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2017年12月22日 (金)

初冬瀬戸内鱈腹記12:鳥好・まとめ

レンタカーを岡山駅前で返却する段取りだったので、その近くのざっかけない居酒屋で旅の打ち上げと思って調べたところ、樽げんが目当ての和菓子店であるみずゑからも近くて良いと思って、足を運ぶ。

途中なかなかのパーキングタワーを見かけたあたりで、
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朝方挫いた足が腫れ上がってきたので、家人に薬局で湿布を購入してもらい、路上で貼ったうえでややびっこになり気味に店についたところ、「まだ仕込み中なんで」とのつれない返事。公約である開店時間を守れない店が良いものを提供することはかなわないだろうと、隣にある鳥好へ入ることにした。

ここは鳥を屋号にしているものの、駅前という立地から郷土料理はなんでもござれという品書きとなっていて、旅のものとしてはありがたい。しばらく瀬戸内から離れる名残りを惜しもうと、ままかりにいいだこ煮、穴きゅう酢、小いわしの天ぷら、もがいの煮付といかにもらしい魚介料理ばかりを頼んだ。

ままかりは酢の加減がよく皮もひたりと柔らかくて美味しく、
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いいだこやもがい(赤貝の親類)も小味が利いて歯ごたえもいい。
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穴きゅう酢は目下のところ名古屋の大甚が筆頭だが、それに次ぐ旨さ。
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白眉はいわし天で、小いわしだから身がふんわりとしていて、鮮度の良さもあってかえぐみも皆無で頗るおいしい。
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勢いに乗ってままかり寿司を平らげて岡山・香川との別離の宴は盛会のうちに終焉した。
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良い店で大団円を迎えられて喜ばしい限り。

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香川でうどん三昧、北木島で魚介三昧、岡山で和菓子三昧と実に旨いもの三昧の日々を過ごすことができた。何年かして、あの頃は食べられたのだな・・・と述懐することになるだろう今回の旅は、人生の夏の終わりに相応しいものになったのではないかと思っている。以下備忘までに。

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↑この「アニメ日本昔ばなし」に出てきそうなこんもり山を見ると、讃岐に来たのだなと思わされる。讃岐富士は登れるそうなので、今度は挑戦してみたい。

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↑色々と不出来が重なったままの掲出

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↑どんなニッポンなのか聞きたかった・・・@丸亀

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やはり瀬戸内の風土は性に合っているとしみじみ実感。

鳥好 駅前本店居酒屋 / 岡山駅前駅西川緑道公園駅岡山駅
夜総合点★★★☆☆ 3.5

2017年12月21日 (木)

初冬瀬戸内鱈腹記11:岡山和菓子店巡り

岡山も天下の名園「後楽園」がある位の土地柄だからか、良い和菓子にたくさん出会えて左党と甘党を兼務している自分にとってはたまらないものがあった。

【雲水】
倉敷駅から車で5分ほど、幹線からは外れた道路沿いに店を構えていて、いかにも和菓子屋らしい雰囲気を醸し出しているところに期待が高まる。
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この季節は栗ようかんが名物のようだったが、ここは上生菓子の方がいいだろうと二品購入。

こなし製と思われる霜の降りた葉をかたどった一品は、朝出来のふかふかした餡が秀逸で、その口どけは凡百のものと段違いで瞠目したし、淡いペールカラーの仕上がりが通好みでこれも好ましい。
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一方柚子薯蕷はいくぶん柚子の香りが物足りなく感じたものの、ふわもちっとした皮といい、餡の穏やかで心和むような甘みも程よく、とても美味しかった。
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【はせ川】
自分史上初となる市電の走る市街地での運転で少し緊張気味に街並みを捜索していると、立派な構えの店を発見。
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入って右手にはお茶席ができる広い座敷があり、商品の陳列も整然としていて店全体に凛とした雰囲気が漂う。ここでも上生菓子だろう・・・ということで二種類購入。

帰京した翌日に食したが、紅葉の残る初冬の柴山で焚火の煙が上る様子をかたどったきんとんは、見た目の地味さに反してパンチのある甘みで、個人的には甘すぎると感じたほど。これは濃茶で頂くものだったのかもしれない。
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一方、菊の練り切りはほっくりとした餡にしみじみとした甘みが寄り添う感じに仕上がっていて、ほうじ茶とともに味わって初冬の風情を楽しんだ。
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干菓子や焼菓子など商品も豊富であれこれ食べたい方には向いている店だと感じた。

【笹屋友宗】
ビルの一階の何軒か商店が並ぶ一角にあり、ごく地味な素っ気ない店構えが逆に自信を伺わせる雰囲気。

こちらは羊羹「黒椿」が有名だということでこれを目当てに伺ったところ「今日は売り切れでして・・・最近は国産のいい竹皮が手に入らなくて作る量が減ってるんです」と申し訳なさそうに女将さんと思しき方からお詫びが。

こちらとしては逆に竹皮にまでこだわって作っているなら、どの品も間違いないだろうとこれを質の証左と捉え、これも銘品の誉れ高い「月香」と銀杏餅を購入。

帰りの空港バスを待つ間に道明寺で作られた銀杏餅をぱくつくと、あくまでふわふわとした淡い餅の食感と絹の如きなめらかな餡が出色で、銀杏のミネラル感ある味わいが後になって全体を引き締めにかかるので、口がさっぱりとする。茶道中興の祖、利休の孫の宗旦の命日前後の時期だけ作られるという希少性もあって記憶に残る一菓だった。
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「月香」はその名の通り幽き柚子の香が、脆美な糖玻璃の中から楚々と漂い刹那に消える。中の柚子羹の絶妙な霧消ぶりといい、一片食べる度にいわくいいがたい切なさに満たされ、これが侘びの正体なのかなとも感じた。
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菓子の銘の凝った感じも嫌みがなく、茶味溢れる尚雅の店に出会えて大変良い経験をした。次こそは黒椿をいただいて、寂びの片鱗も垣間見たいと思う。

【みづゑ】
岡山駅前でレンタカーを返却してから歩いて3分ほどのみずゑさんへ。周囲は駅前の飲み屋街で夜の帳が下り始めて活況を呈してきたところだったが、こちらだけはひっそりと店を開けられていて、実に好対照だった。

中に入ると正面に焼菓子類があり、目当ての朝生菓子と上生菓子は左側のショーケースの上にある小ぶりな飾り棚に鎮座していた。(笹屋友宗もこのスタイルだった。)こちらは茶席で供される菓子が得意とのことだったので、外郎の山茶花と季節の山の様子をかたどった練り切りを買って帰る。

いずれも姿形が優美で、やや小ぶりなところが愛らしい。外郎は固すぎず柔らかすぎずもっちり感を失わずに保たれていて、中の餡のふかっとした風合いとのコントラストがいい。
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また「季節の移ろい」との銘だったと記憶する練り切りは、緑から黄・赤、そして白へとまさに初冬の山の移ろいを表現していて趣深い。丁寧に入れた濃いめの緑茶によく合って美味しかった。
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思いの外、充実した岡山県下の和菓子屋の布陣で甚く満足させられた。今度は今回泣く泣く断念した庶民的なおまんやさん風の「太栄」や倉敷名物藤戸まんじゅうも合わせて巡って、さらに岡山の和菓子の懐深さを味わいたいと思い至った。

雲水和菓子 / 球場前駅倉敷市駅倉敷駅)  
昼総合点★★★☆☆ 3.5

御菓子司 はせ川和菓子 / 門田屋敷駅中納言駅小橋駅)  
昼総合点★★★☆☆ 3.4

御菓子司 笹屋友宗和菓子 / 県庁通り駅城下駅郵便局前駅)  
昼総合点★★★★ 4.0

みづゑ和菓子 / 西川緑道公園駅岡山駅前駅岡山駅
昼総合点★★★☆☆ 3.5

2017年12月20日 (水)

初冬瀬戸内鱈腹記10:宝福寺・かしお温泉

【宝福寺】
目指す宝福寺は雪舟が少年時代に修業した場所として名高く、あの涙で鼠を描いたという逸話の舞台でもあり、それに題をとった像があちこちにあってその七変化ぶりが楽しめるという。また紅葉でも有名な寺なので、先般国宝展で雪舟の作品を浴びたものとしては是非にもと思い、のんびりした里山の風景をひた走る。
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途中足守藩跡の街並が突如現れ、しかも「緒方洪庵生誕の地」との碑もちらりと見えて後ろ髪引かれたが、時間の都合で通過。しかし、江戸末期には山田方谷もその名を轟かせるなど備中は碩学の徒を輩出した土地なのだと知ることができた。(近現代の岡山県というと内田百閒に岩井志麻子、末井昭となかなかのカオスぶりなのだが・・・)

寺は平日だったのでかなり人の数が少なくて静かに紅葉の美を楽しむことができた。

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肝心の雪舟と鼠は隈なく探したつもりが2つしか見つからず、
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「備中のネズミーランド」と呼ばれるには力不足では・・・と思って帰りかけたところ、入口にひときわ大きい像を見つけ、謎の安堵感に包まれた。
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紅葉と青もみじの頃は見所があって、訪れるのには良いところだと感じた。
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【かしお温泉】
宝福寺の後にはこれも紅葉の名所である近くの豪渓にも行こうかと思っていたが、時間が押して断念。方谷の足跡をたどる旅に取っておこうと踏ん切りをつけて、ひとっ風呂浴びに山道を登ったり下ったりしているうちに「かしお温泉」に到着。
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日の沈むのが早い冬の午後、すっかり西日に照らされるようになった里山の風景の一角にあり、民家のような玄関を開けると受付があって、廊下を少し行くと浴槽があり、その奥にちょっとした宴会ができそうな広間がある。
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いかにも地元密着の日帰り温泉という風情がいい。浴槽もこじんまりとしていて三人入ると窮屈な感じ。お湯は聞いていた通り、にゅるっとしていて肌へのあたりが柔らかで心地よく、やや温めでとろとろと浸かっていられるタイプで満喫した。
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全体に静かで落ち着いた雰囲気だったし、湯で身体を緩め、ゆっくりと心を鎮めるにはいい温泉だと感じた。
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2017年12月19日 (火)

初冬瀬戸内鱈腹記9:出北木島・農マル園芸吉備路

四日目。最終日の今日は島を出て岡山県内を少し巡って帰京となる。

前日午後には旅を大いに盛り上げてくれた山彦先輩が一人船に乗って広島へと戻っていったので、今日は我々夫婦のみ。
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↑島を去る山彦先輩を載せた船。また逢う日まで!

朝、海岸へ出かけて名残りの海を眺めてのち、
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(↑謎の轍。蛇でも通ったのか・・・)

見送りに来てくれた天野屋のご主人に別れを告げて(最後にベラ以外に寒ボラと真鯛がたまらないと聞いて、次回は厳寒の時期の訪問を決意)一路船で笠岡へ向かう。

島々は紅葉の時を迎えていて、海景とともにこれを愛でるというのはなかなかない珍しい風景で目を引いた。
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笠岡の各島とも観光資源の開発に余念がないようだが、紅葉する落葉樹をたくさん植えて遊覧船から眺めるという舟遊びは風趣があって良いのでは・・・ときらきらと眩い波光を心地よく受けながら思ったりした。
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同乗した柴犬は病院に向かうそうだが、海が怖くてならず船中ではずっと二本足で立ちあがっているそうだ。
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疲れるのだろうか、笠岡港の桟橋に上陸した際にはやや足元がふらついていて、愛らしくもあり哀れにも見えた。

笠岡で電車の乗り換えまで時間があったので近くの喫茶店に寄ると、中川家の礼二がモノマネしているのかと思うほど、野卑な笑いと大音声を響かせる巨体のおばちゃん連中が占拠していて少しため息が出たが、程なく退去し紫煙の臭いが充満した静かな空間となり安堵する。
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それも束の間、家人が頼んだレモンスカッシュの材料が足りないようで、マスターがどこかへ買い物に出かけてしまい、じきに電車の発車時刻が迫って落ち着かない。ようやく到着したのを味わう暇もなく飲み干して、
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笠岡駅からカブトガニの剥製に見送られて倉敷へ向かう。
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ここでレンタカーを借りていったん南下し「雲水」で和菓子を調達し(詳細は別記事)

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その後進路を北に向けて吉備市にある「農まる園芸吉備路」でとれたて野菜を中心とした総菜のバイキングで昼食をとる。なにしろ3日魚食いに淫していたので、ここでは肉と野菜の補給に終始する。
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↑ビニールハウスに手を入れただけの簡素な席でいただく

総菜は量り売りでこれだけのおかずとご飯で600円程度とずいぶん安い。産直市を併設しているから野菜の鮮度は申し分なく、味付けもこの手の業態としては丁寧で美味しくいただけた。

その後、園内をぐるり回る。時期柄、大シクラメン祭りが展開していてなかなかの壮観。
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↑その他の鉢植えや園芸用品も充実。

農産物の売り場にはさすが西の果物王国と称されるだけあって、とりどりのフルーツがあって目移りする。
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↑かぼちゃも色々あって面白い

ここでは家人がシャインマスカットを買って帰ったが、申し分なく爽やかな甘みを湛えていて美味しかった。
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↑ついでに買った豆もちもよい出来だった

都会ではなかなか体験できないタイプの店なので十分満喫して、次の目的地である宝福寺へ向かう。
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農マル園芸 吉備路農園郷土料理(その他) / 東総社駅総社駅清音駅
昼総合点★★★☆☆ 3.3

2017年12月18日 (月)

初冬瀬戸内鱈腹記8:天野屋旅館

前回宿泊してあまりの魚の旨さに瞠目した天野屋旅館さんに今回もお世話になった。そして今回も「えっ!」と驚くようなめくるめく魚体験をさせてもらった。

初日の夕食の膳は以下の通り。まずは太刀魚とチヌの刺身。太刀魚の皮身の旨さとチヌのむっちりした触感と清く澄みきった味わいに早速驚かされる。
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お目当てのワタリガニは身の詰まり具合がいままで食べたものとは雲泥の差で、茹でではなく蒸してあるから味わいも濃密だし、細やかなほぐれ具合と甘みの余韻も秀逸。確かに北の蟹の旨さにも負けないものがあった。
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氷水で仮死状態にして供された小エビの活造りは、弾む身の食感が楽しく、たまり醤油の甘みと身の旨味が反響しあって、思った以上にコク深い。
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↑ガザエビとアカエビだったような・・・とにかく美味

脇を固めるミミイカの煮付、
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メバルの南蛮漬け、
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ガンゾウビラメのから揚げ、
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マゴチと舌ビラメの煮付、
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そのいずれも適切な調味と素材の良さが相まって甲乙つけがたく旨い。

これまた名物の蛸の丸揚げはエビのから揚げを従えて登場。
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むちむちと心地よく噛み切れる蛸からは「いいエサ食べてたんだろうなぁ」と思わせる滋味深い味わいが口いっぱいに広がり、その香ばしさたるや無双とも言えるエビのから揚げとともに、ビールが身体に沁みこむのを大いに手伝ってくれた。

翌日は翌日でぶりっとした歯応えがたまらないだるまイカの煮付や
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舐って食べると止まらない蒸し蝦蛄と小エビ、
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島レモンで品の良い香り漂う鯛の酒蒸し、
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ほろほろと淡い身が尊い太刀魚とカレイのから揚げ、
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細やかな脂乗りがしみじみ美味しい鯛の刺身
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と御馳走が続き、真打は朝自分たちで釣り上げたベラの塩焼き。
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初体験ゆえ恐る恐る箸をつけてみると・・・しっかりした身から仄かな脂と旨味が舌に漂い、鯛の身にまったく遜色ないおいしさで、一心不乱に貪ってしまった。

宿のご主人によると、この辺りは底が砂地だから泥臭くなく、エサも小エビなどが中心だから身も美味しくなるのだそう。「昔佐渡でベラ釣って食べたら、あまりに磯臭くてぱさぱさしてて食べられませんでしたわ。だから関東の人が外道として捨ててしまうのもよくわかります。でも、こっちではぜひ食べてほしいですね、特に冬場は。」とのこと。これには完全に賛成する。

朝も小鯛の焼き浸しや夕飯の時にそれとなく「前回来た時あまてがれいの刺身を食べさしてもらって美味しかった」ことをお伝えしたら、急遽煮付にして出してくれたりして、
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とにかく魚食いの我々三名にとっては目もくらむような素晴らしい素材の御馳走続きで、今回も大満足した。

最終日、部屋に差し込む朝日に釣られて目の前の砂浜まで出てみると美しい朝日を臨むことができた。
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美味しい魚を鱈腹食べて、静かな時を過ごすことができ、大いに充電することができた。

唯一、これは宿というより島への要望となるが、何か所か自転車を備え付けてもらえれば助かるなと感じた。それがあれば北の集落に行って昼食をとることもできるし、釣り場を色々巡ることもできる。都会の放置自転車を譲り受けるなどすればコストもかからないだろうから、是非とも整備をお願いしたい。ともあれ、大変お世話になりました。
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↑朝日に輝く宿の全景。前回の滞在はこちらをご参照。

2017年12月17日 (日)

初冬瀬戸内鱈腹記7:北木島での釣り

宿が大浦港に面しているので、宿泊中は朝夕そこにある防波堤に出かけていってのんびりちょい投げを楽しんだ。隣が砂浜になっているくらいだから、底はほとんど砂地で根がかりも少なく、また釣り人も皆無で気楽に楽しむには持って来いの場所だ。
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↑景色がまたいいので見ていて飽きない

初日の夕方、カレイも釣れたらな・・・・と二本バリの下に長めのイソメをつけて投げたら、一投目から明確なあたりが。軽く合わせてあげてみると、その下バリに15㎝ほどの小鯛がかかっていた。
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さすがに小さかったのでこれは逃がしてやると、突端の灯台下から船道に投げていた妻にもあたりが。今度は小鯛と20㎝超の立派なシロギスの一荷。
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夕闇迫る中、俄然盛り上がる三人だったが、ここからは微細なアタリがあるにもかかわらず釣れず。どうやらカワハギの猛攻にあっていたらしい。その後もう一枚小鯛を上げたところで、対岸のコンビナートの灯が暗闇に浮かび上がってきたので納竿。
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山彦先輩はボウズの不名誉で、神話通りに海彦兄さんの元へ相談にいかんばかりにしゅんとしていた。

翌朝、私は眠くて起きられず、家人と山彦先輩で出かけるも、強風と手返しの悪さが祟ってともにボウズ。海に仕掛けを5つ奉納してきただけとなる。その様子を宿のご主人が見かけていたようで、「うちの親父が晩のおかず釣りに行くといってるので、一緒に船に乗っていきますか?」と願ってもないような申し出をくださったので、三人いそいそと支度をして「天野屋丸」に乗り込み、冬の荒れた海へ繰り出す。
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当初、鯛のサビキ釣りを企図していたが、風はあり波も高く、当方の腕弱しと大旦那さんが見て取って、風の少ない沖の小島近辺でのちょい投げに変更。
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↑大悟の実家の沖合300Mほどのところ

それでも狙いのシロギスは釣れず、もう少し岩場に近づいてみるとベラがぽつぽつ。外道と思って何匹か釣れては逃がしていたところ「この辺のベラは美味しいから逃がしたら勿体ないよ。昔は病人に食べさせよったくらいだから。」と大旦那さんに教えてもらい、本腰を入れてベラを狙ったら20㎝を優に超える青ベラがかかる。これくらいになるとかなり釣り味もよく、引きも楽しめた。(確かにベラは旨かった。その様子はこちら
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連日ボウズの山彦先輩はというと慣れない船上に長竿を持ち込んでしまいこれに手こずり、さらにはリールをクラッシュさせててんてこ舞い。
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↑舳を優に超える竿に苦戦中の山彦先輩(FILA)とカワハギを挙げることに執念を燃やす家人(穴釣スタイル)

しかし、あきらめずに糸を垂らし続けたところ、この日一番の大物は先輩が長竿をしならせて釣り上げた青ベラで、ここ二日のボウズの汚名を晴らして満足げな表情。家人も難渋極めたカワハギの細かなアタリに適応してついには釣り上げて得意げな表情。
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宿のご厚意によって実質仕立て船というなんとも贅沢な船釣りを三名ともども満喫した。
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最終日の夕方は再度堤防で釣るも釣果なく、夕暮れに見蕩れる。
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帰り際にダメ元と思って堤防内の船溜まりでメバリングに挑戦してみる。すると家人、一投目で「なんか来た!」と上げてみると、チビカサゴが釣れた。
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ただあまりに暗く、弱々しい懐中電灯しかなかったので続行は断念。

幸い我々以外の釣り人がいなかったので場所の競り合いもなく、美しい景色を眺めながらのんびりぽつぽつと釣れたので、極上の暇つぶしとなった。

2017年12月16日 (土)

初冬瀬戸内鱈腹記6:宇多津からフェリーで北木島へ

土曜日だけは香川県側から岡山県側へフェリーで渡れるという記事を目にして、ならば目指す北木島まで船で渡ろうと坂出でレンタカーを返却し宇多津まで電車に乗って、そこからはフェリーターミナルまで腹ごなしに歩いてみた。

駅には蒸気機関車の給水塔と思われるレンガ造りの旧跡があって、なかなか浪漫を感じさせる。
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駅前から続く大通りには人っ子一人歩いておらず少し不安になる。
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宇多津は戦災を逃れたらしく、しばらく行くと古びた木造の建物がどんどん出てきて、往時は輝いていただろう喫茶店の廃墟じみたショウケースを見つけたころには、なにやら異世界へ紛れ込んでしまったかのようにも思われた。
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なに、こちらには山彦という神様がついているのだから、と意に介さずズンズン行くと港が見えてきて、そこにポップな絵が大きく書かれたフェリーが停泊していて一安心。
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船はひとまず佐柳島まで行き、そこから真鍋島までをつなぐ船が土曜だけ走り、さらに笠岡への定期船に乗って北木島へと向かうおよそ2時間ほどの船旅。
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↑航跡が船内ディスプレイで確認できる最新鋭船だった

曇天ながら波光煌く瀬戸内海は静謐な美しさがあって心が鎮まる。
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しかし、佐柳島での連絡船との乗り継ぎは時刻表上同時刻となっていて、果たして無事乗り継げるのかと幾らか不安になって、到着時には船から身を乗り出してその姿を確認してしまう。
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↑あれだ!

わざわざ四国から本州まで船で渡ろうとする酔狂な人は稀有なようで、真鍋島への連絡船は我々三名のみの乗船。
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10分ほどで真鍋島に到着して、定期船が来るまでしばし港で待機する。この島は今は猫の島として有名で、船着き場に大勢観光客がいてそれを目当てに猫も集っていた。
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しかしそこまで人懐っこい訳ではなく、触れ合うことはできなかったが、それらしい雰囲気の写真を撮ることができて思わぬ拾い物。
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心もほぐれたところで日も傾き柔らかな日差しがたまっていた北木島大浦港に到着したのは16時前。以前と変わらず、連絡船が去っていくと物音一つしない静かなままの島の様子が保たれていて、旅のものとしてはほっとする。

一方、家人と山彦先輩は上陸早々釣り人魂に火がついて、港周辺の岸壁沿いを歩いて魚影をくまなく探す。その眼光だけは一端の漁師のようであった。お世話になる天野屋さんも何も変わらぬままあってホッとして荷解きをし、防波堤へ急ぐ。
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2017年12月12日 (火)

初冬瀬戸内鱈腹記2:仏生山温泉・高松シンボルタワー

腹もうどんで満たされて落ち着いたのでうどん巡礼はまた明日にして、前回入ってなかなか良かった仏生山温泉へ向かう。

当初山彦先輩は「俺は入らずに待っていようかな」と言っていたが、いざ入ってみると「いつもシャワーで済ませてるから、湯船に浸かるの気持ちいいわー」と甚くご満悦の様子。結局、我々夫婦が美しい休憩所でお待ちすることになり、やがて頬を上気させて福々しい恵比須顔でご登場。お誘いした甲斐があったと実感した良い表情だった。

それもそのはずで、美しい設えもさることながら、
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つるすべ感極上の湯質はなかなかないものだし、その上季節は晩秋で露天の中庭にあるもみじは見事に紅葉して、柔らかい日差しに照らされ殊の外美しい。
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どこか山間の温泉宿にでもいるように錯覚させる仕掛けになっていて、風呂に入る気分もより伸びやかになるというもの。先輩の仏生山の記憶を塗り替えることができて一安心。

その後、そろそろ夕日が沈む時間に差し掛かったので、以前行った庵治の喫茶店に行き、瀬戸内海に沈む夕日を見ようかと思っていたところ、山彦先輩「さっき遅刻して高松駅をうろうろしてたら、港沿いにすごい高いタワーがあって、そこからの眺めが良さそうだったよ」と珍道中のさなか拾ったネタを開陳されたので、元手のかかった千金の提案に我々夫妻ともに首肯して高松駅へ急ぐ。

知らなかったが、いつの間にか「高松シンボルタワー」という立派なタワーが聳えていて確かにかなり高そうだ。エレベーターホールに「展望台」と書かれていたので上ってみると、「おおー」と三人がどよめく景色が展開。
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しかもレストラン営業前はそちらにも入れるということで、クイーンアリス内にも入って高松市街と瀬戸内海を望む。
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この建物が唯一といっていい高層なので見晴らしは抜群で、胸のすく思いがする。じきに夕暮れとなり、美しい茜色を三人でただだんまりとして眺めた。
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日の出や日の入りは日常にあっては忘却の彼方にあるけれど、旅に来るとこの忙しないい時間帯を自分の思う様に使っているのだと実感したくて、どういうものかずっと見ていたくなる。その意味で大変旅情あふれる登楼だった。山彦先輩のウロウロも捨てたものではなかった。

2017年12月11日 (月)

初冬瀬戸内鱈腹記1:もり家・小縣家

一昨年の春に北木島に行った際、宿のご主人に「冬のワタリガニもいいですよ」と言われたことが頭に残っていたし、またしばらく讃岐うどん巡礼にも出ていなかったので、両所を巡る旅に出ることにした。

前回北木島にご一緒した、宮崎出身現在は広島に単身赴任中であるハクション大魔王似の山彦先輩(仮称)をお誘いしたところ「是非にも」とのことだったので、高松空港で落ち合うことにして機上の人となった。

冬晴れで窓からは薄桃色に輝く相模湾が見え、その後冠雪した富士山火口直上を通過すると、

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(↑写真はネットから引用)
先日訪れたばかりの京都の町の碁盤の目が眼下に見えてじきに高松空港へ着陸。

到着口を出たところでで山彦先輩から数通メールが届いていることに気づく。案の定、バスに乗り遅れて遅延しているとのメールが。そこで我々夫妻だけで「もりや」へ行き、山彦先輩には高松築港駅から琴電に乗って仏生山駅に来てもらいそこで落ち合うことにした。

この調整でやや出遅れ、借りたデイズルークス
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↑もはや軽ではない車内の広さで驚く
を急がせてもりやに到着したのは12時10分前。それでも10人待ちほどで済んで、NHKの昼のニュースを見ながら待望の第一食となる。
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時間がよいのでもち肌のうまい麺にありつけたが、以前より麺の鋭敏さや剛毅さは影を潜めているように感じた。それでも東京の讃岐うどんとは雲泥の差で、早々に平らげて未知の地で心細く我々を待つ山彦先輩を拾いに仏生山駅へ急ぐ。

駅前のロータリーに平日の昼、しかも内陸の駅にも関わらず、パンパンのリュックを背負い、竿を肩にかけた釣り人スタイルで独り所在なさげに佇む山彦先輩を発見。その姿を見て哀れさを伴った可笑しみがこみ上げ、早々に車内に招じ入れ珍道中の顛末を聞きながら西に針路を向ける。

目的地は往年満濃トライアングルと呼ばれた一角にある「長田」。しかし13時半ごろ到着してみると「売り切れ」との看板が建てられて店は閉じられていた・・・「すまん!」と山彦先輩。しからば、とはす向かいにある「小縣家」へ行くことに。
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うどん巡礼がブームになり始めたころには2-3軒支店があったと思うが、今はここだけになったようだ。まずまず客が入っていて一安心。長田では冷やしうどんを食べようと思っていたので、それに似たざるうどんを頼む。
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麺はまだギリギリの時間だったから少しくたった程度で済んだのだが、つけ出汁がどういう訳かほとんど出汁の旨味が感じられないほど薄く、胡麻を擦って風味を添えてなんとか啜り込む。

家人は苦戦しながら大根をおろしてしょうゆうどんを頬張り笑顔を見せ、山彦先輩は「いりこ出汁がうまい、うまい」と神話さながら海へいりこを取りに行かんばかりにかけうどんを啜ってこちらも満足げな表情。注文を誤った責めは自らにあるが、長田で食べたかった…というのが正直なところ。

本格手打 もり家うどん / 高松市その他)  
昼総合点★★★☆☆ 3.5

元祖しょうゆうどん 小縣家うどん / 羽間駅榎井駅塩入駅
昼総合点★★★☆☆ 3.3

2015年5月21日 (木)

蒼翠東下旅12:雑感・参考図書・写真拾遺集

かなりの移動距離になったが、念願の瀬戸内海の島旅も出来たし、先々計画している京都での長期滞在の下地も出来たし概ね満足できた旅だった。二年前もこの季節に長旅をしたが、空いているし気候はいいし絶好の旅時だと改めて思わされた。

以下参考となった本を。

京都ゲストハウス案内:以前おまんやさんめぐりの本でお世話になったアリカ編集によるもので、写真中心の見やすいレイアウトで宿の雰囲気を知るのに参考になった。また必ずオーナーの写真とインタビューが掲載されているので、その個性が反映されやすいゲストハウスを利用する上ではとても役に立った。

大阪食堂:井川建具を知るに及んだjapanese modern style in  kyotoの作者角田多佳子による大阪の旨いモノ屋ガイド。府外者からは粉もの一色にしか見えない大阪の食の土壌の豊かさを知る上では大いに参考になった。

京都・大阪・神戸の喫茶店:喫茶店文化が根付く京阪神の名店が綺羅星のごとく掲載されていて目移りした。思い込みが強すぎない作者の丁寧な説明に好感を覚えた。

最後に写真の拾遺集。
北木島のみみたこ
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宿の大旦那さんのご厚意に甘えて船から見た島の海
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桂離宮の敷石
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朝の膏薬辻子
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永観堂の曲り階段

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喧騒とは隔絶された善光寺近隣の宿坊街
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蒼翠の美しさ
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