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2019年2月23日 (土)

東急バスで観梅温泉(下)

競艇場から大森に戻って、駅前から森07上池上循環に乗り、本日二軒目の観梅をすべく池上梅園へ向かう。バス停には親切にも「大坊前」で降りるように誘導しているので、その通りに下車して梅園へ。
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天気が良いからかデイサービスのお年寄りを載せたワゴン車が渋滞し、園内はそこから吐き出された車椅子のお年寄りで渋滞と、花の盛りらしい風景が展開していた。以前に訪れた時より綺麗に整備されていたが、梅自体は特に増えたわけでもないようで、さらっと園内を一周して切り上げる。
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ここから近い国道1号沿いの本門寺裏バス停へ行ったら、1時間に1本しか走っていない森01系統蒲田駅行きが来たのでこれに乗って一気に蒲田駅へ。池上駅経由で乗り継ぐことを覚悟していただけに、直通でスムーズに蒲田に着けたのはとてもラッキー。おまけに降車場所の目の前が目的の中華食材店「友誼商店」でこれまたついていた。
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ここはかなりの食材が揃っていて、間もなく底をつきそうな青麻椒があって嬉しい驚き。たっぷりサイズの麻辣醤がこれで300円だったので買って帰ったら、爪の垢ほどでも充分辛い逸品。流石四川製造。吉香居という泡菜の瓶詰で有名なメーカーのようだ。
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ここから西口に転じて「光屋」では贔屓の「瀧自慢」の滝水流の生酒を購入、
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その後一休みすべく気になっていた喫茶店「チェリー」へ。
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午後遅い時間だったが、食事をとる老夫婦や名物のホットケーキを頬張る学生のグループも居て盛況の店内。
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こちらはウィンナーコーヒーの甘いクリームを存分に堪能して疲れを癒し、再度駅前に戻って井03大井町行バスに乗り蓮沼駅へ。さらに疲れをほぐそうとはすぬま温泉へ足を運んだが、ここは改装以降地元の需要を掘り起こし過ぎたせいで大混雑していて、湯船で足を延ばせないような状況。
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それでも温めの炭酸泉にたぷたぷ浸かって幾らかHPを回復させ、また蓮沼駅から井03に乗って池上駅前へ。行きつけとなっている池上食堂でいつものようにカツ煮で一献すれば、小旅行の疲れもゆっくりほぐれて心地よく酩酊できることは約束されている。
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帰りがけ、武蔵小山の「井門」が閉まってしまった代替候補の「菜香楼」に立ち寄り、蒸しパンと肉まんを買って帰る。蒸しパンは目が粗く最初「ん?」と思ったが、癖なくやわらかな甘みが次第に広がってなかなか美味しい。
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肉まんも皮がふかふかで、餡もしっかりとした肉質を味わえるし、後味もくどくなくてとてもいい。これならばなかなかいけそうな予感がする。
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以上、8本のバスを乗り継いでの小旅行だったが、なかなか盛り沢山に楽しめた一日だった。
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2019年2月20日 (水)

東急バスで観梅温泉(上)

歳を重ねて冬の寒さが骨身に沁みるようになってから、梅の開花が待ち遠しく感じられるようになった。中国の人々が梅を尊ぶのは、陰暦の新年に最初に咲く花であることに気づいてから、更に梅への親近感が増した。昨年は西嶺町へ観梅にいったけれども、今年は得意の一日乗車券、それもバスのものを駆使して観梅のはしごとしゃれこむことにした。

まずは環七まで出て東急バスの森06新代田行の乗車してスタート。このバスは大田・目黒・世田谷を縦断するなかなかダイナミックな路線で、世田谷方面に出る際には以前から重宝していた。終点のひとつ前、代田四丁目で降りて「梅が丘」の地名の由来にもなった羽根木公園の梅を見に行く。
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途中の住宅街には某公営競技を取り仕切る一族の豪奢な邸宅があったり、その門前に犬の糞があったり、世田谷名物の急な畑があったり、住んでいる品川とは異なる文化圏であることを感じる事象が多発してなかなか面白い。

公園ではせたがや梅まつりと題して、出店や植木の露店が出たりしていてなかなか賑々しかったが、店員の老爺と客の老婆が怒鳴りあう場面に遭遇。世田谷らしい自分の正義をどんな場面でも押し通す我の強さに興醒めしたが、梅はそんなことには我関せずであちこちでほころんでいて、春を嗅ぎつけたメジロと人々を楽しませていた。
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ひとしきり見物して、再度森06に乗ってこんどは大森駅まで一気に南下。駅東口から無料のバスに乗って到着したのは平和島の競艇場。ここに大層旨い煮込みが売っているという風聞を聞きつけての訪問となる。

大井町の信州酒場浅野屋が閉店して以来、旨い煮込み難民になってしまっていて、一時大森の蔦八に救われたのだが、そこもすぐに店主の高齢化で地元の酒場が経営するようになってありきたりの煮込みになってしまい、あてどなく彷徨う日々に終止符を打とうという魂胆。

店は”煮込みの店”と銘打つおおこし。店をくぐると確かに旨そうにグツラグツラ煮えている大鍋があってひどく食欲をそそる。
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煮込みライスという煮込みと丼飯だけの潔いメニューがいかにも鉄火場のものらしくていい。
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いざと喰らうと、ホルモン・フワ・ガツの三種と蒟蒻が微妙に異なる歯ざわりのハーモニーを奏で、味噌をベースとしたこっくりと潔い味付けと相俟って確かに旨い。芝浦直送の新鮮なもつを使っているとの触れ込みだけあって、あの独特の臭みは皆無でそれぞれの部位の真の味が存分に味わえるというのが特筆もので、白飯とともにあっという間に掻きこんでしまった。なるほど、これは旨い。

よく行く大井競馬場は妙に綺麗になって、昭和の残り香は抹殺されてしまったが、ここには日払いの金を握りしめてヒリヒリしたギャンブルに打ち込んだ者たちの精気がいくらか残っていて、それが鍋に乗り移って一味増しているように感じられた。

入場料が100円かかるが、競艇は固いレースを買えば大概当たるので、1レースやればその分はおおよそ取り返せると思う。(今回もそうだった)機会を見て、またこの煮込みは食べたいと思う。

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↑競馬場のハロー掛け替わりにゴミ拾い船がレースごとにやってくるのが印象的。

2019年1月 1日 (火)

2019年のおせち料理

大人になったら行きつけの店でおせちを誂えてもらって楽しみたいという宿願が、学生の頃からあった。今年は平成最後の正月、三十年色々あったが自分たちなりに刻苦精励したとの思いがあり、その労りに宿願を叶えようと足繁く通っている「きよ友」さんで受け付けていたおせちを頼んでみることにした。

大晦日、前日から徹夜で仕込んでいたという重箱を持ち帰り、明けて元旦、期待に胸膨らませて包みをほどく。
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実りの象徴、稲穂が添えられた重箱を開けると、端正に調製された祝肴の数々が並んでまさに壮観。
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一の重は錦玉子・伊達巻・紅白蒲鉾・数の子・帆立旨煮・栗渋皮煮・鴨ロース・栗金団・田作・車海老旨煮・黒豆、二の重には鰆西京焼・鰊昆布巻・子持鮎甘露煮・酢蛸・菊花蕪・煮締(梅花人参・蓮根・八つ頭・牛蒡・椎茸・筍)。

いずれも初日の出の光で照り映えて実に旨そう。
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そして見栄えどおりにいずれも旨くて酒は進むし、思わず笑みはこぼれるしで素晴らしい新年の口開けとなった。特に子持鮎甘露煮、鴨ロースが酒に合い、煮締も筍のみずみずしさや八つ頭の滑らかな舌触りとこっくりとした味わいが格別で、用意していた澤屋まつもと守破離は夜には空いて、早々に剣菱の応援を得る始末。
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御値段二万円也と値は張るように思うが、素材と調理の確かさを考えれば十分に値打ちのあるもので、ワインの小瓶も箸も敷紙もついて至れり尽くせり。来年もなんらかの理由を作って頼むようにしたい。

自分では雑煮とかぶら寿司を作った。今年の雑煮は鶏ハムを自作して餅に載せるようにしてみたが、その方がおさまりが良くて見栄えがいい。
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かぶら寿司は初めて作ってみたが、皮をむいて漬け込んだことから乳酸菌が少なかったようでべったらっぽい出来に。塩鰤の代用で生ハムを挟んで食べたがこれは申し分なく代役を相勤めてくれた。取り合わせを考え付いた自分を褒めたいところ。
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菓子は花びら餅を初めて楽しんでみようと思い、御嶽山の「呂万寿」へ出かけて購入。求肥の出来が素晴らしく、ふわふわ具合が赤ん坊の肌を思わせて、なるほど常若を願う新年の菓子に相応しいものだった。
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他にも梅や鶴などを模った上生菓子も堪能して、いい正月を迎えることが出来た。ありがたい限りである。

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2018年10月25日 (木)

ビストロモザール

本格的なフレンチはボンシュマン、普段使いの洋食屋はアンシャンテと決まりつつあるが、洒落た一皿でワインを嗜むビストロ的な店がなかなか見当たらずここ数年苦戦してきた。ポワソンルージュは味に厚みがなく、最近できたマイユはワインの値と量のバランスが悪すぎ、その近くのトコトコは雰囲気が今一つ。

目黒にも白金にも足を運んだが、これといったところは見つからずどうしたものかと思っていたところ、大井町にモザールという店が出来たというのでランチに行ったところ、副菜類が充実した美味しいものであったにも関わらず千円でおつりがくるというリーズナブルさ。これは夜も期待できるのではと思って、雨のそぼ降る冷たい夜に伺ってみた。

身体を温めようと頼んだ有機人参のポタージュは「これかぼちゃじゃないの?」と思うくらいに甘みをたたえていて、胃にほっこりと明かりを灯してくれた。
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鰯のトマト煮はトマトの旨味が全体に行き渡り、ごく穏やかで優しい風味なのがいい。鰯の鮮度がいいから、味をきつくしないでも問題ないのだろう。
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自家製パンはズシリと詰まった重みがあるのに、ふかふかと柔らかい仕上がりが出色。元手と手間がかかっていることが伺えた。あつあつで供されるのもいい。
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白眉はパテドカンパーニュで全体に滑らかな舌触りであるものの、こりこりやむにゅむにゅ等様々な部位の歯応えが程よく舌の上に現出して心地よい。ゼラチンの風味も時折広がって、一口毎に食べる楽しみがあった。またフムスやキャロットラぺなどふんだんに添えられた副菜も申し分なく、これも客としては嬉しい趣向。
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メインの羊肩肉のローストはおよそ150gほどはあろうか。不惑を越えた夫婦としては取り分けて食べるのにちょうど適した量だった。赤身部分はこれ見よがしに赤くなく、いい具合の薄桃色に火が通っていてきっちり噛み締めがあって旨い。一方、脂身の多い部分は、それはそれで肉を喰らう荒ぶる感じがあって、一皿で異なる肉質を味わえて得した気持ちになる。

プラムやチェリーのニュアンスが漂うグラスワインも美味しかったし、量も納得できるものだった。これを4杯いただいて〆て御会計が7千円というのはいかにもビストロ価格で、すっかり気に入ってしまった。

職人気質とお見受けしたご主人はやや表情が硬く、笑顔が増えると尚の事寛げる様になって良いなと感じた。なんとなればハンバーグやカキフライ、ハイボールにレモンサワーもあるので洋食屋使いできるのも好ましい。ちょっといい店に出会えた悦びを胸に店を後にした。

ビストロ モザールビストロ / 大井町駅青物横丁駅鮫洲駅
夜総合点★★★☆☆ 3.7

2018年10月10日 (水)

中華井門

タワーマンションの建設ラッシュによって、個人的には街場の中華として重宝していた新楽飯店が店を閉めた。替わりにどこかないだろうかとあれこれ思案してふと思いついて伺ったのがこちらの井門だった。

中華料理がまだ御馳走だった頃の残り香がある重厚な雰囲気がそこかしこに残るものの、都内に多くの不動産を持つ井門さんの余力のお陰で、質の高い中華が手頃な価格で食べられるのがありがたい。

個人的には季節野菜の塩炒めがとても気に入っている。きのこ類だけで袋茸・しめじ・椎茸が入り、アスパラ・青梗菜・絹さやの緑、もやし・蓮根の白、薩摩芋・黄韮・銀杏・ヤングコーンの黄色、人
参の橙色と彩りも豊富で食欲をそそる。Dscn2790

どの素材にも完璧な火入れがなされ、また油を乳化させてまとわせているので、あっさりした塩味の品がいい。また、素材毎の歯ざわりや風味を入れ替わり立ち替わり楽しめるので、食べていて心が浮き立つ。

叉焼もきちんと八角が薫り、おこげは豪勢な音と湯気が気持ちを高めてくれるし、丁寧な作りの点心も抜かりなく美味しい。
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何より店員の方の気働きが行き届いていて、ストレスなく食事ができるのがありがたい。いつ行っても個室で宴会が開かれているのも頷けるというものだ。

しかし、この愛すべき店も2019年1月をもって閉店になるという。それまでに数々の名菜を脳裏に刻むべく足しげく通うつもりだが、いかにも閉店は口惜しい。武蔵小山の街の魅力がどんどん低下していくことに一抹の不安を感じるのは私だけではないと思うが、どうだろうか。

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中華井門広東料理 / 武蔵小山駅西小山駅戸越銀座駅
夜総合点★★★☆☆ 3.8

2018年9月20日 (木)

中秋の名月を楽しむ

今年は酷暑だったからか、涼しくなって中秋の名月が近づいてきた時にお供えをして楽しむかな・・・という考えがもたげた。

偶々近所の花屋の前を通ったら、秋の七草を取り入れた花束が売っていたので、御嶽山の和菓子店「呂万寿」に行って菓子も仕入れて、家で飾ってみたところ一気に秋らしい風情が出て、虫の音も心地よく中秋の名月を愛でることが出来た。
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月見団子は固まってしまうので、満月の描かれた薯蕷饅頭で代用。他に黄身時雨を満月に見立てた一品が秋の雰囲気を濃厚に伝えて良かった。
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胡麻一粒があることで虫の音も聞こえてくるかのように思われるのだから不思議なものだ。

人生においてどうやら秋の季節を迎えたことでもあるし、これからしばらくはこの月見の慣習を生活に取り入れて、しんどかった夏との別れを告げる日として大事にしたい。

呂万寿和菓子 / 御嶽山駅久が原駅雪が谷大塚駅
昼総合点★★★☆☆ 3.7

2018年9月10日 (月)

アンシャンテ

週末ごとの外食ローテーションを組むにあたって、居酒屋ばかりになってしまうのもやや食傷気味となってしまうので、街の洋食屋のような店があると非常に助かるな・・・と思って、近隣を探ってみたところこちらに行きあたった。以来平均して月1回程度足を運んでいる。冷前菜・温前菜・メインと各種揃っていて、しばらく行かないとそのどれかが食べたくなって足を運ぶことになる。

冷前菜では鰊のマリネ、それから蛸とセロリのサラダがさっぱりとしてていい。春から夏にかけてはこれらをアテにビールやたっぷりと注いでくれる白ワインを楽しむ。
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温前菜ではキノコとジャガイモのゴルゴンゾーラグラタンを押したい。滑らかなベシャメルソースからコク深いゴルゴンゾーラの風味が漂って鼻腔をくすぐる。これに赤ワインを合わせてやると、クリームのコク味とワインの渋味が混ざり合って後引く旨味に昇華するから凄い。
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メインはつばめグリル仕込みのハンバーグが目に付くけれど、個人的には魚介類、特に海老フライと銀鱈のムニエルを贔屓にしている。前者は圧倒的なクリスピー感を保った衣の歯応えとぷりっとした海老の歯応えのコントラストが楽しく、後者は焦がしバターの風味が滑らかにほどけていく銀鱈の身質によく合っていて甲乙つけがたく旨い。どちらの皿も付け合わせにとりどりの野菜が添えられていてそれも楽しい。
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あとはロールキャベツ、それにメンチカツもいい。
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デザートは夏だとシトラスのゼリー、冬は焼きリンゴのバニラアイス添えで、いずれも手抜かりなく季節を甘やかに感じられていい。
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たくさんのドライフラワーや絵、スパイスが飾られている店内はフランスの田舎町のレストランのように感じられ、個人的には心落ち着く。明るくまろやかな接客が心地よい奥様と厨房を一人で取り仕切るご主人の二人三脚も好ましく、このあたりもあってお屋敷街の住人も家族連れで来ていて、店全体の暖かな雰囲気を醸し出すのに一役買っている。

実直で飾りのない、しかしどれも間違いなく旨い洋食を食べたいという向きにはお勧めできる店だと思う。

2018年7月 1日 (日)

呂万寿

昭和の中頃までに開発された名のある住宅街の近くには細々ながら本筋の和菓子屋が残っている、というのがこの数年和菓子屋探訪を続けて得た法則だ。

田園調布が社長の街なら久が原・御嶽山界隈は部長の街と昭和の頃には言われていたようで、この辺りには確かになかなかの邸宅が立ち並んでいて、そこに店を構える「呂万寿」には見込んだ通り季節ごとに心惹かれる菓子が並ぶ。
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最初に伺った秋口にはふかふかの食感と鮮やかな黄色が特徴的な芋羊羹と艶めかしい肌の薯蕷饅頭に心を奪われた。
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晩秋の頃には「落葉」との銘の菓子を買ってみたが、浮島に一筋入った線のところにニッキが仕込んであって、その薫りにいかにも冬が到来するのだなという心持にさせられた。
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春になると彩りを増した菓子の数々が愛らしく咲き、
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端午の節句には粽が並ぶとのことで出かけたら、店頭一杯に笹巻の粽が並んでいてちょっと壮観だった。
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仄甘くむっちりとした歯応えが奥ゆかしく、笹の爽香に胸がすく想いがした。

これならば水無月も申し分ないだろうと6月下旬に出向いてみたが、見当たらず。しかし替わりに買って帰った水羊羹が良かった。甘みの深度があるにもかかわらず後口の消え具合が鮮やかで、しかも塩漬けの桜葉に巻かれているからそれが後口をさっぱりとしてくれるし、暑い盛りの塩分補給にもなって理にもかなっている。
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↑右下は蛍火を模ったもの

きんとん製の向日葵は少し不格好かなと思ったが、偶々見かけた伊藤若冲が描いたそれに似ていて、古典的な表現方法に則ったものなのかも知れないと思い直した。また芥子の実による種の表現が心憎い。
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↑若冲の向日葵

行く度に色々な発見があるので、ちょくちょく覗いてとりあえずは季節を一回りすることと、店頭に大きな賞状が二つも掲げられているカステラを試してみることとしたい。

呂万寿和菓子 / 御嶽山駅久が原駅雪が谷大塚駅
昼総合点★★★☆☆ 3.7

2018年4月15日 (日)

コルディアルの閉店を悼む

荏原町のコルディアルには概ね月1で伺っていたが、三月某日入り口のガラス戸に閉店の知らせが張り出されていて驚いた。幸い閉めるのは1週間先とのことだったので、改めて出かけて美麗で濃醇な甘みを持つケーキたちを記憶に刻もうと欲張って購入してきた。
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売れ筋の二本柱だったルドームとモンブランは我が家でも不動の中軸だった。
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ショートケーキのふわりとした生クリームは何度食べても夢見心地にしてくれた。玉子の気配が濃厚なカスタードクリームが病みつきになるシューアラクレームは皮にちりばめられたナッツの香ばしさが程よく利いていくらでも食べられる逸品。これがもう食べられなくなるのか・・・と思うととても切ない気持ちになって、最後の最後はフォークを持つ手がなかなか進まなかった。

昨今の諸材料の高騰にも関わらず、良心的な価格を維持してくださったお陰で、素晴らしい菓子の数々を心おきなく食べ、甘やかな時間を存分に過ごせたのは感謝に堪えない。改めて御礼を申し上げたい。素敵な菓子を丹精込めて作ってくださり本当にありがとうございました。以下、撮りためていたケーキの数々を、様々な思い出とともにここに刻んでおくことにする。

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*2018年7月追記
閉店から3か月経った今でも日に数人こちらの記事にたどりつく方がいる。多くの方に愛された店だったのだなと改めて実感している。

2018年3月27日 (火)

東急ワンデーオープンチケットで桜巡礼3:池上線沿線

慣れ親しんだ池上線に戻り
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五反田のTSUTAYAに寄って会員更新手続を済ませ、近くの目黒川に行ってみたところここの河畔は八重桜となっているようで、わずかに蕾が赤味を帯びているのが確認できただけに。
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それでも積水ハウスの地面師騒動を引き起こした問題の閉鎖旅館物件も見物できたので良しとする。
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五反田から再び池上線に乗り、御嶽山でこのところ贔屓にしている呂万寿に寄って春らしいとりどりの菓子を土産に買い、
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そろそろ日が傾いてくるころに池上駅へ到着。
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まだ木製ベンチは毀されておらず、夕日を浴びた姿は郷愁をそそる。
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↑駅そのものが似合うんだよなぁ、夕日が。建て替えでこうした景色が見られなくなるのはいかにも口惜しい・・・

駅から南下すること5分、その名も桜館と称する温泉銭湯で足の疲労をとることに。
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ここは桜の季節には日によって屋外の展望風呂が開放されて花見風呂が楽しめるのだが、生憎この日は該当せず。それでも漆黒の黒湯とジェットバブルで巡礼の疲れも癒えて、少し早い夕食を駅前の池上食堂で摂る。
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↑こざっぱりとした潔い店構えが好ましい。


からからの喉にビールが沁みてどうにも旨い。滑らかなマヨネーズが身上のマカロニサラダも程よい甘辛さのかつ煮もアテに申し分なく、桜にあてつけられ続けて少し硬直していた身体がじんわりとほぐれる。
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店を出ればもう日没で、綺麗な茜空が道の向こうに広がっていた。
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もうひと踏ん張り行ってみるか、と自分を励まして洗足池に寄ってみる。
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どうやら桜の開花が早すぎて提灯が間に合わなかったのか、仄暗い中での夜桜見物となったが、この方が桜の持つ妖艶さが引き立って見蕩れてしまった。
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ちなみに前日弁当を用意して花見を楽しんだ時の様子はこちら。
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桜の袂にはへびいちごやシャガの花が咲いていて、彩りを添えていた。
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1日で浴びるように桜を愛でたが、概して昭和前期に開発された目黒線や池上線の街は名所の数は多く、いずれも駅から近いので手軽さが魅力だが、一方で樹勢の衰えが目立つ場所もあり、名所としての今後に懸念を抱かせるところもあった。

一方、昭和後期に開発された田園都市線沿線はここ数年がピークと目され、名所の数は少ないものの爛漫のむせるような花の生気を楽しむことが出来た。

東急のワンデイオープンパス、他にもテーマを探してあちこち巡る旅を企図してみたい。(ちなみに今回の旅の運賃総計は約2,500円)

以下桜以外の花々も。
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↑線路脇に咲く隙間花の逞しさを見習いたい
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↑一日で17㎞も歩いたので最後はヘロヘロ。写真もピンボケするというもの。
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池上食堂定食・食堂 / 池上駅武蔵新田駅
夜総合点★★★☆☆ 3.7

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