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2019年1月30日 (水)

鈴本で初笑い

家人と共に気に入っているホンキートンク、それに正楽、一之輔、さん喬が出るというので久々に鈴本へ出かけた。

アメ横デパートの地下で腐乳を買ってから、上野駅の方へ歩いてしばらく行くと「翁庵」の古風な店構えが見えてきた。ここは小沢昭一さんの贔屓だったと聞き及んで、いつか行こうと思っていた店で、入ってすぐの席の横に小沢さんのサインが飾ってあって嬉しくなる。名物は葱せいろとのことでこれとぬる燗に板わさを頼む。
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板わさの飾り切りや樽酒に漂う杉の薫香が、いかにも昔気質の蕎麦屋の風情を留めていて嬉しくなる。葱せいろはゲソのかき揚げも入っているが、意外とあっさりと頂けて腹八分目に仕上がったので、眠くなりやすい寄席の昼席前には丁度よい具合。この辺りが小沢さんのお気に入りの所以なのかも知れないなと思った。
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この日の鈴本は団体客で7割方の席が予約されていて満員御礼。早めに並んだお陰で、最前列の席に座れてたっぷり楽しめた。

一之輔さんは初めて彼を知った時と同じ噺の「短命」だったが、愚妻が夫を転がす辺りは随分脚色されていて、それがいずれも申し分なく面白くて舌を巻く。そういえば前座がひどく喋り方が似ていると思ったら弟子だったようで、不敵な面構えが師匠譲りで期待が持てそうだった。

正楽さんには「梅園!」と声をかけたお題が採用されて切り絵を頂戴することが出来たし、ホンキートンクも手堅い熱演を見せてくれたし、大変満足の行く初笑いだった。
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↑梅園A面
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↑B面。「初鰹」以来10年ぶりで頂けたので感無量。

2018年3月 3日 (土)

みうらじゅんフェス!を見に行く

川崎市民ミュージアムはシアターの企画がなかなかなのでチェックをしているが、この度みうらじゅんの膨大な収集物を展示する「みうらじゅんフェス!」を開催するとのことで、出かけてみることにした。

まずは腹ごしらえと新丸子で行きたかったタイ料理のプリックタイを調べたら、昼はやっていなかったので、次点のマドラスミールスへ行くと店前には行列が。なんでもインド人たちの帰省で1か月店を閉めていた直後だったから、こうなるのもやむなしと観念して、20分ほど待って入店。

家人はベジタリアンミールス、こちらはノンべジを注文。ミールススタイルは経験値が少ないが、汁物の味わいに変化が少なくやや拍子抜け。以前食べたケララの風Ⅱの方が一皿ごとの味の変化があって、それを混ぜ合わせた時の化学反応ぶりも楽しめたと思う。あちらはそのコントラストを、こちらはそのグラデーションを楽しむようになっているのかもしれない。
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(写真はネットから引用)

店を出て多摩川の堤防沿いを腹ごなしに散策する。空が開けているし、足元には春を感じて一斉に伸び始めた山野草があちこちで見られてほのぼのとした気持ちに。
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↑ゴジラに破壊された丸子橋
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しばらく行くとアスファルトに足跡があり
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よもやあの北京原人が「ウパー」と叫んでみうらじゅんフェスへ向かっているのかと思わされたが、道が整備された時の誰かのいたずらのようだった。
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さらに進むと目当ての河津桜が見えてきた。このところの春の陽気で一気に開花が進んだようで9分咲きになっていて行きかう誰もが足を止めていた。
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すっかり心も弾んでここからすぐの市民ミュージアムへ。入場券を買うのに並ぶくらいの人出でなかなかの人気。
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↑伝説の通信空手資料一式!
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↑アウトドア般若心経
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↑ゆるキャラの始祖、トリッピー
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↑最新マイブーム「冷マ」
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↑笑ってしまってピント合わず・・・

一人っ子気質の爆発力が世の中にピタリと嵌った稀有な存在であることを再確認させられる展示だった。一方、1998年のみうらじゅん大物産展に足を運んだ身としては、展示が通り一遍な感じで少し物足りず。というより、みうらじゅんの一番脂の乗った時期は20世紀末で、今世紀になってからはその余禄で食べているような感じなんだと思わされた。

ともあれ、これだけくだらないことを全力でやり続けるのはさぞ骨折りだろう。展示物全体にその辛苦が滲んでいるように感じたのは、こちらも20年歳をとったせいもある。還暦を迎えた今後は力を抜いて、転がる石であり続けてほしいところだ。

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↑「ん?」と思わされたところ・・・
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↑「穿かせたろう」か!と気づいたときにアハ体験

マドラスミールスインド料理 / 新丸子駅武蔵小杉駅沼部駅
昼総合点★★★☆☆ 3.2

2017年10月10日 (火)

昭和大学文化祭のよしもとライブ

毎年昭和大学の文化祭で催される名人会は無料なのになかなかの面子が揃うので楽しみにしているが(ただし三三が来た時は雑な噺で失望した・・・)、今年はなんと一之輔が来るというので一層楽しみにしていたところ、風邪っぴきになってしまい敢え無く断念。

一方、今年はよしもとが有料ライブを開くとのことで調べてみたら、こちらもなかなか粒ぞろいだったので、前売り券を買って見に行った。以下寸評。

・ウエスP
レベルの高い宴会芸という感じでとても楽しめた。ハキハキとしゃべるのも好もしく応援したい気持ちになる。

 

・おかずクラブ
期待通りのコントの後に会場いじり芸。勢いが感じられた。

・インディアンス
今回一番の収穫。爆笑して腹が痛かった。ボケ担当のしつこい感じがアンタッチャブル山崎のようでもあり、アクの強い感じが原西のようでもあり、とにかく抜群のネタだった。


・相席スタート:手堅い漫談風でテレビと違った印象。
・西村ヒロチョ、おばたのお兄さん:ギャル向けで今一つ・・・
・尼神インター:ヤンキーの方がかなり荒んでいて引く。
・ハイキングウォーキング:意外にもジャグリング芸。中堅の苦しさを垣間見た思い。

1,200円で2時間たっぷり楽しませてもらって大変満喫した。

2015年6月30日 (火)

林家正楽の紙切り芸を堪能する

林家正楽は今三代目でとぼけた紙切り芸で知られている。先日その三代にわたる芸をまとめた本の出版記念特別興行が鈴本で開催されていたので足を運んだ。

いつもは軽い扱いの紙切りだが、この日は弟子の二楽と二人で高座に上がって同じお題で競ってみたり、二人の切り絵(鳥と馬)を合体して一つの絵(ペガサス)にするなど、まさに空前絶後の紙切り芸で、その腕と発想の見事さに感服した。

その後正楽だけの独演となったが、そこでは美空ひばりの「川の流れのように」に合わせてひばりの一生涯と戦後の様々な出来事が膨大な切り絵によって再現され、大笑いしたり懐かしがったり、最後には涙がこみ上げ胸が熱くなりすらした。実際満席のあちこちですすり泣く声が聞こえ、まさに走馬灯のようにスクリーンに展開される絵巻物に観客は皆酔いしれ、終わった時には未だかつて寄席では出会ったことのない拍手喝采が起こった。

いつもは飄々と紙切りをこなす正楽からは想像もつかないドラマティックな演出で、鉄拳のパラパラ漫画に通ずるものを感じたが、それよりも芸への探求心が勝っている分、感動の度合いが大きかった。

この後トリで一之輔が高座に上がって開口一番「蛇足だってのは重々承知なんですよ!」と言っていたが、それを物ともせず「鰻の幇間」で客席をさらに湧かせたのだから大したものだったし、この世代はしばらく彼が支えていくことになるのだろうと確信させられた。このほかホンキートンクの緻密で重層的に練り込まれた漫才は非常に巧妙で正直驚かせられたし、この日の寄席は自分史上ベスト3に入る見事なもので、改めて芸人の芸の凄さを見せつけられて爽快感すら感じる夜だった。
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2014年7月15日 (火)

初三三

柳家の次世代を担う人は三三という世評を聞いていたものの、なかなか機会がなく高座に上がる姿を見ずにきていたが、鈴本の夜のトリを務めるとのことで足を運んだ。

随分と痩身で顔の皺が目立ち年下とは思えぬ風貌で、思わず「刻苦勉励」という言葉が頭に浮かんだ。噺は初めて聴く「鶴屋善兵衛」だったが、ハナからなんだか只ならぬ緊張感を強いられる話しぶりで、「俺はこんなのが出来るんだよ」と客に投げつけるようにつーっと進めていき、息もつかせずどんどん進んでいく。しかしこちらとしてはあまりの忙しなさに噺には没入できず、ついて行くのが面倒にすら感じて後半はいささか食傷気味に。

個人的には語り口などより笑いたいタチなので、さして笑わせてもらう場面もなく少し気を抜くと落伍してしまうような肩のこる落語を聴くこととなってしまい、いささか消化不良に感じた。

色々なものを背負わされた重さがこちらに伝わってくるような生硬さで、帰路には少し可哀相な気持ちにもなったのが率直な印象。真面目な性格と聞いているので、それがゆえに今は苦しいときなのかもしれない。もう少し肩の荷が下りて軽妙洒脱になった頃に聴いてみたい。
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なお、ケーブルテレビでお馴染の三之助は意外にも軽やかで艶冶な雰囲気もあって思いがけず楽しめた。ときおり区内で落語会をやっているので足を運んでみようかという気になった。

最後に今回前から5列目くらいに座ることが出来たのだが、笑い上戸過ぎる客や噺を先に喋ってしまう常連がいて非常に不快な思いをした。名前の知れた人目当ての客が多いときはあまり前には座らないようにすることを自らの教訓としたい。

2010年1月18日 (月)

00年代のまとめ(1)

今更だが、00年代をまとめておきたい。人前に晒すのは恥ずかしい気もするが、何年か経ってタイムカプセルを開けるように楽しめたら充分だというくらいでやってみる。ちなみに00年代の出来事一覧はこちら。(wikipedia)まずは音楽・映画・TV・本・落語。

【曲】
・閃光少女/東京事変
なんどか泣いた。MADの一つの到達点。

・Highway star,Speed star/cymbals
あの頃はこんな感じで疾走していた。

【アルバム】
・ジャック・タチ・リミックス/Mr.untel
リミックスの至芸。ジャック・タチも満足しているはず。

・グリーンアワーズ/halfby
良い意味での稚気が満載。中曽根ティーチャーも含めて。

・Soul Punch/クレイジーケンバンド
「流星ドライブ」「男の滑走路」はカラオケの定番に。

【映画】
・運命じゃない人
緻密な脚本と力みの無い演出の絶妙な配合。
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・フラガール

日本における炭鉱モノの金字塔。
・リトルダンサー
英国における炭鉱モノの金字塔。映画で初めて泣く。
・リアリズムの宿
曇天の下、さまよう悦び。

【TV】
・水曜どうでしょう
どうしてこうも面白いのか。

・ザ・会議室
贅沢な深夜番組。不定期で復活希望。

・はねるのトびら(深夜)
秋山竜次の栄光と挫折。

【本】
・ベトナム戦記/開高健
臨死点を踏み越えた者だけが持つ凄味。
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・気になる部分/岸本佐知子
細部に宿るおかしみを惜しげもなく披露。
・ニシノユキヒコの恋と冒険/川上弘美
紙上恋愛シミュレーター。

【落語】
・代書屋/柳家権太楼
初めて落語家の名前を覚えようと思った噺。
・短命/柳家さん喬
脳にズブリと噺が侵入してくるゾクゾク感!

2009年1月10日 (土)

youtube寄席

年末年始と風邪をひいて家に引きこもっていた。いつまでも抜けないのがしんどかったが、youtubeにアップされている落語をあれこれ見ているうちに持ち直してきたから面白いものだ。笑いは万病に効くというのは本当かもしれない。

一番気に入ったのは古今亭志ん生の「あくび指南」。こういうさらっとした軽い話が病身には丁度良かった。この映像は音源に山藤章二のアニメをあてたものだが、確か志ん生のDVD集に収録されているもので、買うとなると十数万するので諦めていたのだが、それがこんなに手軽に楽しめてしまうのだから、なんだかやっぱり凄い世の中に生きているなと改めて思わされた次第。

2007年5月17日 (木)

中延寄席2007春

「北の国から」のタイトルのようになってしまったが、自分にとっては恒例になりつつある中延寄席に今回も足を運んだ。ここ数回、桟敷席にちらほら若年層を見かけたが、今回は皆無。落語ブームも沈静化しつつあるようだ。

今回、さん生師の到着が遅れたことで、権太楼師の噺を二本聞けたのは非常についていた。その内、場繋ぎでかけた「皿屋敷」は初めて聴いたが、常連のおばさんが出てくる件からは爆笑につぐ爆笑で、久々に涙を流して笑い転げた。お菊さんが惰性で毎晩井戸から出てくる設定からして間が抜けてて笑えるけれども、ファンの熱狂で祭り上げられて降りるに降りれなくなったスターの苦悩と暴走、と捉えてみるとなかなか示唆に富んだ噺であるとも思う。

我太楼師は目出度く真打になられて色々と多忙であったようだ。今日の噺はおかみさんの話ぶりがキモだと思われるが、声音や振る舞いにらしさが感じられなかったのは残念。一息入れて、完調となったところでまた聴いてみたい。Cimg1496

2006年12月 1日 (金)

中延寄席’06冬

恒例の中延寄席に足を運んだ。四十と四回目で数廻りは良くないが、そんなことに関係なく客の入りは上々で、たっぷりと楽しんだ。

柳家太助さんは真打になられたそうで、以前に聞いていた時に比べて、噺の勢いと展開の滑らかさが格段に良くなったと感じた。融通無碍の端緒についたとでも言うべきか。

お目当ての柳家権太楼師は「文七元結」を長講で聞かせてくれた。本筋一辺倒ではしんみりした人情噺になってしまうのだろうが、棟梁とおかみさんのやり取りに幅を持たせたりして随所に笑いが散りばめられているので、長い話も飽きることなく、聞き終えてスッキリとした心持になった。

めっきり寒くなった晩秋の宵だったが、随分笑って心が浮ついたので、家路がそんなに苦にならずに済んだ。大いなる落語の効用と言っていいだろう。Cimg1193

2006年5月27日 (土)

らくご漬け

【五月上席鈴本】

GWの鈴本演芸場はいつも顔ぶれが揃っているので、自然と足を向けることとなる。特に今年は権太楼師がトリに長講を演るとのことで、期待していった。

さん喬、金馬、のいる・こいる、正蔵、小三治、正楽、喬太郎、権太楼とずらり揃った面々。どなたも素晴らしい噺だったが、特に印象に残ったのはさん喬師。「短命」という噺だったのだが、その語り口の見事なことに感服した。抑揚を矯めつつも、ずぶりとこちらの脳味噌の中に入り込んでくる実に精妙な噺っぷりは、ちょっとない経験だった。また噺に出てきた「色の白い艶やかな若女将」の残像が頭に棲みついてしまって、後から出てきた粋曲の小菊さんの袂から「ちらり・・・」と覗いた、細く、眩しい乳白色の腕にドキドキしてしまう自分がいた。

金馬師の77歳とは思えない力溢れるたいこ持ちの熱演、小三治師の枯淡の味わい、喬太郎師の時代を見事に掬い取った新作。どれもこれも頗る楽しい。さらに正楽師には「初鰹」の切り絵まで頂いてしまった。トリの権太楼師の長講もたっぷりと堪能して、実に良い心持で家路につくことが出来た。Cimg0606

【中延寄席】

近所の商店街が半年に一度開く寄席。権太楼師が必ずいらっしゃるので、今回も足を運んだ。今日は権太楼師は「鰻の幇間」を演ったが、切れ味抜群の語り口で、たちまちに会場は笑いの坩堝と化した。特にたいこ持ちがぐだぐだな鰻屋に説教するくだりの畳み掛けでは、最早呼吸が苦しくなり、本当に「たまらない・・・」噺だった。

またお弟子さんの甚語楼さんの襲名披露口上も執り行われて、会場の皆さんから暖かい拍手が贈られた。この不思議な連帯感に、なぜかしら私の胸も熱くなってしまった。この声援に応えて、甚語楼師も「天狗裁き」を力一杯熱演し、立派にトリをつとめあげた。地域に密着したこの寄席で、一流の噺が聞けるというのは、実に得がたいもので、今後も末永く続くことを願ってやまない。Cimg0607

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