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2020年4月 3日 (金)

春光駘蕩筑豊肥7:檸檬樹・珈琲店ミマツ・カフェBGM・Tan's bar

唐津・大分・由布院で立ち寄った喫茶。

【檸檬樹】
唐津駅から線路沿いに少し行ったところにポツンとあり、近隣の住民の憩いの場としてその任に当たっている様子。
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「欧風」と呼びたい佇まいの店は中に入るとドライフラワーがたくさん下げられており、また窓の外にも季節の花が咲いていて心和ませるものがある。
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器の街だけあって、カップも品の良い優美なもので供されて、馨しい珈琲の香りとともに少しだけリッチな気分になる。
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古き良き喫茶店文化がきちんと動態保存されていることを嬉しく感じた。
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【珈琲店みまつ】
大分まで列車に随分揺られたので、ホテルに行く前に小休止しようと行きがけにあるこちらに伺う。プレスの利いた真っ白なシャツを纏う店主が醸し出す雰囲気もあって、ピンとした空気が店内を覆っている。しかし静かに丁寧に珈琲を入れる様子を見ている内に直に慣れて、時折チンと音を立ててやかんから上る湯気の行先をあてもなく眺めたりして供されるのを待つ。

驚いたのはアイスコーヒーを頼んだ家人にはクラッシュアイスを敷き詰めて保冷された生クリームが、繊細で瀟洒なガラス容器で出されたこと。確かに生クリームの鮮度を保つにはこれ以上の方法は無いように思うが、たかが一杯にここまでする気働きに感服した。こちらが頼んだカフェクレームも、ウィーンのカフェのメランジュもかくあらんと思わせる見事な泡立ち具合で、ごく軽快な味わいの仕上がりに深く満足した。本筋の店を求める向きには申し分ないと思う。
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【カフェBGM】
モーニングをやっているとのことで、朝食をとりに伺う。ビルの二階の店は思ったより本式の造りで壁面には名画がずらりと並び、天井の梁や鉄の柵などを見るにかすかにアールヌーヴォーの風情を漂わせていて好もしい。
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そうしてそういう空間に孫が書いたじいじの画が飾られてるのも妙に馴染んでいてこれも好ましい。モーニングはこれぞモーニングというもので過不足はなく、店内にかかるエヴァ―グリーンなマスターピースも耳に心地よくて、朝からいい空間でゆったりでき満足した。

【Tan's bar】
長湯から明礬に向かう途中、由布院を経由した。それは矢張山荘無量塔のTan's barで暖炉の熾り火を眺めながら、閑雅なひと時を過ごしたいが為だった。

宿に着くと丁度チェックインの時間帯だったので、入口に従業員がずらりと並んでいて少し気後れしたけれど、barへ行ったら誰も居らず貸切状態だったから堂々と暖炉の前に陣取って、大好物のPロールを相方に「赤い翼竜」と勝手に呼んでいるスピーカーから流れるバロックに身を委ねる。
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実に至福の時間で、半醒半睡を揺蕩う心地よさと言ったらない。しかし、後から来た老夫婦のシャッター音の連続と店員同士の喋り声に中断されてしまったのはいかにも口惜しかった。この空間を完全に堪能するにはオフシーズンに泊まって利用するほかなさそうだ。
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↑熾り火具合は申し分なかった。

2020年3月20日 (金)

春光駘蕩筑豊肥6:大分温泉巡り・日乃出食堂

三日目。大分に来たのだからやはり温泉を巡るということになる。朝、大分駅に行きレンタカーを借りていざ出発。
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↑大分駅入口の山口晃作品。少し時間が足りなかったようで・・・

じゃらんのクーポンを使ったとはいえ、48時間で5千円ちょっと。数少ない金融緩和のメリットを享受する。しかも普通車を頼んだら空いていたからかハイブリッド車のアクアにアップグレードしていて実にラッキー。その驚きの低燃費を体感することになった。
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まずは長湯温泉に向かい、その外れにある「ながの湯」へ。天気もよく、九重連山の眺めも申し分ない。
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1時間ちょっと走って到着。
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時間帯によっては混み合うとのことだったが、この日は先客はなく湧出量が凄いという家族風呂をいくつか覗いて、一番激しい右の浴室へ。
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とにかくボコボコともの凄い量がかけ流されていて新鮮な湯であることこの上ない。金臭さが強く、少し茶色がかった見た目から濃ゆい泉質の雰囲気を漂わせていたが、案外さっぱりとした浴感。温度も申し分なく、明るい春の日差しを浴びて第一湯としてはなかなかだった。なお、長湯温泉にほど近いが、泉質は異なり炭酸感は全くなかったことを付言しておく。

続いては前回友人と訪問して驚嘆させられた七里田温泉下ん湯へ。2月に入浴となると寒くて耐えられないかも・・・と思っていたが、幸いなことに季節が2か月進んだかのような陽気でむしろ七理田温泉日和。この幸運に謝して早速入湯。
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男湯は先客2名でスペースは狭め。しかし入ってしまえばそんなことは気にならないくらい見事な泡立ちで、体中の毛という毛に微細な泡がついて、自分がスピッツか雪男にでもなった気分になる。そうして3分もすると泡が連結されて大きくなり、スプライトを注いだ時の様にシュワシュワと水面に立ち昇ってくる。それを飽かずに眺めていると、得も言われぬ無の境地が一瞬訪れて、羊水の中で揺蕩っていた頃の記憶が蘇るのではないか・・・という錯覚すら起きた。いや実に稀有な湯だ。
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↑脱衣所から見た階下の浴槽

初めての家人は後半独占できたようで満足げに上がってきたから、似たような心地を味わったのかもしれない。とろとろとした日差しは相変わらず心地よく、まさに春光駘蕩という良い気分で昼をとることにする。

【日乃出食堂】
近くに定食を頼めば数種類のお惣菜が食べ放題という豪気な店があるというので出かけてみると、そこはハンデを持つ方々が働く授産施設だった。しかし、蔵を改装したと思われる外観や木をふんだんに使った内装は随分洒落ていて、いい意味で予想を裏切られた。
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また食べ放題の惣菜も注文した和風ハンバーグも手をかけてきちんと作っていることがありありと感じ取れ、また実際身体が喜ぶ美味しさで実にいい。
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客に誠実に向かい合い、きびきびと働く店員の方々の姿も清々しく、思わず心の威儀を正すこととなった。こうしたところが広く支持されているようで、昼時を過ぎた時間帯だったが満員御礼。山間の目立たないところで静かな革命が起きていることを知り、大いに嬉しくなった。

2020年3月15日 (日)

春光駘蕩筑豊肥5:キッチンWILL

大分ではホテルマイステイズ大分に宿をとった。水回りがリノベーションされていて全体に清潔な雰囲気。
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武漢騒ぎで中国人の来日が止まっていたからか、これで1泊6千円ちょっとというのはお得に感じた。(ちなみに緊急事態宣言渦中の今は4千円と破格の御値段)

駅から少し遠いここに決めたのは、大分にわざわざ一泊する理由である「キッチンWILL」にほど近いからだ。4年ほど前、恐る恐るスナックビルの一室のドアを開けて入ったら旨い肴と日本酒が揃った良店で、ご主人とも話が盛り上がり「今度は家人を連れてきます。」と再訪を約したのだった。その後、あれよあれよという間に人気店になったようで、今回はかなり早いタイミングで予約を入れて伺った。

開店と同時に伺ったが直にカウンターが埋まり、奥の座敷も宴席が開かれてあっという間の大盛況。皆予約の客のようで、人気の高さがうかがえた。

ここに来たならばとにかく旨い魚を・・・と思って刺盛を頼むと、この日は関鯖・縞鯵・間八・鰤・鮃・鯛と好みの青白を中心とした魚たちが見目麗しく盛り込まれて供された。
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包丁が冴えわたり、惚れ惚れするような身のエッジに見蕩れるのもそこそこにして口に運ぶと、舌をたぶらかす様な婉然ぶりを見せて、その潤みをたたえた身にゾクッとさせられる。おまけに二月初旬と時期が良かったからか、どの魚もごく品の良い脂が延々と口中にこだまするので、思わず目をつむって味わいに集中することになる。この凄艶な魚たちをまた食べることが出来た悦びにほくそ笑みながら「庭のうぐいす」を流し込んでやると、ホーホケキョの一つも言いたくなるぐらいの昂揚感に包まれた。

この他焼き椎茸や白子酒蒸し、数の子西京漬けなどなどをいただき、最後は琉球丼できっちり〆て結願と相成った。ご主人は終始忙しそうだったので、御勘定の時に4年ほど前に伺った話をすると「今日はお愛想なしですみません。」と言われてかえって恐縮した。次回こそは前回訪問時に入荷していなかった盛りの鮎を食べて、大分の山海の幸をまた存分に堪能したいと思う。御馳走様でした。

意気揚々店を出て、ほど近い坂茂設計のOAPMの美しい夜の姿も拝めたし

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連日のカラオケも盛り上がって、個人的には申し分のない大分での一夜となった。
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2020年3月 7日 (土)

春光駘蕩筑豊肥4:牧のうどん・開花堂・まる八ラーメン・川島豆腐店・博多の駅弁

博多と唐津で食べたものを順に。

【牧のうどん】
博多っ子はラーメンよりもうどん好きが多いという話を聞いて、噂のダルダル麺が食べられるという博多バスセンター地下の牧のうどんに行く。昼には少し時間があるタイミングだったが、店内はほぼ満席。なるほど噂通りかもしれないと思わされる。

注文した肉ごぼう天うどんは、ムニュムニュした麺の風合いは面白かったが、出汁が甘だるくていただけない。東京人は無難にラーメンを食べた方が良いように感じた。
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【開花堂】
唐津でも和菓子を・・・と思って訪れたのがこちら。風格ある店構えだが店内はよく手入れがされており、季節柄雛飾りもあったりして実直に御商売に精を出してる雰囲気が漂って好感触。銘菓の「さよ姫」と季節の上生菓子を買って帰る。

生菓子は早蕨に菜の花きんとん。緑の発色に春の日差しを感じさせ、優美な風情もあって好もしい。味わいも春の日向のようにほっとする甘さで心和む。
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落雁である銘菓のさよ姫もパッケージに新味があっていい。
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唐津で束の間甘やかな時間を過ごしたいのなら足を運ぶべき店だと思う。

【まる八ラーメン】
ふじわらで飲んだ帰りの〆に伺う。家系ラーメンで育った身としてはいつも博多で食べる豚骨ラーメンはガツンとしたインパクトに欠けるな・・・と思っていたが、ここのものは野性味あふれるスープでその荒々しさが心地よい。ようやく念願叶う豚骨ラーメンに出会えた気がする。
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また、豚骨系を食べた時に感じる化学調味料の後味の悪さもほとんどなくその点も嬉しく感じた。飲んだ後の〆に是非。
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【川島豆腐店】
朝食は三度目となるこちらで。相変わらずざる豆腐は濃厚だし、厚揚げはサクトロッだし、豆腐のうずめ粥の出汁も程が良く、実に完璧な朝の幕開けとなった。KARAEの目の前だから、ホテルに泊まった際はここでの朝食を見逃す手はないと思う。
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↑豆腐のうずめ粥。粥と言っても押し麦も入っていてさらさら頂ける。

【やま中と折尾のかしわ飯】
時間が無くなって昼食を断念し、博多駅で駅弁を買い込み列車内で食べた。折尾のかしわ飯が食べたかったが、生憎売り切れ。「おかず付きの豪華版ならあります」とのことで、それを頼むと駕籠を模した二段重の仕様。
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ただなりは立派だが、おかず類はお値段相応のもので、かしわ飯単品の方が個人的にはありがたかった。
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「やま中」の寿司の折詰は手堅くまとめてあってなかなかのもの。
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鯖の棒寿司に期待していなかったが、身に厚みもあって酒を用意しなかったことを悔いる出来。次回はそういう失態が無いようにしたい。

2020年3月 1日 (日)

春光駘蕩筑豊肥3:青いソニックと白いソニック

唐津を朝に出て博多に向かうと、強風で筑肥線に遅れが出ていた。
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↑近郊路線を走る中では一番好きな車両の305系。kuroというのはJR九州のマスコットらしい。

確かに広い平野のど真ん中を走る区間では車体が揺れるほどで、快速列車だったのが各駅になり、直に徐行運転になり、終いには福岡空港行が姪浜までに変更となってしまい、昼は博多駅でラーメンと思っていたが、時間がなく駅弁を買い込んで青いソニックに乗車。
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この車体、よくよく見ると「特急つばめ」に使われていた車体と同系で、その色合いに目を引かれてちっとも気が付かなかった。久々に乗ったが、ミッキーマウス様のヘッドレストは相変わらずのインパクトながら、テーブル等は20年以上使用されていてかなりへたっており、やや寂しく映る。
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それでも終着の大分では先頭車両に回り込んであれこれ写真を撮ることに。その魅力は健在だった。
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帰りは別府から小倉まで同じくソニックに乗ったが、車両を替えてみようと白いソニックにした。
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これは以前長崎に行く際に乗った「かもめ」と同じ車両で、こちらの方が新しいのか、室内の雰囲気といいシートの快適さといい居心地が良く、「このまま博多まで乗っていたい・・・」と思うほどだった。
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途中の宇佐では名物のUSA看板も見られたし満足の行くソニックでの往還だった

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2020年2月25日 (火)

春光駘蕩筑豊肥2:季節料理ふじわら

新型コロナウイルスの拡散でくさくさした日々を送っているので、現実逃避すべく春先の旅の記録に逃げ込むことにする。

唐津へわざわざ一泊だけしに来たのは、前回とても好印象だった「一天張」に行ってハタの刺身で万齢の新酒を堪能したいと思ったからだった。しかし、祝日だったからか生憎休み。HPにはそういう記載は無かったが、周りも皆閉まっていたので仕方がない。

そこで建物に風情がある鰻の竹屋にしようかと出かけてみると、閉店間際で炭も落としてしまっている様子。では・・・とグーグルマップで探索していて気になった「季節料理ふじわら」に家人が電話してみると開いているという。「受け答えから言って間違いないと思う。」という家人の直感を信じて店に向かう。

古い建物の奥に通ずるごく細い路地を行くと、以前は茶室か水屋に使っていたかと思われる小ぶりな建物があり、そこが「ふじわら」だった。
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あれこれ食べてみたかったので、4,500円で七品出るというおまかせをお願いする。その際「魚が多い方が有難いです。」と伝えると、先付以外は全部魚介を使った皿にしてくれて嬉しくなる。
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お造りは平目・かわはぎ・あおりいかと白身系が揃ったが、かわはぎにはおぼろ昆布で巻いて旨味を強めたりして変化があり、その味わいの異なる諧調を楽しむことが出来た。
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焼鰆には菜花をマヨネーズで和えたものが載せてあって面白い趣向。春めく頃合いを強く感じることに。
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名残のふぐでちり鍋風が出たと思えば、
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蕗の薹と共に海老の入った揚げ蓮根餅が出たり、
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冬から春に進む季節の端境に今居るのだなとしみじみ感じさせられる皿の数々に唸った。

期待していた「万齢」の超辛口生酒も唐津焼の片口で供されて気分を盛り上げてくれる。
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しっくりとした歯応えが心地よいなまこ酢も申し分なく、もう少しだけ酒を楽しみたいので・・・と無理を言ってお願いした烏賊の塩辛も円やかな味わいで品がよく、どうしても酒が進んでしまって困ってしまった。
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近隣の方からも愛されているようで、注文してないのに定食風のセットが運ばれてくる常連の方がいたりして、なかなか羨ましく思えた。今度唐津に行った際には、こちらと一天張をはしごして存分に唐津の夜を堪能したいと思う。

2020年2月20日 (木)

春光駘蕩筑豊肥1:ホテルKARAE

立春を過ぎ、春の日差しが感じられる頃になって九州に旅に出た。後から振り返ると「最後の安穏とした旅」になるやも知れないので、色々書き留めておこうと思う。

福岡空港に昼に着く便で東京を発ち、博多駅で昼食をとってから筑肥線で毎度の唐津に向かう。色々調べたら二枚きっぷという割引切符があったので、JR九州の券売機で購入して、市営地下鉄に乗り込み一路西へ。
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唐津には昨年末に新しい商業施設「KARAE」が出来、そこにホテルもあるというので予約を入れた。駅から歩いて3分ほど、商店街のど真ん中という立地で電車移動の身としては有難い。1Fにはカフェやミニシアター、地元でそれと知られたモダン中華の店も入って、いざとなればここに籠りっきりという使い方も出来るようだ。
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ツインの部屋を取ったが、ごく普通のビジネスホテルと変わらぬ広さと設備で、寝るだけなので特段不足はない。
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廊下にはアロマが焚かれていて、穏やかな香りだったので好印象。
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和菓子を買ってきて皿を所望したら下のカフェから皿とフォークを調達してくれるなど、スタッフの方も気さくでキビキビと立ち働いており気持ちが良かった。気になったのは防音の点。近接する部屋が入口ドアを開閉すると、自分の部屋のドアが空圧でガタガタいうことが2度ほどあったし、夜中エアコンの霜取り機能がなぜか作動して妙な音を立てて目が覚めてしまった。この辺りは営業間もないがゆえのことかなと思うので、しばらく経って客からの指摘などに対応していく内に改善されるのではないかと思う。

有名な川島豆腐店ははす向かい、飲み屋街もすぐそこだから、街歩きを主眼として唐津に行く向きには、申し分ないホテルだと思う。
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2020年1月10日 (金)

10年代を振り返る1:食と旅

10年前に00年代を振り返る記事を作成したので、今度も10年代を回顧して記憶にとどめる内容を記載しておこうと思う。

【食事編】
齢も齢なので鮮烈な印象を残す店や一皿は少なくなった。特に東京においてはその傾向が顕著のようで、記憶に残る店の数々は旅に出た際に出会ったものが太宗だった。

●おかや・・・改めて甘鯛に開眼した店。
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●ジンギスカンきっ川・・・10年前だが、もうこの頃のような食欲は戻らないだろうと懐かしい気持ちに
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●一升びん・・・平日の昼、捌きたてのホルモンの旨さは比類絶無。
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●大甚・・・東日本大震災で名古屋に逃れた時に、ここで飲んでようやく胸のつかえが下りてその晩はよく眠れた。個人的には一番好きな居酒屋
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●民宿みずうみ・・・訪れた翌々年には営業を止めてしまわれた。天然鴨の妖艶な身は忘れがたい。
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●キッチンウィル・・・外見と中身のギャップに嬉しい驚き
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●添記焼臘と上海緑楊邨酒家・・・少ない情報を手繰り寄せて辿り着いた充足感
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●惣門・・・季節ごとに行くことを決めている。残すは春と冬。
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●仁平寿司・・・威風堂々の店構えに魚の真味と接遇の妙を兼ね備える。
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また、店は特に挙げないが、この10年では和菓子と純喫茶の店に行く機会が大幅に増えた。消えゆくものへの判官贔屓がその根底にある。

【旅編】
●18きっぷの旅・・・弾丸ワンテーマ旅を安価に。
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●大阪・神戸弾丸・・・18きっぷにはまるきっかけは新幹線開業50周年を記念した往復5,000円切符を活用したこの旅から。
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●北木島・・・2度訪問。のんびりゆったりして、鱈腹旨い魚を食べる幸福。
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●香港2017・・・はじめての長期滞在で世界が拡がった。
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●江南・・・日本文化のオリジンに触れる。
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●明礬温泉・・・二度訪問。泊った豊前屋の湯は白濁硫黄なのにPH中性で身体に優しく、宿の雰囲気も馴染む。
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2016年2月18日 (木)

玄海茫洋筑肥行9:旅の終わりに

なんのかんので唐津には4回目になる。初めは九州周遊の途上で寄り、次は「つく田」へ、三度目は呼子に泊まって隆太窯へも行き、今回はしっかり腰を据えて滞在した。程よく街があり景色も良く、人柄もさっぱりとしていて居心地のいい街だ。まだ、ツガニを食べていないのでそれは次回のお楽しみに。

博多の寿司は少し過熱しすぎのように感じた。行きたかった「近松」は今や半年以上前に予約することが必須とのことだし、「吉富寿司」の混雑ぶりにも驚かされた。しばらくすれば色々なものが淘汰されてすっきりするだろうから、その頃合を見計らってみたい。

以下備忘までに。虹の松原での日の出。
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松浦橋から眺める唐津城は「日本のモン・サン・ミッシェル」に見えなくもない。
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線路脇に咲く菜花と霧雨の降る松原
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帰りがけ博多駅の魚屋でたかばあらのアラを買い、自宅であっさりした出汁に千切りの白菜と豆腐だけ入れて「鯛豆腐」風に仕上げてみたが、やっぱりこれも旨かった。
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自分が育つ源泉となった地に久々に足を踏み入れ、改めて良さを実感した次第。

2016年2月17日 (水)

玄海茫洋筑肥行8:鮨香坂

風光明媚な唐津を離れるのは後ろ髪引かれる思いだったが、筑肥を離れる前にもう一度寿司を食べられるのだから…と自らを奮い立たせて、列車に乗り一路東へ向かう。

日曜の昼、博多駅近くでやっている寿司屋となるとかなり限定されてきて、足を運んだ「香坂」のカウンターは満席。大きなスーツケースを抱えた人や関西弁を話す人など、客は凡そ来福した人達で地の人の気配は感じられなかった。

電話で予約した際に「昼のお決まりになります」と言われて少し身構えたが、いわゆる上にぎりが供されて安堵する。しゃりがかなり丸く団子状になっていてちんまりとした握りが続いたが、前日唐津で良い魚を食べ過ぎたせいか、魚の味がややぼやけているように感じられぐっと来るものが少ない。強いて言えばよこわの風味は良かったように思う。日曜日でもあるし、お値打ちの昼でもあるのでまあこれぐらいの所なのだろう。

あまり過度の期待をせず、にぎり一人前をさっと食べに行くつもりでのれんをくぐるのが良いと思う。

鮨 香坂寿司 / 東比恵駅博多駅)  
昼総合点★★★☆☆ 3.3

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