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2010年1月20日 (水)

00年代のまとめ(2)

食事と旅行編。
【一皿】
・御弁当/あと村(内幸町)
京料理の粋が折の中で見事に結晶。
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・八重山そば/来夏世(石垣島)
あの青い空のような清澄な出汁と店を吹き抜ける風。
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・牛ランプ肉のロースト/北島亭(四谷)
薄桃色に輝く肉の断面、奔出する肉汁の官能的なこと。

・鳩のロースト/金山海鮮酒家(香港)
肉の旨味の凝縮感と皮の香ばしさの相乗効果が堪らない。
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【料理店】
・余志屋(先斗町)
活気あふれる板場から供される馳走の数々とご主人のお人柄に惹かれて、京都行の際には必ず入れたい店。レシピ本も自宅で活躍している。

・近松(薬院)
ただでさえ質の高い九州の魚に磨きをかけて、工芸品のような逸品に仕上げる。店内の雰囲気もあって、ご主人の寿司の個展に足を運んだような心持になる。

・のがみ(四谷三丁目)
実直なご主人のお人柄と女将さんの朗らかな接客が見事に寛げる空間を作っている。手をかけた良い素材の寿司を納得の価格で頂ける良店。

【閉店・物故】
・松風(浅草)
70年続いた名酒場にも終わりの時はやってきた。生まれて初めて通って馴染みになった店だけに惜別の情はひとしおだった。注文を通す独特の声色とぬる燗の「田酒」の味は忘れない。
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・とら寿司(長崎)
初めて行った時に食べた鯵の見事な歯応えと口中に広がっていく風味が忘れられない。美しく枯れたご主人の佇まいも味わい深かった。
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・よつやこくている(荒木町)の先代
にこにこと笑いながら豪快にシェーカーを振る姿がついこの間のように思える。ご子息が継がれて店は大繁盛だから、どうか安らかにお眠りください。

【菓子】
・山椒あられ/船はし屋(三条大橋)
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・水羊羹/甘泉堂(祇園)
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・Pロール/B-speak(湯布院)

・ブラックサンダー


【旅行】
・竹富島(2004年・2006年
この島の1泊2食5,000円の宿に泊ってから旅行のスタイルが変わった。高い旅館、豪勢な食事、場に合わせた服装・・・そうした気取った旅をするのがつまらなく感じるようになった。宿の皆で夕日を眺め、酒盛りをし、流れ星を桟橋に横たわって数える。そんなささやかなことがいつまでも記憶に残る。それが旅なんだと教えてくれた場所。
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・鳴子(2009年)
温泉に対する考え方を変えてくれた。色・臭い・肌ざわり・浴感がこうも違うのかと短い滞在で思い知らされた。湯守をされている方々の素朴ながら温かい接遇も心に残る。
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・バイブリー(2002年)
「英国一美しい村」はとても静かで、自然と歩みがゆったりしたものになった。情報が少なく、イギリスのサイトをさまよって行き方を探し出したのも良い思い出。午後の日差しが眩しいスワンホテルのテラスで呑んだバス・ペールエールは長く記憶に残る一杯。
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・ポジターノ(2002年)
海岸まで急峻な崖が迫っていて、そこに張り付くように色とりどりの家が連なっている風景。憧れていたイタリアがそこにあることに軽い感動を覚えた。海を眺める最上階のスイートでのシエスタは最高の贅沢だった。コーヴォ・ディ・サラチェーニで食べたアクアパッツァも素晴らしかった。
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2009年1月17日 (土)

寿司政のばらちらし折

【寿司政】東京・九段下 ★★★★
久しぶりに山の上ホテルに泊まろうと思い立った時に、ふとここでばらチラシを折詰にしてもらって部屋で食べてみたいという欲求に駆られた。山口瞳の著作にそうした記述は見られないが、そういうこともあったのでは・・・と思うと心がふわっと弾んだ。

折にしてお願いできるのは3,000円・4,000円・5,000円とのことで、3,000円のものをお願いする。別途折代がかかって実質3,500円。

店のある場所は以前から知っていたが、あの低い暖簾をくぐるのは初めてだった。予約した旨を伝えるとすでに出来上がっていて、細面で柳腰の女将さんがすぐに勘定を持ってきてくれた。一目見て、山口瞳が好むタイプの女性だなと思った。「はち巻岡田」の女将も、また治子夫人も同じタイプだ。なんとも儚げな風情のある女性。今は随分少なくなってきた部類だろう。そういえば、入口左に山口の句「小鰯も 鯵も一ト鹽 時雨かな」が掲げられていた。それやこれやのいきさつも、もうすぐ人々の記憶からは消えていくのかもしれない。

部屋に着いて、早速折詰を開けにかかる。定式幕を意識した柿と萌葱の紐を緩める時には随分胸が高まった。ひどく生意気なことをしているという意識が気持ちを高ぶらせていた。開けてみて、予想以上の華やかさに尚のこと胸が高鳴った。

小肌・烏賊・縞鯵・赤身・大トロ・穴子・車海老・帆立。いずれも申し分なく旨い。都合上醤油がなかったが、それでも全く違和感なく烏賊や帆立を食することが出来たのだから、素材は確かなのだろう。敷き詰められたおぼろも程が良く、玉子・干瓢・椎茸も控え目ながらきっちりと自分を主張していた。予想以上にボリュームを感じたが、満腹感とともによく練れたオーケストラの演奏を聴き終えたような余韻を感じた。

春に花見をする時など、この折詰を持っていけば一層華やいだものとなるだろう。これからは「あと村」の弁当にするか、ここの折詰にするか、嬉しい悩みが増えることになりそうだ。Dscn0631

2008年12月 2日 (火)

近松

【近松】福岡・薬院 ★★★★+
今回が3回目の訪問。個人的には博多といえば「鍋万十 定食おきよ 寿司近松」と勝手に決めているので九州に行くからにはここに寄らずに帰るわけにはいかない。

モダンな外観の店内に入ると照明がかなり落とされているので、昼などは目が慣れるまで時間がかかる。けれどもこの馴染んでいく時間が心地よい。店に入って早々はつい逸る心持になっているのだが、この時間があるおかげで落ち着きを取り戻して、美麗な寿司と真摯に向き合うことができる。

昼のおまかせは今回全14貫。どれも甲乙つけ難い逸品揃い。
・あおりいか・平目・平目昆布〆・赤身づけ・大トロ
・平政・車海老・小肌・〆鯖・平貝・穴子・煮蛸
・いくら飯・玉子

13日間寝かせて熟成させた大間の大トロは赤身の味わいが際立っていて、軽やかな脂と相まってどこまでも口の中に広がっていく。車海老の香気の立ち具合は相変わらず抜群で、残り香も存分に楽しんだ。旬と見込んでいた済州島沖の鯖は〆ることで旨味と脂が凝結していて、舌に乗せた瞬間にそれらが一気に煌いたと思うと、どこともなくふわりと消えていく。こればっかりは何度食べても切ない気分になる。

錫のちろりで供される酒をゆったりと呑み、どれもこれも痺れながら食していると自然と顔がほころんでいるのが判る。こういう自然な笑みを引き出してくれる料理屋はそうはないだろう。しかもこれが5,000円で味わえるのだから尚のことだ。相変わらずまろやかな御主人の接遇にもすっかり心を蕩かされて店を後にすることとなった。身体が動く限り通い続けたいと思う。
→2007年の訪問記はこちら。
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2008年11月28日 (金)

おきよ食堂・万十屋

【おきよ食堂】福岡・長浜 ★★★★
博多に行く時は必ず立ち寄っている店。天神から歩いていけるのが良いし、早朝からやっているので味気ないホテルの朝食を食べるのであれば、散歩がてらこちらまでやってきて思うままに旬の魚を堪能する方が満足度が高いと思っている。

一年半ぶりの訪問となったが、店内が大きく改装されていた。以前寿司カウンターだったところと食堂部を一緒にして、随分スペースが広くなったように思う。少し小奇麗になって市場食堂の雰囲気が失われたようにも思えるが、隣にはお洒落ダイニングができたりと顧客層に変化が出てきているのだから当然と言えば当然なのかも知れない。

この時期には外せないごまさば定食(マサバの刺身にすりごまと醤油をからめたもの)をお願いしたが、注文してから鯖を捌いてくれたので、身の持つ独特の香気ときめ細やかな脂乗りを存分に堪能できた。何度も思うことだが、これにきちんと手をかけた煮物がついて650円というのは非常に満足度の高い定食で、今だこれを越える定食には出会っていない。朝に食べると程よい満腹感とお得感で一日気分よく過ごせるので、その精神作用も考えると博多滞在中の朝食にここ以上のところはないように思われる。Cimg0052_thumb

【万十屋】福岡・次郎丸 ★★★★
ここも今回の再訪を楽しみにしていた店。天神から地下鉄で25分、次郎丸駅からバスで10分弱と旅の者には遠いけれども、ここでしか味わえないもつ鍋があるのだからさほど苦にはならない。

初めて夜に伺ったが、まあ盛況でどの顔からも満足の笑みがこぼれていた。もちろん我々もご多分にもれない。焼肉のタレと割り下を足して2で割ったような漬けだれにホルモン・ガツ・ハチノスがバランスよく混ざっていて、この上にキャベツ・えのき・ニラを積み重ねて野菜がしんなりするまで決して触らずにじっと我慢の子。この鍋の名手である給仕のおばちゃんからのOKサインが出たら、一目散にモツを口に放り込む。ぎゅっとした歯ごたえとともに襞に隠れていた肉汁があふれ、甘辛いタレと混ざり合うともうたまらない。甘味をましたキャベツとニラで味わいに拡がりを与えてやると、ビールが進むことこの上ない。

しかし、これはあくまで雑炊のための出汁取りにしか過ぎない。そう断言したいほど雑炊が旨い。ホルモンからしみ出した脂が米の澱粉と混ざって、雑炊にこの上ないまったりとしたコクを与える。野菜の出汁を吸い取った甘辛の汁もとき卵で全体に引き締まって、冷ますのも早々にすすりこむと素材の旨味が舌で煌く。何度口に入れても飽きずにこれを感じることができるからすごい。嗚呼、こうして書いているだけでも涎が滴る。個人的には鹿児島の福わらじの豚しゃぶ雑炊とともに日本3大雑炊入りが確定している。(あと一つは未定。)Cimg2090

2008年11月25日 (火)

大黒商店・しばらく

【大黒商店】福岡・天神 ★★★
博多でとんこつラーメンを食べるとなると店が多すぎて選択に困ってしまう。一応その道の先達であるブログからホテルに近い2店の情報を拾って訪問。

こちらは脂がぎっとりとスープの表面を覆っているものの、独特の匂いも薄く全体にあっさりとした仕上がり。そういう意味では東京でとんこつラーメンを食べているような錯覚を起こすくらい落ち着きのある一杯だった。Cimg2180

【しばらく】福岡・天神 ★★+
大黒商店から歩いて1-2分。こちらはあちらこちらにチェーン展開をしているようで、日本橋にも店を出しているらしい。店内は中年女性たちが取り仕切っていて、どこかほんわかした雰囲気。しかしラーメンが運ばれてくるとその独特のにおいで一気にボルテージが高まる。ゴツンとした獣臭さを胡麻の香ばしさで矯めてやりながら麺をすすると、にゅるりとした歯応えに意表を突かれる。ラーメンというよりにゅうめんの食感に近い。荒々しいスープだけに針金かと突っ込みたくなるくらい硬派な細麺を期待したが、ちょっと肩すかしを食らった感じ。美味しいとは思うのだけれど。Cimg2181

2008年11月 7日 (金)

麺壱吉兆

麺壱 吉兆 (ラーメン / 戸越)
★★★★ 4.0

個人的には最も肌合いの合うラーメンが食べられる店。ゴテゴテしたものが多い昨今、安心して堪能できる一杯を提供してくれるのがありがたい。

いつも頂いている「中華そば」は鶏ベースのしょうゆ味。雑味のない澄み切ったスープは、鶏の脂がきらめきつつも程よく醤油の香気が利いていて素晴らしい後味。つるりとした手打ちの縮れ麺とも実に良く合っている。これだけでも納得の旨さなのだが、特筆すべきはチャーシュー。燻製してから煮ているので、芳しい燻香をまとっていて、否応なく食欲が高まる。しかもしっかりとした存在感のものが二枚も入っているのだから、何かと世知辛いこのご時世にあっては頼もしい。

加えてほうれん草の緑、なるとの紅白の彩りも美しく、お値段も納得の650円。奥さんお手製のお品書きもどこか温かみのある字体でほっこりとした雰囲気を醸し出しているし、いつも食べ終えて幸福感を味わって店を後にしている。こういうお店がしっかりと繁盛されているのは全く心強い限りだ。Cimg2051

2008年10月12日 (日)

松本市中散策記(3)

夜1軒、昼2軒巡った蕎麦屋。概して言えることは高いこと。しかし地粉を使うとこれ位になるのは仕方ないのだろう。

【女鳥羽そば】長野・松本 ★★★

市中で最も有名な蕎麦屋かと思われるが、閉店間際で客はいなかった。ゆっくり楽しむには宵の口に入ってからが良いのかもしれない。呑んだ後だったので、もりの小をお願いする。お代は1,000円也。

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浅草の並木藪よりは多いが、それでも食事としては足らない位の量。けれども、噛みしめる度にきゅっきゅっと鳴くかのようなコシの強さは出色で、大変新鮮に感じられた。山葵の香気も相俟って満足度の高い一枚だった。

【田舎家】長野・松本 ★★+

美ヶ原温泉入口に店を構えているからか、昼前時分だからか、開店直後から客がひっきりなしに入ってきて程無く満席に。頼んだ「山清」の燗の具合や付け出しの「蕎麦さし」の歯触りも良く、蕎麦にも期待が高まったが、随分と蕎麦がちぎれてしまっているし、つるりとしたのど越しも感じられずじまい。開田高原の蕎麦粉のみ使用とのことだったが、そのこだわりを感じることが出来なかったのは残念。ただ、お値段は手頃だったので、その点は救われた。Cimg2043

【ものぐさ】長野・松本 ★★+

季節の天然きのこを使った蕎麦を食べたいと思って探したところ、こちらの女将さんがやっているブログに行き当たり「山からきのこを採ってきました」との情報があったので足を運んだ。果たして天然きのこそばにありつくことができた。お値段1,200円。Cimg2044

きのこの種類は判らなかったが、明らかに市販されているものとは香りが違った。全体にあっさりとした風味だが、その輪郭ははっきりしている。森に足を踏み入れたときに感じる、爽快な木肌の匂いが厭味なく口に広がるのが面白い。何というか、樽酒を飲んだ時に感じる清々しさに通ずるものがあって、なかなか貴重な体験ができた。

2008年10月10日 (金)

松本市中散策記(1)

【萬来】長野・松本 ★★★

青木峠を越えて松本に入ったのはまだ夕暮れ前だったが、早くも店を開けていたこちらの前を通ると、何とも言えない香ばしいニンニクの香りが漂ってきて、これに敏感に腹が反応してしまい、やむなくその軍門に下ることとなった。

ごく普通の居酒屋であるが、信州名物がいろいろ揃っていて旅の者にはありがたい。香ばしさの正体である山賊焼き(鶏揚げる→とりあげる→山賊との由。なるほど。)、馬刺盛り合わせ、天然舞茸てんぷらと山の幸を中心にお願いする。

出色は馬刺。バラ肉・霜降り・タテガミのいずれもがねっとりと絡みつく舌ざわりで官能的。これらをミックスしてタルタルステーキを作ったらさぞ旨いものが出来上がるだろうと思われた。Cimg2012

合いの手は地元大雪渓のにごり酒。まったりとした風合いが官能度をさらに高めてくれ、ひとりでに陶然となる。Cimg2015

駅から至近、早い時間から営業しているようなので、帰京前に松本の名残を惜しんで一杯、なんて使い方がぴたりと来るのではあるまいか。なお、気分ではなかったので頼まなかったが、冷蔵ケースには旨そうな魚も揃っていたので、そちらも楽しめることだろう。

【オールドロック】長野・松本 ★★★+

当てにしていたバー「サイドカー」が改装のために開いていなかったので、萬来から宿への帰りがけに見つけたこちらのパブで寝酒を呷る。

何といっても店構えがいい。看板周りに植栽をしてコージー感を出しているパブをロンドンで何度か見かけたことがあるが、それとまったく遜色のない風情を醸し出していて、既に呑む前から気分が良かった。Cimg2019

店内に入っても隙がない。パブの雰囲気を完全に再現している。黒板に書かれた字体しかり、鈍く光る床板しかり、調度品の統一感しかりである。

もちろんメニューも行き届いている。基本メニューのフィッシュ&チップスがフライタイプとフリッタータイプの2種類用意されている、というところで察していただきたい。燻製類も充実していたし、ローストビーフも捨てがたかったが、いささか腹がくちかったので、信州サーモンのマリネで抑えておいた。これが予想以上に旨い。サーモンにありがちな脂のいがらっぽさがまるで無く、身は清冽至極。邪魔にならない程度に抑えたマリネの酸味も程がよく、思わず顔がほころぶ。

ただ唯一惜しむらくは、ビールの泡に厚みが欠けた点。7:3程度が泡のコクも楽しめてちょうど良い配分だと思っているが、その夜飲んだキルケニーもバスも9:1と泡の存在感がなく、なめらかに滑り込んでいく泡の感触が味わえなかった。サーブする人によるだろうし、言えば泡を多めにしてもらえるだろうから、致命的とは言えないが。

いずれにしても、松本の文化の成熟度を体感させてくれる大変良い酒場だと思う。

2008年10月 5日 (日)

上田棚田収穫記(3)

【ルヴァン】長野・上田 ★★★★

2年前に上田を訪れた際に感銘を受けた店。以降、家人は旨いパン屋巡りに目覚め、自分もそのご相伴にあずかって様々なパンを食べてきたが、個人的にはこちらのパンに止めを刺すと思う。周りのかっちりとした皮の噛みしめ具合と中のもっちりとした風合いのコントラストが抜群で、これに馨しき小麦の香りが加わるのだから、買った傍から唾があふれてしまう。今回は朝一で焼きたてを手に入れたものだから、余計にそれを感じた。近所にあればなぁと思う店の筆頭候補。Cimg2003

【田沢温泉】

上田郊外だと別所温泉に人が流れてしまうが、鄙びた風情が好みなら断然こちらだろう。温泉に詳しくはないが、ここにある「有乳湯」は細かな気泡に包まれた後の肌のつややかさが格別で、温泉の底力を感じる。加えて温めの湯であるので、ゆったりといつまでも浸かっていられるのも好ましい。わずか200円で楽しめるのは申し訳ないくらいだ。二年前に宿泊した「たまりや旅館」が営業をやめてしまったのは残念だが、このお湯があれば今後も大丈夫だろうとの意を強くした。Cimg2006 

近くにある沢で涼んでいると自生しているクレソンを見つけた。摘み取って自宅で食したが、苦みにメリハリがあってさすがにうまい。こういう楽しみもあるから、やはりここに来てしまう。ルヴァンと田沢温泉は、自分にとって上田に旅する理由のかなりの部分を占めている。Cimg2008

2008年9月12日 (金)

土日きっぷで宇都宮餃子

先日の新潟競馬場遠征には「土日きっぷ」を使った。土日の二日間、JR東日本の大半の路線に乗り放題であるのに日曜日だけしか使わないのはもったいないと、思い立って土曜日の夕方から新幹線に乗って宇都宮へ餃子を食べに出掛けた。ちょっと馬鹿げているが、その馬鹿さ加減が心地良かった。

駅のコンコースに降り立つとひんやりとした空気が感じられて北の地へ来たことが肌で感じられたし、駅前近くを流れる川の上ではコウモリが乱舞している姿に驚いたりと正味5時間の小旅行でも旅情を感じる瞬間が結構あって、思った以上に楽しめた。

【正嗣】栃木・宇都宮 ★★★

路地裏の名店といった風の店。行列でかなり待ったが、客捌きが柔らかく練れているのでイライラすることはなかった。家人と二人で焼餃子2人前、水餃子1人前を注文。Cimg1922

焼き目はパリっというよりザクっとしていて、クラッカーのように感じる。焼くというより揚げた感じ。中の餡がフカフカしていて、これとのコントラストがこの餃子のキモだろう。惜しむらくはビールを置かないところだが、一人前210円の餃子だから、客の回転を上げなければとても商売にならない。長居をさせない極めて真っ当な選択だけに、ここはじっと我慢の子。

【みんみん】栃木・宇都宮 ★★+

正嗣と目鼻の本店は30分待ちの大行列。風情は捨てがたいが実をとって近くの長崎屋内にある支店へ。こちらは待ちゼロ。焼餃子3人前に待望のビール。正嗣のものに比べやや油がきついが、しっかり下味のついた餡がこれに拮抗してなかなかにうまい。ビールの手助けもあって楽々と平らげた。ここもやっぱり安い。Cimg1923

次はどんな組み合わせで出かけようか。松本で蕎麦とジビエ+仙台で牛たんと寿司、米沢でステーキとフルーツ+銚子でぬれせんべいとカツオ、福島で白河ラーメンと喜多方ラーメン+新潟で地酒三昧・・・土日きっぷ、なかなかに面白い。

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