさ。やっぱり関東では鱧ではなくて穴子だなと思わされた。いずれにしろ、記録的な梅雨寒をにょろにょろする奴らのお陰で乗り切れたのは有難い限り。

2019年7月20日 (土)

梅雨前後のシロギス・ハゼ釣り

昨年久々にやりだした釣り。暖かくなってきたら行きたくてウズウズするくらいになった。各種情報網を駆使して釣果を追いかけていたところ、津久井浜でシロギスが釣れ始めたというので6月の頭に出かけたら、クサフグの猛襲にあってシロギスは15cm程度が二尾釣れただけ。
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↑去年10月の時に比べ随分波が静かだったのだが・・・

この日は買ったばかりのPEライン1号を昔使っていた投げ用リールに巻いて、力糸をつけずに10号のオモリで投げていたが、大体2色半どまり。最後の方で3色飛んだらシロギスがかかったので、遠投できるようにしないとと思い、PEの3号を買って力糸にし、7月に入って好調が伝えられた東扇島西公園に赴いた。
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シロギスは産卵期を迎えて喰いがよく、投げればほぼアタリがあるが、なかなか針にかからない。そこで7号から6号に針を替えたら続々釣れて20㎝を筆頭に3時間弱で12尾と納得の釣果。
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翌週も出掛けて今度はコツをつかんだので2時間で9尾。ただ卵を抱いている個体が多いから、針がかりの良い5尾はリリースした。力糸をつけてオモリを20号にしたので3色半から4色ちょっとまで飛距離は伸びて、大分爽快感も出てきて楽しめた。

そうこうするうちに、ハゼが釣れ始めたとのことで、去年よく行った多摩川河口に行ったが、7cmほどのものが二尾釣れただけ。リベンジと思って数十尾釣れたとの情報を得た大井海浜公園にも行ってみたが、ここも貧果でやはり二尾。
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↑水に立ち入って釣りするために地下足袋まで持参したのだが・・・尚、ハゼを狙ってアカエイがウロウロしていたのでよくよく注意する必要がある。

まだ時期が早すぎたのかもしれない。それでも長梅雨で辟易していた中、夏空の下膝まで水に入っての釣りはいかにもこの季節らしくて気持ちがスカッとしたし、乾いた喉にとにかくビールが旨くてしょうがなかったので良しとした。
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2019年7月 4日 (木)

津軽海峡北南24:まとめ・参考になったサイト・本

最初と最後に天候が悪化したものの、概ね狙い通りの旅は出来て満足した。函館は観光シフトが顕著だけれども、探せば見つけものの店もあって好印象。実現できなかった大沼のカヌーをしに再訪したい。

弘前は人口17万人とは思えないほど飲食店の層が厚く、また伝統に裏打ちされた逸品が多かったから再訪必至。似たような雰囲気を持つ盛岡とともに行くというのが良さそうかなと思っている。

今回土産は和菓子ばかりになったが、弘前の「ステイブル」では白磁の徳利が気に入って購入。一合半入るというのが我々夫婦にとっては丁度良い量で良い買い物が出来た。
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あれば買おうと思っていた漆器の菓子皿は見当たらず断念。9年前のように活きシャコがあればと寄った虹のマート。シャコは季節が終わってしまっていたので見当たらず。なのでホッケを1匹買ってきて干物にしたら、身がしっとりと柔らかく、脂乗りも上々で美味しかった。
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↑弘前の石場旅館前にあった「津軽工房社」はこぎん刺しを中心とした品々が揃っていて良かった

【役に立ったサイト・本】
函館観光協会の「はこぷら」は情報を逐次更新していて、営業時間や閉店情報などが正確だったので重宝した。また今回初めてインスタグラムで「函館」「弘前」を継続的に見るようにして、情報をとるように心掛けた。見かけて実際に行こうとなった場所などはないが、旅に向けて気持ちが高まる効果はあった。本では江澤香織の「青森・函館めぐり」が個人的に趣味が合ってとても良く、旅行計画の骨格を作る際に大いに役立った。

今度は秋口に行って、見事な紅葉の景色と街歩きを楽しみたいと思っている。最後に旅のスナップを少々。
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2019年7月 3日 (水)

津軽海峡北南23:さくらんぼ狩り・秋田犬の里・石田ばら園等

旅の最終日は家人からたっての希望で、まずテレビで紹介されていたサクランボ狩りをしに「津軽ゆめりんごファーム」へ行った。
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↑リンゴはほんのり色付き始めた姫林檎の状態だった。

リンゴ畑の一角に雨除けのついたサクランボ園があり、一人1,000円で1時間食べ放題とかなり良心的な価格設定。行ってみると見事に熟したサクランボがたわわになっていて、摘まんでは口に放り込んで種を吐き、食べてはペッと種を飛ばし・・・・となかなか野趣あふれるもので、猿だった頃のDNAが活性化するのか繰り返していると興奮が高まり苦笑い。充分元は取れたる位は食べられたので、季節の味を思う存分堪能。
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その後、おぐらで支那そばを食べ、
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古遠部温泉に浸かり、
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道すがら以前行った芝谷地湿原に行ったら、3週間前に熊が出没したので閉鎖されていたので、
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大館のアマリリスしんこやへ行って小休止。
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駅前の「秋田犬の里」をぶらりと巡って
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花善の「鶏弁当」を夜御飯用に買ってから、
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季節を迎えていた石田バラ園に。若干見頃は過ぎていたが、それでも実に見事な咲きっぷり。
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隣の「秋田犬会館」も覗いてぐったり気味の二頭を労って、
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愈々大館能代空港に向かう。グーグルマップでは25分ほどで着くと出ていたので余裕だと思ったら、カーナビでは50分以上かかると出てきて離陸ギリギリだったから焦る。下道でトロトロ進むと高速の表示に「大館能代空港」と出てきたのでそれに乗ると、走っている車は皆無で、空恐ろしくなるほど。どうやらグーグルはこのバイパスが開通したことを知っていたが、カーナビは情報が更新されていないのか認識していないようだった。だから、ナビの画面では地図上の道なきところをずんずんとヘリにでも乗ってるように進んでいって可笑しかった。

↑この辺りを飛んでいた

結局余裕を持って空港には到着。雷雨に見舞われ出発は遅れたものの無事の帰京と相成った。

2019年7月 2日 (火)

津軽海峡北南22:おぐら・アマリリスしんこや

旅の最終日。雨に濡れながら弘前駅まで歩いてレンタカーを借り、大館方面へ向かう。昼は予め決めていた「おぐらや」で食べる事にする。

幹線道路沿いのこじんまりとした店だが、昼時だったので駐車する車で混雑していて、偶にしか車を運転しない自分にとってはヒヤヒヤもので車庫入れして入店。迷わず支那そばを頼む。
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シンプルなルックスの丼がほどなく登場。
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ささ濁りしたスープから醤油の香りが立ち上って胃を刺激する。香りほど醤油の味は強くなく全体にまあるい味わい。そこに自家製麵のツルシコ感が合わさって、バランスの良い一椀に仕上がっていた。メンマも叉焼も手堅い味で食後に化学調味料の味もせず、実直で旨いラーメンに出会えて嬉しくなった。
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【アマリリスしんこや】
大館は街のサイズに比して喫茶が充実していたのでどこに行くか悩んだが、和洋菓子を揃えたこちらの店の奥に喫茶コーナーがあるというので行ってみることにする。
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もはやアーケードを残すのみで商店はちらほらという一角に店はあったが、周囲の状況をものともせずに多種多様な菓子が並んでいた。もともとはしんこ餅を名物としていたようだが、今は洋菓子が主力のようだったのでレアチーズケーキを頼む。
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直線がピシリ決まり白・黄・紫の色どりが涼やかな一品で味わいはババロア感が強い。レモンの風味といい、子供の頃母親が作ってくれたヨーグルトケーキを彷彿とさせる味わいで懐かしい気持ちになる。

家人の頼んだチョコレートケーキも見目麗しく、コーティングされたチョコもたっぷりで美味しかった。
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店には引きも切らずお客が来てはソフトクリームやケーキや進物用の焼菓子を買っていて、いかに地元に愛されている店なのかが手に取るようにわかる。帰りに胡桃餅と薯蕷饅頭を買って帰ったが、胡桃餅は香ばしさとむっちりした食感のコントラストが後を引く一品だったし、薯蕷饅頭も品の良い甘さとしっくりとした口当たりを楽しめる優品だった。
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↑ご主人の名前を堂々記載しているところに矜持を感じる。
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末永く市民に甘やかな夢を見させる店であってほしいと願って店を後にした。

2019年7月 1日 (月)

津軽海峡北南21:古遠部温泉・白馬龍神温泉

9年前に来た際には温泉を主眼としてこの地域を巡った。その際に入った津軽湯の沢温泉なりやや矢立温泉アクトバードはその後廃業してしまってもう入ることはできない。一番の気に入りで宿泊した古遠部温泉も一時休業したとの情報に触れ、今後どうなるやも知れず日帰り入浴だけでもと思い、最終日大館能代空港に向かう途中で立ち寄る。

相変わらずの山奥の細道を恐る恐る行くとようやく宿が見えてほっとする。週末だっただけにかなりの混雑でゆっくりは入っていられなかったが、相変わらずドバドバと豪放に源泉が注がれ、ジャバジャバと湯船からこぼれ、トド寝を楽しむ御仁もいて・・・と変わらぬ姿を保っていた。宿の方が変わられたようで随分禁止事項の張り紙が増えたが、秘湯マニアはやはり偏狂なところがあるのだろうから、ご苦労が偲ばれる。何はともあれ素晴らしいお湯に再び浸かることが出来たのは有難い限りだった。
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一方、弘前市街からも遠くないところになかなかの温泉が湧いているとのことで、そこへ向かう弘南鉄道にも乗ってみたかったのもあり出かけてみた。

中央弘前駅の駅舎が誘う郷愁といったらない。
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線路の行き止まりには撫子が咲いていた。
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使用している車両は東急の旧型車両のようで、あちこちに形跡が残っていた。できれば池上線に戻って来てもらい、時折乗ってみたい味わい深い車両だった。
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目的の白馬龍神温泉は松木平駅から歩いて10分弱。この駅もリンゴ畑の真ん中にあり、遠くに岩木山が遠望されて旅情をそそる駅だった。
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一方で温泉は近代的な堂々とした造り。
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名物は析出物で出来たクレーター様の床。矢立温泉を思い出させる。
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あまりに尖ってしまうと歩けないほど痛いというので、時折グラインダーで削っているという。確かにクレーターの盛り上がり部分は色が変わっていて踏んでも痛みはさほど感じられない。室内の浴槽は広々としていたが、熱すぎて難渋。なので屋外の温めの露天湯でゆるゆると過ごした。市街地中心部から電車で15分も行くとこんないい湯にありつけるとは、弘前の街としての魅力を改めて発見した次第。

2019年6月30日 (日)

津軽海峡北南20:ル・ブルジョン・開雲堂・大阪屋

特に感銘を受けた個人的弘前スイーツ御三家を別に記すことにする。

【ル・ブルジョン】
オー・ボン・ビュータンで修業された方がやっているというのでアップルパイを買ってみる。開店早々に行ったのでパイはまだじんわり温かく、ほんのりバターが香って食欲をそそる。薄玻璃のようにシャクっと砕けるパイ生地は実に繊細な仕上がりで、中のリンゴのコンフィチュールとの相性もいい。後口さっぱりで口に油っこさが残ることもなくごく軽快な仕上がりで、これなら他の品も間違いないだろうから、あれこれ買えばよかったと後悔した。
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【開雲堂】
土手町の商店街に重厚な店舗を構えていて、一種のランドマークのようになっている。中はほの暗い明かさに保たれていて、日本文化の隠れた功労者である陰翳を大事にしている姿勢が好ましく感じられた。和洋いずれの菓子も手掛けていて目移りしたが、ここは初心貫徹、七夕を題材とした「織姫」と願い笹を模った上生菓子を買って帰る。
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織姫は橙色と桃色を隔てる乳白色の嶺が天の川のように見え、そこにまぶされた砂糖の粒子が無数の星々を、そして金粉がひときわ輝く織姫星ベガを表現していて、二寸たらずの練切に小宇宙が見事に抽象化されているのに驚かされる。そして朝出来の新鮮なものだったようでふっくらとした餡は甘さの調子の品が良く、その口溶けの良さは出色だった。流石はそれと知られた名店の味わいで甚く満足した。

【大阪屋】
和菓子の老舗としては開雲堂と並び称される店だったので、弘前を発つ日に寄ることにした。創業から凡そ400年、京都でもこれに太刀打ちできる店はほぼ無いほどの伝統を重ねてきた店はやはり威容を誇る店構えで、金看板に店の矜持が伺えた。
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中に入ると名高い螺鈿細工の棚が見えて、鈍く放つ光の屈折に目も眩みそうになる。
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↑写真はネットから引用

上生菓子を二つ、それにここでしか買えない銘菓「竹流し」を購入。上生菓子はなんと190円と破格の御値段。雨露に濡れる紫陽花二題は、型取りしたものはしっくりと、きんとんのものはふかふかとした餡の具合でその違いが楽しめるのが嬉しい。
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濃いめに抽出した麦茶と一緒に頂いたら「梅雨空続きも悪くはないな・・・」と思わされたから、流石の仕上がりである。

大名物「竹流し」は、まあ江戸の昔はそうないもので驚かされたかもしれないけれども、蕎麦ぼうろが遍く流通している現代にあってはそうでもないだろう・・・と思ってひとかけ食べてみたら、絶妙の脆さといい、微かに立ち昇る蕎麦の香ばしさといい、ごく穏やかな甘さ加減といい、実に質朴な風味なのだが切ない気持ちにすらなる逸品だった。
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↑純白無垢の缶が高貴さを演出
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北の地の厳しい環境にあっても甘やかなひとときを楽しみたいという切実な思いがこの一菓に結晶したようにも思え、それを数百年と途絶えずに作り続けてきた店の凄味を知ることになった。もう一つの銘菓「冬夏」も素晴らしいということなので、必ず再訪して四百年の星霜を余すところなくこの身に併呑したいと思う。

2019年6月29日 (土)

津軽海峡北南19:弘前和菓子店めぐり

弘前はいい和菓子屋も多くて、その文化的豊穣ぶりが羨ましくさえ思えた。

【観世】
宿から近かったので初日散歩がてら寄ってみるとショウケースにずらっと上生菓子が並んでいて、その下の段にはこれも愛らしい干菓子の数々があり思わず「ほぅ」と感嘆する。

「雨上がり」との銘のきんとんはまさにその情景が眼前に広がるもので、丁寧な造りで美しい。そうしてふんわりとした餡の具合が心地よく、消え様も見事で実に美味しい。
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「爽楓」の心洗われる表現も美的感覚の鋭さを感じさせるもので一遍で気に入った。
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帰京する日に開店一番土産を買いに行くと、ご主人は奥で熱心に餡を丸めていて菓子造りに余念がない様子。朗らかな笑顔がチャーミングな女将さんにお願いして撫子と落とし文、それに干菓子の青紅葉と紫陽花を買って帰る。生菓子はやはりくどみがなく素直な甘さの餡がよく、干菓子も季節が感じられる趣深いもので感心した。
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小体な店でさりげなくこんな美味しい菓子を生み出していることに少し感動すら覚えた次第。

【双味庵】
弘大から土手町へ戻る道すがらに立ち寄って上生菓子を買ってみる。こちらは手広く菓子を揃えたなかなかの店構えで、季節にだけ焼くアップルパイも美味しいとのことだから、少し期待してしまう。しかし「瀧しぶき」「青梅」いずれの餡もねっとり感が強くて甘さが口に残ってしまう。造形は美しいだけに惜しい気がした。
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【三笠屋餅店】
名物の「あさか餅」はあんまり見かけない餅菓子だったのでどんな味わいなのか気になって、少し遠かったが自転車に乗って買いに行った。店内でも楽しめるようにはなっていたが、予定が詰まっていたので買って帰り宿でぱくつく。
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形としては阿闍梨餅に類似しているが、こちらは餅で出来ているからこの形を維持するのはなかなかの技術がいるように思う。そうして中の餡が大変に滑らかでかなり緩めの作りだから「どうやってこの餅の中に入れたのだろうか・・・」と?マークが脳裏をよぎる。

そうした製作の苦労はさておき、周りにまぶされた胡麻とあられ粉の香ばしさがぱっと口に広がった後、滑らかでくちどけの良い餡がするりと流れ込んできて、柔和至極の餅と渾然一体となるのだから、それは旨いに決まっている。もう少しこれを食べる腹を開けておくべきだったと後悔するくらいだった。次に訪問した際は、作り方の秘訣を聞きながらパクパクと何個でも食べてみたい気がする。
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【川越黄金焼店】
土手町の通りで百数十年愛され続けた弘前っ子のソウルフードだというので、ふじやで飲んだ後に寄って買って帰る。二人連れなのを見て「一個ずつ包もうか?」と気遣いをしてくれたが、この辺りのことがさりげなく出来るのが老舗たる所以なのかもしれない。

1個60円の黄金焼は今川焼とそんなに違わないのでは・・・と思ったが、あれとは違う。皮がふんわりもっちりとしていて、しかも白餡が甘やかに香って一口ごとに不思議な幸福感が味わえる。まさか1個100円に満たないもので驚かされるとは思わなかったが、これはいい。実にいい。飲んだ後でも全く響かない。流石は伊達に長く続いている訳ではないと感服させられた。
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2019年6月28日 (金)

津軽海峡北南18:弘前喫茶店めぐり

こちらにも記事を書いたが、それ以外にも弘前にはいい喫茶店が沢山あり、あちこち寄って馨しき珈琲の香りに浸った。

【時代屋】
勝手に「弘前の臍」と命名した青銀前交差点にある三上ビルの一角にあって、朝早くからモーニングをやっているので朝食をとりに行く。中はこじんまりとしていてカウンター4席にテーブルが二卓。カウンターには常連の方がいたのでテーブルに座る。

たっぷりのサラダにハムエッグとトーストがセットになったモーニングはなかなか豪勢で朝から食欲も湧いてくる。
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マダムはカウンターの方々と談笑していて時折「わいはー、わいはー」と聞こえてくる。正調の津軽弁が心地よく耳をくすぐってくれ、珈琲の薫りもあってしゃっきりと目が覚めた。帰りには「どうもありがとうねー」と優しく微笑みながらマダムが出口まで見送ってくれて心温まる。良い一日をスタートさせたいなら、行ってみるべき店だと感じた。

【弘大カフェ】
仁平寿司で昼食をとった後に寄る。キャンパス内に可愛らしい洋館が見えてきてそれが店だった。
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珈琲はバイトの方が淹れるので格段の味わいはなかったが、古い建物の雰囲気を保つ一室で窓から入る爽風に吹かれながら飲むアイスカフェオレは風情があった。
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【ひまわり】
弘前では名喫茶として知られた店とのことで、立ち寄ってみる。二階もあるようだったがこの日はクローズされていたので一階の一隅に席を得る。すると「普段は二階も開げてんだもはー、今日はあたしの足が悪ぃんでぃね」と人懐っこい老マダムに声をかけられる。口には出さない客の気配を読み取る辺り、流石接客が練れている。

ここでは家人が頼んだアップルチーズケーキが美味しかった。チーズの酸味とリンゴの酸味の微かな差が諧調を生み、それが美しい余韻につながっていていい。途中店内のBGMが止まってしまって「ごめんね、止まっちゃった」と屈託なくマダムが呟いたので「お客さんたちの話す津軽弁の旋律を楽しみますよ」と答えたら「いいごというね~お客さん」と褒められ、なんだか嬉しくなる。帰りがけレジで少し話すと、泊っている石場旅館のこともよくご存じで、「これ持って行って」とマッチ箱をくださった。
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この知らずに心に沁み入ってくるマダムの人柄がこの店を支えている柱なんだなぁと得心して店を後にした。
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【ルビアン】
飲み屋街にあって、〆の珈琲が楽しめる店とのことで、ふじやで飲んだ後に行く。店の構えは周りの飲み屋に押されて目立たないが、中に入ると純喫茶度数が高くてそのギャップがいい。
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ご主人は寡黙でカウンターの一人客と二人してだんまり巨人戦を眺めていたので、奥のテーブルに座って玉子サンドと珈琲を頼み、静かに一日を終えることにする。呑んだ〆に出来立てのサンドイッチというのは初めてのような気がするが、腹にもたれることもなく、麺類のように汁の塩分を過剰摂取することもなく、不惑過ぎの酒徒には好都合だった。

それにしても独特の暗さとステンドグラスを多用した装飾は、世間から逃避する場所としては実にいい舞台装置になっていて、そこがこの店が長く支持される所以なのかなとも思う。寝る前の珈琲はご法度と聞いていたが特段問題なく寝付くことが出来たから、弘前で飲んだ暁には是非ルビアンで〆るという弘前らしい夜を再び堪能したいと思う。

2019年6月27日 (木)

津軽海峡北南17:高砂・仁平寿司

弘前での昼食は二日とも立派な普請の店でとった。

【高砂】
門を構える「高砂」は敷地に蔵もある豪壮な屋敷で、奥の座敷では精進落としが開かれるなど土地の人の節目節目にも対応する大店だったが、店の人たちは大らかで特段緊張を強いられることもなかった。
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暑かったのでもりそばを食べようとしたところ、こちらではざるが大盛であると書かれていたので、そちらにする。
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待つこと数分、供された蕎麦はほっそりと白い更科蕎麦で、店の雰囲気によく合っていた。
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汁は甘からず塩辛ずの程よいもので、するりするりと胃の腑に滑り込む。弘前はアップルパイや和菓子など甘いものの宝庫なので、昼を抑えめにしたいという向きも多いと思うが、ここなどその要望にピタリと応えてくれると思う。

【仁平寿司】
九年前に弘前に来たときには情報が少なすぎて躊躇してしまったが、今回は様子が判ったので予約を入れて伺うことにする。弘高下駅からすぐの店は高砂よりもさらに豪奢な造りで、一見では寿司屋であることが判らないかもしれない。
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中に入っても銘材をふんだんに使った見事な柱や梁が壮観で店に品格を与えていたが、不思議と威圧感は感じずに唯々その直線の決まった美しい空間を堪能することが出来た。電話した時にお決まりの3,000円があるとのことだったのでそれを二人前頼んで、座敷から望む窓外の青紅葉を肴に盃を傾ける。
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直に華麗な色絵が施された大皿に盛られて端正な寿司が登場。一瞥しただけで「これは間違いないだろう」と思ったが、果たしてどのネタも申し分なく美味しくて相好が崩れるのを禁じ得ない。
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どのネタも口に入れると、その真味が真っ直ぐに舌に伝わってくるのだがその加減はあくまで優美で厭らしさがまるでない。そうして「ほう、これは・・・」と堪能していると、蜃気楼のように跡形もなく風味が消えていく。だから、続けて食べても前の魚の余韻が混入することなく、毎度毎度きちっとその魚の真味のみが舌にたち昇る。練達の仕込みがなされていることがありありと感じられて、いや実に驚かされた。

まだいけそうな腹具合だったので、追加に鉄火巻をお願いすると「巻物でしたらうちの梅巻は他所にないものだから是非食べて行ってください」とご主人からのお誘いが。もちろんそれも頼んで、これもお勧めという穴子と美味しかった北寄貝を追加で握ってもらう。
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鉄火は勿論美味しいものだったが、お勧めのカリカリ梅を巻いた梅巻はなるほど他にはそうないかもしれない。梅雨前の少し蒸し暑い時だったから、一緒に巻かれた紫蘇の香りとシャキシャキとした梅の歯応えが心地よく感じられて、印象深い一品になった。

女将さんの細やかで心安い接客は気持ちの良いものだったし、大女将もネタの下拵えを手伝ってきっちりその任を果たされているなど家族皆で客をもてなそうという真摯な気持ちが満ちていて、とてもよい時間を過ごすことが出来た。ここは季節を替えて必ず再訪したいと思う。御馳走様でした。
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2019年6月26日 (水)

津軽海峡北南16:ピッツェリア・ダ・サスィーノ、ふじや

弘前最初の夜は自家製のモッツァレラチーズを使ったピッツァが楽しめるというピッツェリア・ダ・サスィーノへ行った。昼は大盛況の店と聞くが夜の早い時間はまだ空いていて、ゆったりと生ビールを呑み自家栽培の野菜を使ったサラダや生ハム・モッツァレラを食べながらピッツァの焼き上がりを待つ。
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すると焼き手の方が「二枚ともマルゲリータのご注文ですが、一枚は何か別のものに致しましょうか?」とテーブルまでやってきたので「マルゲリータが大好物なんです。それでナポリにも行ったぐらいで」と伝えると、勇躍窯の前に戻って焼き始めてくれた。やってきたピッツァは焼けて尚トマトソースに潤いがあって瑞々しく、自家製モッツァレラも気持ちよいぐらいに伸び、その上旨味も充分あって期待通りの美味しさ。
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久々に上出来のマルゲリータにありつけた悦びに浸っていると「もう一枚は今のとは少し違った味わいにしてみますね」と再び焼き手の方が登場。その二枚目、確かにチーズのコクが増して最初のよりもパンチがある感じ。「そうなんです。丁度よく熟成が進んだモッツァレラを使ってみました。」と嬉しそうに仰る。そこからナポリに修業に行ったことや、我々が訪れたことのある店の話でも盛り上がる。

まさか弘前でナポリ仕込みのピッツァに出会えるとは思わなかったので嬉しい驚き。それにしても自家製のモッツァレラでピッツァを焼いているなんて日本ではここぐらいだろうから、弘前に来たなら是非食べに行くべき店だと思う。

【ふじや】
旅行最終日の夜は気の利いた店で旨い酒と魚をやりたいと思い、評判の良いきくやに5日前から予約を入れて行く。店は満席で入口にはその旨の張り紙がしてあって、否が応でも期待が高まる。
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魚をたっぷり食べたかったので刺身の盛り合わせに銀鱈西京焼き、穴子白焼き、とうもろこしの天婦羅などを豊盃で頂く。

刺身の盛り合わせはたっぷりやって来てどれも大ぶりな切り身だったが、如何せん味わいの輪郭が少しぼやけて感じられ、ちょっと残念。それでも鮃と帆立は雲丹と一緒に食べてコクを足してやったら美味しかった。これは昼に仁平寿司でいい魚を随分食べてしまったことによるマイナス補正が働いてしまったのかもしれない。
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一方、銀鱈は味噌の漬かり具合が絶妙で、その風味と脂の乗った身の協奏は得も言われぬものだった。
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穴子白焼きとトウモロコシの天婦羅はまずまずといったところ。期待していた分ハードルを上げ過ぎた感があるが、どうもここはコースでお願いすると満足度が上がるようになっているらしい。次回訪問時はそうしよう・・・と階段を下りながら思った。

2019年6月25日 (火)

津軽海峡北南15:弘前名所めぐり

前川國男は江戸東京たてもの園で旧自宅を訪れた時に直線が生かされた小ざっぱりとした雰囲気に好感を持っていた。その彼が母の故地である弘前に多く作品を残しているというので巡ってみた。デビュー作のこぎん研究所は変哲のない建物に見えたが、それほど普遍性のあるデザインとして日本中で模倣された証左であるようにも感じた。
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ここは二階が前川氏のミニ展示室になっていて、氏の略歴や設計した建物の模型や写真パネルが貼ってあったから、初心者の我々にはうってつけだった。無料ではあるが、寸志として300円寄付しておいた。
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弘前城内には市民会館と博物館が隣り合っている。市民会館に微かな郷愁を覚えたのは、子供の頃に何度か行った桜木町紅葉坂上の神奈川県立青少年センターによく似たデザインだったからだ。似てるのは道理で、これも氏が設計している。
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中に入ると有名なステンドグラスが目を惹くが、これは数年前に作成されて嵌め込まれたものだという。
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こういう建築物だと安易に手を入れようとせず墨守しがちだが、そこに安住せずに沈思黙考を続けて、建物の雰囲気に寄りそう美しい光の景色を生み出す辺り、弘前の人々の美的感覚は相当に優れているように思う。

博物館では昔の弘前の様子を回顧する特別展示がされていて、明治期創業の石場旅館が古地図に載っているのを見つけたりして楽しめた。こちらは後期の作でレンガタイルが前面に出ていて作風の変化がうかがえる。よく雰囲気が似ている東京都美術館も氏の設計と知り納得した。
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ここから至近である城正面の市役所もこの作風を伝えていて、統一感があって好もしい。
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城といえば城内の植物園に白孔雀がいるから見た方がいいと言われ、花々を楽しんで歩いていたら、キューキュー泣き声が聞こえるのでそちらに行くと、純白無垢の美しい姿が見えてハッとした。
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繁殖期が近いので求愛の為に羽根が伸びていて、その優美な姿を見ることが出来たようだ。これはツイていた。

この他最勝院の五重塔も青空を分つように屹立していて見事だったし、その三門の前に樹齢300年近いエドヒガンザクラの樹があって、流石の精気を放っていたのも印象深い。
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宿の隣の日本基督教団弘前教会は真白く気品が感じられ、
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中央弘前駅に隣接する昇天教会はアメリカ開拓時代の素朴な信仰心を彷彿とさせて生垣の薔薇も見事。
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弘前は街のサイズの割に見所が多くて楽しめた。

2019年6月24日 (月)

津軽海峡北南14:大正浪漫喫茶室・喫茶レモン

弘前についてまず向かったのは藤田記念庭園にある大正浪漫喫茶室だ。ホテルのチェックアウトを済ませて観光客が街に繰り出す10時半ごろまでなら落ち着いて雰囲気を楽しめるだろうと思って行ってみたら、果たしてその通りで10時前の入店時には我々のみ。
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しかし退店時には修学旅行生に加え地方視察の地公体関係者もドンドンやって来て、大方予想通りとなった。ここでは市街地から離れていて行きづらい「ピーターパン洋菓子店」のアップルパイをいただく。
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パイ生地の中にしっとりしたスポンジとリンゴのコンポート、それに砕いた胡桃が忍ばせてあって、単純なアップルパイにはない味わいの協奏が楽しめてとてもいい。リンゴの街ならではの凝った一皿にありつけてとても満足した。

この記念館は大正・昭和期に中央財界で名を馳せた藤田翁によって建てられたものだそうだが今は観光の目玉になっていて、弘前に人を誘引する任を立派に担っている。死して尚地元に資するものを遺したあたり、故郷に錦を飾る理想形を見た思いがする。なんでも展示されていた年表によれば藤田翁は大森や荏原に自宅を構えていて、品川区の小学校にも寄進されていたとの由。思わぬ縁も知ることが出来て嬉しくなった。
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↑様々な意匠が美しく保たれていて感服。

【喫茶レモン】
晴れて随分暑くなってきたので、最勝院に立ち寄った際に門前の喫茶レモンで小休止をとった。どことなく昇天教会を思わせる意匠を凝らした外観が洒落ているが、日によってはジャズや室内楽のコンサートも開かれる店なのだそうだ。
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中は天井が高く開放感があって、玄関のドアを開け放していたからとなりを流れる川筋の風がこちらにも入って来て心地いい。店名ゆえにレモンスカッシュを頼んだら、生レモンを絞ってミントの葉も添えてくれた本式のもので嬉しくなる。
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おかげで暑さで減じていた活力が回復して、体の中にも涼風が吹き込んできたようだった。優し気なマダムにレモンスカッシュが美味しかったと告げると「まあ、そうですか。嬉しいです。」と沁み入るような笑顔を見せてくれて、それも元気回復の一助となった。最勝院に来たなら、寄った方がいい店だと思う。
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2019年6月23日 (日)

津軽海峡北南13:リゾートしらかみ・石場旅館

青森から弘前へ向かう時刻表を検索していたら、朝早くに「リゾートしらかみ」が走っている。座席指定券300円を払えば乗れるというので、これで弘前へ向かうことにした。

朝霧に包まれた青森の街は少しひんやりとして、どこか高原にでも来たようなしっとりした肌合い。「クレオパトラ」で朝食を済ませて目の前のバス停から青森駅へ。青森ベイブリッジも霧の中。
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ようやく見られたねぶたに見送られて
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ホームに出るとリゾートしらかみのクマゲラが待っていた。
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現有の三編成(他に樵・青池)の中では一番古い車両とのことだが、広くとられた窓といい、プレミアエコノミー以上のゆとりがあるシートといい、300円でこれなら十分だった。
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その名の通り青い森を抜け、稲の絨毯を眺めていたらもう弘前だった。
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循環バス「ためのぶ号」の始発を待ってまずは宿をとった「石塚旅館」へ荷物を置きにいく。今回の旅は民宿→デザインホテル→ビジネスホテル→旅館と変化に富んで楽しい。

こちらは明治期創業の登録有形文化財で、昔の日本家屋の程よい薄暗さが保たれていて心が鎮まる。
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今回はトイレ・風呂共同の8畳に広縁のついた部屋だったが、恐れていた外国人観光客の乱痴気騒ぎなどはなく、のんびり滞在することが出来た。風呂は男女分かれていて男風呂は4人は入れる大きめの浴槽にカランも4つ並んでいて、混雑期でなければゆったり浸かれる広さがあった。

部屋は布団を敷くとやや手狭に感じるが、広縁にソファーがあるので苦にはならない。そこから綺麗な庭も見下ろせるし、最終日には雲間に月のような太陽を見ることが出来てちょっと拾いものだった。
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朝ご飯もホッケの干物やリンゴジュースが出るなど北を感じさせる美味しいものだったし、控えめながらあれこれ情報をくださるご主人もつかず離れずいい距離で対応してくださって有難かった。9年前、前を通りががって「良さそうだな・・・」と思った直感が間違っていなかったというのも個人的には嬉しかった。古さを承知の上で街の雰囲気に馴染んだ旅籠に泊まってみたいという向きには申し分ない一軒だと思う。
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2019年6月22日 (土)

津軽海峡北南12:シュトラウス・甘精堂・クレオパトラ

【シュトラウス・甘精堂】
青森に行く楽しみの一つは「シュトラウス」に再訪することだった。相変わらず豪奢な雰囲気を保っていて、判っていてもここが青森であることを忘れさせる位のものだから矢張感服する。
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前回の訪問時には品切れだった「アプフェルシュトゥルーデル」があったので迷わずそれを注文する。
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薄手の生地の中には林檎・干し葡萄・ナッツ類のフィリングがぎっちり入っていて、ゲルマン系の律義さを体現しているかのようだった。酸味と甘みと香ばしさ、それにシナモンの香り付けも程よくて絶妙の均衡を保っている。これには生クリームの利いたウィンナーコーヒーの円やかな苦みが丁度よく、ウィーンでの午後のひと時もかくあらんという完成度に甚く満足した。

階下に降りるとお土産用の廉価版シュトゥルーデルがあったので買ってみたが、こちらはアップルパイのスティック版という仕上がりで、青森土産として喜ばれそうな一品だった。
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ここに来て忘れてならないのはそもそもの経営母体である和菓子の甘精堂で、昆布羊羹で名を馳せているが店の片隅に美麗な仕上がりの上生菓子が置いてあったので買って帰った。「清流」は見事な透明感に加え、苔の表現と共に川の匂いを運ぶ青海苔が微かに忍ばせてあって、その心配りにも瞠目させられた。
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「涼風」の淡い色彩と情緒深いグラデーションも美しい。
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いずれも申し分ない出来で揺るぎない老舗の底力を見た思いがした。ここの上生菓子はもっと評判をとってもいいと思う。

【クレオパトラ】
今夜の宿であるアートホテル青森に向かって新町通りを行くと、終点近くにただならぬ雰囲気を放つ喫茶店があったので、当初予定した「マロン」をやめて翌朝その「クレオパトラ」へ行くことにした。

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重厚で装飾的な調度品は純喫茶らしさを感じさせるが、店名からエジプトやアフリカを想起させるオブジェも多数飾ってあって、兼高かおるの家にでも招かれたかのような気持ちになった。
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また京都のイノダ本店のように店内に坪庭があって、そこから採光されているから店構えの印象より随分明るく、朝露に濡れ青々とした草木を眺めて飲む珈琲には清々しさすら漂っていた。

朝食に頼んだミックスサンドは鮮やかな色合いで食欲をそそり、オムレツも固からず柔らかすぎず玄妙な仕上がりで朝から幸福な気持ちになる。
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トイレの装飾も特徴的で印象に残るものだし、そこここに念の入った見事な店だった。余談だがインスタグラムに随分当店の写真が載っていて、ここを放ってはおかない青森女子の成熟ぶりにも感じ入った次第。

2019年6月21日 (金)

津軽海峡北南11:くどうラーメン・嘉一

【くどうラーメン】
青森に着岸早々向かったのは「くどうラーメン」。丁度昼時で食券を買う人、勘定をする人、黙々と麺を啜る人等々、店の面する通りでは感じられなかった人の気配が濃厚で、どこかほっとした気持にもなった。家人は並、自分は大を頼むとすぐに丼がやってくる。
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濃い醤油色のスープは魚介の出汁が強く感じられ、どこかから酸味の雰囲気も漂ってくる。どちらかというとスープではなく「つゆ」と呼びたいくらいのあっさりした味わいで、脂もほとんど浮かんでいない。となると麺との絡みが心配になるが、程よく縮れた麺がその任をきっちり果たしていて物足りなさは感じない。これなら朝から食べる人が多いというのも納得できる。
どうやら近隣の再開発で店舗の移転を余儀なくされるようだが、その場所を探してまた啜りに行きたいと思う。

【嘉一】
5年ほど前に青森へ行った時に立ち寄った際に好印象を持ったので、今回も陸奥湾の幸を楽しもうと出かけた。その望みを存分に果たしてくれたのは刺身の盛り合わせ。
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七点盛でお願いしたところ本鮪脳天、頬肉、アブラメ、マコガレイ、ウマズラハギ、水蛸、ほやの面々が津軽塗の盆に載って登場。カレイには縁側、アブラメには皮の湯引き、ウマズラには肝に真子が添えられているのも心憎い。ぬる燗でお願いした田酒とともに味わうと、本州最果ての地にいることをしみじみと感じる。

小ぶりだが、その分身質が滑らかで良かった甘鯛の塩焼、風味抜群の帆立真丈フライ、菊芋の食感が心地よかったお新香盛り合わせ、ぶつ切りにしてとろっと柔和な身を楽しむ鯛ぶつ、赤だしがかけまわされた焼きおにぎり、それに青森の地酒も四種聞し召して1万1千円ほど。やや値は張ったが、それに見合う味わいに出会えたので良しとしたい。相変わらずの「調製」ぶりを堪能でき、いい気分で店を後にした。
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2019年6月20日 (木)

津軽海峡北南10:青函フェリー

明けて函館を発つ朝。洗い立ての港の景色は澄み切っていて、何よりの餞だった。
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始発の市電に乗って駅まで行き、駅弁を買ってからタクシーで青函フェリーターミナルへ。1,200円ほどかかったが、時間的な余裕を買えたので良しとする。函館から青森に渡るのに味気ないトンネルの景色を見続けるくらいなら、時間がかかってもやはりフェリーの方が旅情があるというもので、ここは迷わず船旅を選んだ。安く済むのも有難い。

乗船する青函フェリーはトラック輸送を主力としているので旅客向けサービスは手薄な分、ライバルの津軽海峡フェリーよりも3割方安くて片道1,800円。所要時間には大差ないのでこちらにしたが、ターミナルは新しく綺麗でこれなら大丈夫そうだなと着くなり不安はかき消された。
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乗船まで時間があったので、駅で買った名物の「鰊みがき弁当」と「かに寿司」を待合で食べる。身欠きにしんの煮付はあの独特のえぐみが抑えられていて、数の子も穏やかな塩加減で品がいい。意外な健闘は切り昆布の煮付で、身欠きにしんと数の子の間の塩加減になっていて、見事に味を結節してくれる。流石その名にし負う駅弁だった。
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かに寿司は期待していなかったが、意外にしっかりとしたかにの身と酢の味わいが寄り添いあってなかなかの美味。
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お腹もくちくなって準備万端、悠然船に乗り込むことにする。乗ったのは「あさかぜ21」で、車の格納庫は流石に大きく目を引く。
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三階に上がって客室へ行くと絨毯敷きの広間があってその一角に陣を据える。
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車もさほどなく、定刻通り出発するとじきに市電の行先でその名をよく見かけた「函館どつく」が見える。
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そこからもう少し進むと、昨日夢のようなひと時を過ごした「ティーショップ夕日」がかすかに見える。昨日は見送る側で、今日は見送られる側になり不思議な心持に。
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と、家人が「イルカ!イルカ!」と叫ぶので航跡の辺りを見ると確かに十数頭イルカが追いかけてきていた。出港して10分足らず、まだ函館湾内で陸地からも直ぐの所だったから驚かされたし、なんだか得した気持にもなる。
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↑この写真の直後のこと。あっという間に遠のいたので写真は撮れず・・・

やがて眠気が襲ってきたのでひと眠りして起きると、下北半島の仏が浦が遠望される。
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そこが舞台の映画「飢餓海峡」のラストシーンを見て、是非連絡船に乗ってみたいものだと思っていたので独り感慨にふける。

そこを過ぎれば遠くに雪を残した八甲田山が見えてきて、予定よりも20分早く青森港に着岸。WiFiもグーグルのアカウントを使って利用できたし、揺れも全くなく3時間40分の航海はあっという間だった。百鬼園先生が怯えた水中機雷も遥か過去のことになったのだし、海峡の横断は時間繰りをつけてでも船旅に限ると個人的には思う。

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