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2020年1月10日 (金)

10年代を振り返る1:食と旅

10年前に00年代を振り返る記事を作成したので、今度も10年代を回顧して記憶にとどめる内容を記載しておこうと思う。

【食事編】
齢も齢なので鮮烈な印象を残す店や一皿は少なくなった。特に東京においてはその傾向が顕著のようで、記憶に残る店の数々は旅に出た際に出会ったものが太宗だった。

●おかや・・・改めて甘鯛に開眼した店。
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●ジンギスカンきっ川・・・10年前だが、もうこの頃のような食欲は戻らないだろうと懐かしい気持ちに
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●一升びん・・・平日の昼、捌きたてのホルモンの旨さは比類絶無。
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●大甚・・・東日本大震災で名古屋に逃れた時に、ここで飲んでようやく胸のつかえが下りてその晩はよく眠れた。個人的には一番好きな居酒屋
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●民宿みずうみ・・・訪れた翌々年には営業を止めてしまわれた。天然鴨の妖艶な身は忘れがたい。
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●キッチンウィル・・・外見と中身のギャップに嬉しい驚き
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●添記焼臘と上海緑楊邨酒家・・・少ない情報を手繰り寄せて辿り着いた充足感
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●惣門・・・季節ごとに行くことを決めている。残すは春と冬。
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●仁平寿司・・・威風堂々の店構えに魚の真味と接遇の妙を兼ね備える。
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また、店は特に挙げないが、この10年では和菓子と純喫茶の店に行く機会が大幅に増えた。消えゆくものへの判官贔屓がその根底にある。

【旅編】
●18きっぷの旅・・・弾丸ワンテーマ旅を安価に。
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●大阪・神戸弾丸・・・18きっぷにはまるきっかけは新幹線開業50周年を記念した往復5,000円切符を活用したこの旅から。
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●北木島・・・2度訪問。のんびりゆったりして、鱈腹旨い魚を食べる幸福。
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●香港2017・・・はじめての長期滞在で世界が拡がった。
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●江南・・・日本文化のオリジンに触れる。
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●明礬温泉・・・二度訪問。泊った豊前屋の湯は白濁硫黄なのにPH中性で身体に優しく、宿の雰囲気も馴染む。
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2019年12月 5日 (木)

舌尖上的中国

もっぱら見るのはBSというシニア寄りのテレビライフを送っているが、そんな中で最も楽しみにしているのはBS12で放映されている「舌尖上的中国」という中国各地の食を人々の生活に密着しながらとらえるドキュメンタリー番組だ。

そもそもは正月に特別版として中国各地の新年を祝う料理を特集していたのだが、美麗な映像と臨場感あふれる音声、集う人々の笑顔ととりどりのご馳走がどれも魅力的で、食い入るように見た後に「こういう地に足ついた中国料理を食べたいものだな・・・」と嘆息すら洩れた。

この番組のいいところは料理に仕上がるまでの人々の営みを丁寧に拾っているところだ。魚であればどんな漁で獲れたのか、米であれば数多の農作業を経ている様子を長期に渡って密着し、子を思う母がどんな思いで料理を作り、特級調理人はどのような包丁捌きで皿の上に画を描くのか・・・そういうサイドストーリーが豊富だからメインの料理が殊更ご馳走に見える。また伝統的な手法で素材を育て、仕込み、調理する姿を追うことが多く、まだ中国には多くの手仕事が残っていて、その技術レベルが極めて高いことがありありと判る。

印象に残っているのは豆腐に白カビを生やして発酵させて食べる毛豆腐、それから毎日店を閉める前に店中を隈なく掃除する杭州の片儿川の店「菊英麺館」、塩井から塩を精製する際にがり成分を除去するために豆乳を入れて凝固させること等々枚挙にいとまがない。特に最後のエピソードは豆腐の淵源を示唆するもので、「元々はにがりと豆乳の関係は逆だったのか!」と驚かされた。

また取り上げられた飲食店で偶然にも香港の深水埗にある「劉森記」があった。中国大陸に数百万はあると思われる飲食店の中で、まさか自分が行ったことのある店が出るとは思ってもみなかったので率直に驚いた。転変著しい香港にあって古風な作り方を墨守していて、店主の誇らしげな顔が頼もしく見えた。
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↑劉森記で食べた水餃雲吞麺

先日は大学受験の為地方の巨大受験専門高校に通う母と娘、幼子を田舎の母に預けアイフォンなどを作る鴻海配下のフォックスコンでひたすら単純作業を続ける若い夫婦など、苦闘する人々に食がどう寄り添っているのかに焦点を当てていて、現代中国の世相にも通ずることが出来る内容で、大変感心させられた。

本国でも高い評価を得ているそうで、番組に出た店は大盛況となるバブルも現出したそうだ。確かに杭州の菊英麺店には大資本が入ってあちこち店舗を拡充しているようだし、「劉森記 舌尖上」と入れて検索すると、本土民らしき人たちのブログなどが大量にあって、その影響力の大きさを物語っていた。

翻って日本でこういう番組はできるだろうか・・・と思ったが、何年か前に「新日本風土記」で寿司を取り上げた時はこれに肉薄するいい内容となっていて、未だに自宅のHDDの中に残している。これを制作したオッティモには是非奮起してもらい、NHKにプレゼンの上「舌先の上の日本」を作ってもらいたいと思う次第。


2012年12月19日 (水)

江南旅遊記19:役に立ったサイト・本

役にたったサイトと本。

【中国語】
・簡体字変換
中国語のサイト検索をする上で必須のサイト。随分助けられた。
・辞書
中国語の文章でわからないところをコピペして利用。

【地図・交通】
・グーグルマップ
日本語で検索できるが、地図が古く精度は今ひとつ。
・百度地図
簡体字での入力が必要だが、地図は最新にアップデートされてる。
・中国鉄道部HP
新幹線等の時刻表・空席検索、市内切符販売所検索などで重宝。
・上海地下鉄乗換案内
路線図から所要時間と乗り継ぎを明示してくれる。
・バス路線案内(リンクは杭州)
各都市のバスの路線図が地図上に記載されるので重宝。

【レストラン・ホテル】
・大衆点評(リンクは揚州レストラン版)
中国版食べログ。レストランだけでなくホテルやマッサージなどあらゆるサービスの口コミが掲載されている。上海では裏切られたが、揚州・杭州はほぼ評価通りだったので、まずまず信憑性はあると思う。

【本】
・街道を行く 中国・江南のみち
司馬遼太郎の紀行文。この地域の歴史的背景と日本とのつながりをすんなりと頭に入れることができた。七福神の布袋がまさか実在の人物で、しかも乞食とは知らなかった。

・飽食終日宴会奇譚/中華美味紀行
満漢全席が食べたくて文学賞を狙って取ったという奇特な人、南條竹則の中華料理耽溺録。中華料理の背景や逸話が豊富。江南あたりはとにかく清の乾隆帝の逸話が多いなどの周辺知識が楽しい。満漢全席は「満州族」と「漢族」のご馳走全てという意味とは知らなかった。

【気になる部分】
・レシートの明細をくれないのはなぜか?
・いつからカップルは公然といちゃつくようになったのか?
・キンモクセイの花の塩漬けの中国名は?
・養殖と天然の桂魚の違いは?

次は黄山や蘇州なども絡めて旅をするつもり。マイルをせっせと溜め込もうと思う。
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2012年12月18日 (火)

江南旅遊記18:杭州雑感

【自然と都会の見事な調和】
600万人が住む大都市でありながら、西湖周辺の静謐さは保たれていて、街と自然を同時に楽しめる稀有な街。そのミクスチュア具合がエヴァの第3新東京市を思わせて、滞在中はどこか非現実の世界にいるような錯覚も覚えた。また、丁度紅葉の季節だったが、中国の人はあまり珍重しないようで、ゆっくりとその風情を楽しむことができた。

【裕福な街】
乞食はおらず、街を歩く人も日本と遜色ないレベルに洗練されていて、ふとした瞬間に日本に居るような気になった。走る車も最新モデルの高級車がほとんどで、まるで目黒通りを目の当たりにしている感があった。20歳そこそこの娘がミッ○ーの耳を被って、ポルシェを乱暴に運転する姿を見かけたが、妙に似合っていてこの街の今を体現しているように思われた。

【手頃で旨い正宗杭州菜】
昔は香港に出稼ぎに行っていた腕の良い厨師たちが、本土の経済成長に伴って地元に留まるようになっているという話を聞いていたが、その話はあながちウソでもないと思われた。往年の福臨門で「何を食べても旨い」ことに驚かされたものだが、杭州の「新開元」も「天香楼」もそれに近い状態だった。なにより安いというのがありがたく、しばらくは香港ではなく杭州で食の愉悦に浸ろうと思い始めている。

【タクシー】
つかまらなくて大変な思いをすると聞いていたが、12月初旬の閑散期だからか困ることはなかった。特段乗車拒否もされず、メーターを誤魔化されることもなく嫌な思いはしなかった。初乗り11元だから気軽に乗れるのもありがたい。

予想以上によい街だった。必ず再訪するつもり。
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2012年12月17日 (月)

江南旅遊記17:タクシーに置き忘れ

最終日。虹橋空港の午後便の前に上海で昼食を摂りたかったし、杭州の朝の渋滞は凄いと聞いていたので、7時過ぎにホテルをチェックアウト。ホテル前の道路で客待ちしていたタクシーに声をかけて乗ろうとしたところ、同じくホテルから大荷物で出てきた若い男が中国語で「杭州駅に行くなら一緒に乗ろう」と持ちかけてきた。「我不有零銭(小銭ないんだ)」と暗に割り勘できない旨を伝えたが「大丈夫、大丈夫!」とさっさと乗ったので、まあ駅までならたいした額にもならないしいいだろうと乗り込んだ。

車内で「日本人の方ですか?」と突然流暢な日本語で聞かれてびっくりしたところ、この人は台湾出身で今はオーストラリアに住んでいるが、以前2年ほど東京の中井に住んでいたという。それから車内では久々に日本語であれこれと会話が弾み、しばらく不得手な中国語ばかりだった反動から随分と盛り上がった。

10分ほどで駅に到着。彼も新幹線に乗るとのことで一緒に乗車口の荷物検査に着いた所で、会話帖やレンタル携帯などを入れていたトートバックがないことに気付いた。とっさのことでホテルに置き忘れたか、タクシーに置き忘れたか思い出せない。先を急ぐ彼とはここで別れ、こちらは最低限帰国に必要なパスポートや航空券は持っていることを確認。

結局、タクシーで盛り上がってしまい、座席に置いてきてしまったようだった。旅行の最終日で疲れもあったところに、ふと日本語を話せた油断でこうした事態になってしまった。海外でよく「日本語をしゃべる外国人には用心」というが、確かに気を許してしまうことを身を持って実感することになった。(もちろん台湾人の彼はまったく悪くなく、こちらの全面的な気の緩みなのだが。)

それでも大きなトラブルに見舞われなかったことを是として、帰国の途につくこととなった。

2012年12月16日 (日)

江南旅遊記16:天香楼

天香楼】★★★★
香港ではその名を知らないものはいないという天香楼。いまや台湾にも店を出すまでになったようだが、その源流は1927年創業のこちら。香港天香楼の流れをくむ杭州酒家がいまひとつだったので、本家本元でその実力を確かめようと最終日の夜に訪問。

浙江飯店の2階にあるフロアには30卓ほどテーブルがあって、19時半の訪問でほぼ埋まっていた。雰囲気はやや雑然としていて、ウエイターの殺気立った声が飛び交っていたので少し居心地の悪さを感じたものの、分厚いメニューをもらって色々と吟味しているうちにそれも気にならなくなった。

杭州名物として聞いていた「醤鴨」。こちらのものは「天香醤鴨」と店名まで背負っているのでさぞかし旨いだろうと思って注文。
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味はビーフジャーキーに近い。醤油に漬け込んで干して作るということだから、似てくるのだろう。正直美味しいとは思わなかった。

野菜物としてセロリと押し豆腐の炒めを注文。セロリはあっさりとした塩炒めになっていて、そこに甘辛く炒めた押し豆腐が乗っているという二段構え。
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油の乳化でてらてらと輝くセロリはほんのりとした苦味を感じるが、押し豆腐の甘辛風味でこれが中和されて味の奥行きに変化する。とても理にかなった一品で大変美味しい。

メインは滞在中一度は食べたいと思っていた「清蒸桂魚」。時価となっていたが、1.2斤(600g)で128元と活魚を使う割には苦もなく手が出せる価格で迷わず注文。初めて桂魚を見たが、ヒラスズキのような、アカメのような姿で周りを睥睨するように威風堂々テーブルに現れた。
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香港の清蒸は醤油を掛けまわすタイプが主流だが、こちらのものは魚体にしっかりと塩をまぶしてから蒸して、鶏ベースの上湯を掛けまわしているようだった。このあっさり仕立がむっちりとなめらかな身の具合にこの上なく合っていて、どうにも旨すぎて驚いた。

さらに清蒸の楽しみである汁かけご飯が凄い。品の良い脂の香りに山椒のアクセントが効いて、出汁の染み渡った飯の旨さが倍加する。最終日の夜にこれに出会えた僥倖にただただ感謝するばかりだった。
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これに小籠包とビール2本で260元。ひとり1700円というのは誠に安価で、香港ならば倍、東京ならば3倍は下らないだろう。ウェイターの質(中国では人手不足でウェイターが集まらないらしい)が今ひとつながら特段不自由を感じなかったから、杭州名菜を楽しむにはとても良い店だと思う。次に訪問した際には上海蟹尽くしで楽しんでみたい。(なおVISA・MASTERは使えず、銀聯カードのみのよう。)

2012年12月15日 (土)

江南旅遊記15:品潤茶楼

品潤茶楼】★★★+
水辺の美しい景色を眺めながら美味しいお茶を啜ってゆったりと時を過ごす。杭州の茶楼では是非ともそうした時間を味わいたいと思っていたので、その選択には念を入れた。できるだけ人の少ないところがいいだろうと西湖の南西を中心に探したところ、杭州に在住されている方もお勧めしていたこちらの茶楼に行き当たった。
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店は西湖には面していないが、眼前には柳のゆれる池に橋がかかり、遠くには青々とした山並みが広がっていて景色が素晴しい。

こちらは何時間居ても値段は98元で、希少種の茶葉を頼むと30元上乗せされる。折角なので飲みたかった「太平猴魁」を選んだので一人128元。新開元での昼食が二人で111元だったことを考えると高いが、そのお陰で店内は高貴な気だるさともいうべき雰囲気が漂っていて、なにやら自分が高等遊民にでもなった気がした。

太平猴魁は特徴である大きな葉がグラスの中で開き、なかなかの壮観。青味と渋味のバランスがいいが、あっさりしすぎな感もあり。
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ずらりとテーブルに並べられた食べ放題お茶請けの数々。どれも旨いので手を出すペースが早くなってしまい、さもおっくうそうに風情を出して食べる現地の方々のようにはいかなかった。
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日差しが入って暖かく、とてもいい気持ちになって2時間ほど午後のひとときを楽しんだ。中心街からは離れているが、茶楼のまったりとした風情を楽しむにはとても良い店だった。なお、クレジットカードは銀聯のみ利用可との由。

2012年12月14日 (金)

江南旅遊記14:茶叶一条街

杭州でお茶といえば龍井村や中国茶博物館への訪問が定番なのだろうが、寒いし時間もかかるので購入一本に絞って茶叶一条街へバスで向かう。ホテル近くの清波門街から最寄の浙二医院へはおよそ10分ほどで到着。
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茶叶一条街というのは通称で、正式には佑圣观路といって、解放路から南に700Mほどの通りに各種の茶葉店とお茶請けの木の実などを売る店がずらっと並んでいて、この裏にも街市のように小さな店がびっしり軒を連ねている。
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さすがに本場だけあってほとんどが龍井茶の店だが、わずかに安吉白茶や鉄観音を看板に掲げている店もあった。割合にして1割強といったところか。個人的には杭州名産の紅茶である「九曲紅梅」と白茶の「白牡丹」が欲しかったのでうろうろ周っていた所、店先で老婆が丹念に茶葉の選別をしている店があって覗いてみると、両方とも置いてあったのでここで買うことにする。

店は「大唐茶葉」といって日本語は全く通じなかったが、片言の中国語と筆談でやりとりしながら試飲して銘柄を決めていく。「九曲紅梅」は苦味が強く少し面食らったところ、「紅茶ならこっちがお勧め。いい香りだよ。」と出されたのが「妃子酔」という銘柄。(「妃子笑」と同じか?)

確かにフルーツを思わせる香りと味がよく、これなら高貴な姫も酔いしれるだろうと思われる茶葉だったので、これを2両(48元)と「白牡丹」を2両(96元)購入。「白牡丹」は高いように思ったが当地での流通量が少なく、香港のものに比べて雑葉が少なく水準は高いようなので購入することにした。

この後、松の実や揚げたカシューナッツなども買い込んで、納得の買い物が出来た。

2012年12月13日 (木)

江南旅遊記13:新開元大酒店

新開元大酒店】★★★★
家人のノロが未だ癒えず、ホテルからさっとタクシーで行ける店を大衆点評で探したところ、解放路にある新開元大酒店のレストランが杭州名物も揃っていて良さそうだったので出かけた。

ホテル入口にある階段を2階に上るとそこがレストランになっていて、裕福そうな家族連れが楽しげに卓を囲んでいた。円卓が30台ほどあったが、19時でほぼ埋まっている状況で、市内に支店を数軒擁するだけあって人気店のようだ。

席には分厚いメニューがあって、写真付きなので料理のイメージが掴みやすくて助かった。メニューには刺身から海鮮・点心まで相当数のメニューがあって目移りしてしまったが、「杭幇」の項目にあった杭州名物を中心に注文。
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東坡肉は皮のゼラチンがいい具合にやわやわしていてすっと消え、くどくない甘辛さの品もよく美味。
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魚団湯はジュンサイの入ったものが有名だが、季節ではなかったので魚団だけのものに。はんぺんに近いつみれは淡い食感が火腿で丁寧にとった出汁とよく合っていて、汁を吸うたびに胃が清められるような澄み切った味わい。
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名物の龍井蝦仁は軽い塩気のうすごろもを纏って、身の持つ甘みと香りが一段と引き立つ。龍井茶の効用はあまり感じられなかったが、添えられた赤酢をわずかにたらして食べると味に一層の陰影ができて非常に美味しく、「塩梅」の語源を実感することに。
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これに青菜炒めとビール2本で171元。日本円で2300円ほどだが、東京の高級店の4分の1くらいで済んだ実感。

食後、まだ十代と思われるウェイター君が「1階で抽選会をやっているので、帰りにお連れします。」と筆談用メモに一生懸命書いてくれたのでついて行くとルーレットがあり、無心で回したら1等の優待券100元が当選!
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ウエイター君と握手して「明天我再来!」と適当な中国語を叫び、その通り翌日の昼にまたぞろ出かけた。旨いものを食べさせてくれることは前日に確認済みなので、杭州名物にこだわらず食べたいものを注文。

四季豆(いんげん)炒めはやわらかくて甘いいんげんとスパイシーな味付けのコントラストがよく非常に美味しい。
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糖醋排骨は厚めの衣の効果で最後までクリスピー感を失わず、穏やかな酸味と甘みが後を引く逸品だった。
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子鳩のローストは広東名物なので期待しなかったが、皮がパリっとしていてちゃんと脆皮になっていたし、身に染みこんだ程よい塩気と香辛料がたまらず、身を舐ってはビールを流し込んで実に愉快な気分になった。
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杭州名物の片儿川は豚肉と筍の薄切りと雪菜の漬物が入った煮込み麺。古い中華料理屋で「高菜ラーメン」というのがあって不思議に思っていたが、ルーツはここにあるのかもしれない。これはスープがこってりとしていて、太目の麺によく味が沁みていて旨い。
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以上にビール1本で驚きの111元。一人750円でこのレベルが堪能できるというのは中華料理好きの自分にとっては夢のような店だ。おまけに昨日の優待券100元を使ったので支払いは11元・・・申し訳ない気持ちになって店を出た。
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料理の質と雰囲気は香港の「香港老飯店」に近く、出汁・素材・調理の確かさを感じることができた。ホテルのサービスと空間で旨い料理を安く味わえるという、中国の旅の醍醐味を存分に味わせてくれた素晴しい店で、優待券100元の恩返しも含め、必ず再訪したいと思う。

2012年12月12日 (水)

江南旅遊記12:西湖の美

西湖は中国でも屈指の観光名所と聞いていたので、俗っぽく汚されいてがっかりするのだろうなと思っていたが、まったくそんなことはなかった。妙な電飾看板はなく、趣味の悪い土産物屋も目に入らず、無粋な注意書きの看板や水際の手すりもなく、数百年前の人々が目にしただろう景色にとっぷりと浸かることができた。

西湖の東南、「柳浪聞鶯」付近は少なくともそうした雰囲気だった。なんでも派手派手しく飾り立てる中国にあって、こうした場所は稀有ではないか。それだけ大切にされてきた風致地区なのだろう。特に朝晩は人も少なく、鳥のさえずりがあちこちから聞こえ、ひっそり寄せる湖の波をぼんやり眺めているとゆっくりと心が鎮まっていくのがわかった。
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また沈んでいく夕日の美しいことは特筆に値する。今度は緑陰の下、安閑と眺め過ごしたいと思う。
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