ここ数日読んでいる「失敗の本質」に模して、この2週間ほど頭に巡っていた菊花賞におけるミストラルクルーズの戦術を整理し、記載しておく。後から見て稚拙だと思うかもしれないが、妄執に囚われた哀れな一口馬主の戯言だと反面教師にしていただけるならば勿怪の幸い、と割り切って公にする。
【戦略目標】
三着以内に入ることを今回の目標とする。(以降の展開を考えれば、最善は三着。)
【戦闘アナリシス】
①過去十年の菊花賞のデータから今回のレースの動向を検討したところ、スローペースの上がり勝負の可能性が極めて高いとの結論に至った。
②過去にスローとなったレースに共通で見られるのは、人気馬の脚質が差し・追い込みである点。後方馬群にいる人気馬の動きに各馬がつられることによるところが大きいと思料される。
③今回の戦闘では、メイショウサムソンが前回の対戦で差しきられたドリームパスポートの脚色を図るべく、中団~後方での競馬を行う可能性が濃厚と想定。となれば、前で競馬をする予定の三強の一角、アドマイヤメインも含めて、後方を意識した騎乗となり、ペースは落ち着くとの見解を取った。
④過去10年において、スロー(2,000M通過が2分7秒~9秒)となったレースは4回。その優勝馬が繰り出した上がり3Fの数字は平均して33.9秒。残り1,000Mまでいかに脚を溜めておくかが重要だが、その溜めた力を急速に爆発させる能力も求められる。
なお蛇足ながら、その他6回のレースは2,000M通過が2分4秒前後に集中しており、平均かスローか、いずれかのペースしか現出しないと想定されるが、いずれの場合も後述する戦術で対応可能と思料される。
⑤スローとなったレースの概要については、添付ファイルを参照願いたい。「10.xls」をダウンロード
【戦術】
①レース序盤から最内にぴったりと張り付いて4~5番手につけ、ペースメーカーと思われるアドマイヤメインの動向に最大限合わせたレース運びを実施する。この際、メイショウサムソンとドリームパスポートの差込は一切考慮しないことが肝要で、この差込を警戒していると、勝負どころで置いていかれる可能性が高い。あくまで眼前の敵をいかに交わすかの一点に集中する。
②直線入口では進路を最内に取り、コースロスを最小限に抑える。前が空かなくなるリスクはあるが、上がり3F34秒を切るかの攻防戦において、外に進路を展開する等の余計な脚を使うのは致命傷。ここまで脚がもっていたならば、ここが勝負の分かれ目であり、この方針は堅守したい。
③上記レースは先日実施された京都大章典におけるスイープトウショウのレース振りに類似すると予想されることから、鞍上の池添騎手においては、同レースを勝利した際のイメージを描きながらの騎乗を期待したい。
④以上のような戦術によって、スローのレースとなった4回の近時の菊花賞において、2001年ではエアエミネム、1999年ではナリタトップロード、1997年ではマチカネフクキタル・ダイワオウシュウ、1996年ではロイヤルタッチ・フサイチコンコルドが3着以内に入っており、今回の作戦目的を達成できる確率は50%程度(該当6頭÷4回×3着以内)と見る。
【索敵】
①上位人気を形成する三強は、各々の取ってきた戦術どおりのレースをすることが見込まれる。この大一番での大幅な戦術変更は失敗した際の非難が大きく、選択しがたいのが定石であることから、これを前提とし、その場合、中団~後方で牽制しあうメイショウサムソンとドリームパスポートは差足が届かずに終わると判断し、当馬の戦術実施上は度外視する。
②前述の通り、アドマイヤメインがペースを作り出す可能性が最も高いと見込まれることから、これを攻略目標として、その繰り出すペースに合わせてレース運びを行う。直線に入って同馬と2~3馬身以内に肉薄出来れば、作戦の成就する可能性は一気に高まると思われる。
③当馬と同様の戦術を取る馬は、伏兵馬を中心にかなりの数に上ることが予想される。仮に直線まで同様のレース運びが出来た場合、どの馬に狙いを定めておくべきかは、上位入着を狙う上で重要なファクター。今回はスローを見込んでいることから「2,000M以上のスローペースのレースで、上がり34.5秒を上回る時計を計時したことがある馬」を要注意馬として考慮しておく必要があるとした。以下に該当馬を列記したが、特にフサイチジャンクはデビュー以来道中スローの上がり勝負を得意としていたこともあり、特段の注意を要すと思われる。
*該当馬
アクシオン、アペリティフ、タガノマーシャル、
トーホウアラン、ネヴァブション、フサイチジャンク
【勝算】
①現在の同馬の充実振りは著しく、一週前追い切りでは一本目4F55秒3、二本目4F53.2をこなし、最終追い切りでも3Fベースで自己記録を更新。調教における錬度は高いレベルにある。また、道中スローの上がり勝負は前回勝利した府中2,400Mで実績があり、最低限の対応能力は備えていると考える。
②所属厩舎にとっても、久々のクラシック挑戦。また、担当厩務員が定年前最後のクラシックであり、日頃調教をつけてきた武市師も12月の独立が発表された。同馬をサポートするチームとしての求心力は、この一戦に向け、かつてなく高まっている。
③幸いにして、上記状況は一般にほとんど知られておらず、周囲から当馬をマークする風潮は見られない。奇襲を喰らわせるには最良の環境にある。また、2番枠という絶好枠を引き当て、最内でだんまりを決め込むことが出来る要素はほぼ揃った。
④騎手変更はあるが、池添騎手は先々週に騎乗し勝利した京都大賞典で、今回選択する戦術に極めて近しい形でレースを行っており、ある意味「スクーリング」は出来ている。
上記各点から見て、戦術の可否を握るベースの能力は、頭書の戦略目標を達するに充分な状況にあると思料される。淀の夕霧を切り裂いて、新たなステージへの航海に踏み出すことを切に希望する次第である。以上。
さて、どうなることやら。ちなみに予想は以下の通り。ちと矛盾しているが、願望も込めて・・・である。
◎:メイショウサムソン
次位:アドマイヤメイン、ミストラルクルーズ
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