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2019年6月19日 (水)

津軽海峡北南9:函館景観めぐり

函館では山にも上らず、五稜郭にも駅前市場にもいかず、主に元町界隈を巡った。噂通り、坂にまみれることに。
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↑名所の八幡坂では50を優に超える男女が年甲斐もなく道のど真ん中で写真を撮っていて地元の車が迷惑していた。中華系の観光客のことをとやかく言えない。

横浜に住んでいたくせに山手の丘に足を運んだことがないので洋館が新鮮に感じられ、色遣いの巧みさも知ることになった。
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旧イギリス領事館は庭のバラが時期を迎えていて素敵だった。
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中華会館は重厚なレンガ造り。中は煌びやかな関帝廟があるという。
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旧丸井今井函館店はまちづくり地域センターとして活用されていた。古式ゆかしい百貨店建築は伊勢佐木モールにあった松坂屋を彷彿とさせて懐かしい気持ちに。
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それから来る前に鑑賞した「オーバーフェンス」のロケ地も二つほど。
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↑二人が出会う店の前、そして訓練校の喫煙所と蒼井優目線で見たラストシーンの野球場。

市電が走っているので興味深い諸々も目に入る。
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ホテル裏が倉庫街だったので夜ぶらついてみる。ラッキーピエロが不穏に見えて可笑しかった。
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道々見かけた花も印象深い。
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最後の夜には沖の漁火を見ようと五稜郭前から市電に乗って青柳町まで行った。
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海を目指して人気のない真っ暗な道をおそるおそる歩いていったら、突如眼前に見事な月の出が現れる。波に揺らめく月光の道が彼岸迄続くようにも感じられ、年甲斐もなく心を震わせてしまった。
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漁火は見えなかったが、電停付近の坂も「オーバーフェンス」のロケ地だったからそれも拾い見できて満足。
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ティーショップ夕日といい、函館は山の西と東の外れに魅力が潜んでいることを知った。往時の繁栄が偲ばれるあれこれが残っている街はいい街だなと改めて思わされた次第。
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2019年3月13日 (水)

東京から18きっぷで行く日帰り旅:鎌倉観劇湯河原観梅

18きっぷ2本目は見たかった映画と梅園を求めて湘南横断旅。まずは川喜多記念館で「宋家の三姉妹」を見るべく鎌倉へ。DVDレンタルが出来ずに難渋していた一本だけに期待が高まるが、似たような境遇の人が多かったらしく別の日は完売が続いていたので、上映1時間前にチケットを買うことにして、その後は近くの鶴岡八幡宮と宝戒寺をさっと巡ることにする。

八幡宮は子供の時分初詣に訪れていた懐かしの場所。ここに上がるまでにひどく苦労をした記憶が甦る。
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そうして何をお願いしたかと言えば「見当たらないマイナスドライバーの件で親に怒られませんように」という涙ぐましいお祈りで、霊験あらたかなる所以もあってか、うやむやになって叱られることはなかった。これまた懐かしい干支の土鈴を横目にして宝戒寺へ。ここは初めて来たが鶴岡の至近にも拘らず観光客は皆無で、静寂の中咲き誇る椿と枝垂れ梅の共演を楽しむことが出来て拾い物。
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↑椿の袂にはふきのとうが。春が来たことをしみじみ実感。

そこからすぐの「美鈴」で予約しておいた和菓子を受け取って、記念館に戻るとやはり完売の札が立っていた。
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映画は30年前のものだからやや大仰な演出もあったけれども、それが逆に激動の時代に翻弄された姉妹に現実味を与える効果を与えていて、2時間半たっぷり楽しめた。
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余韻は小町通りの雑踏に打ち捨て、大船経由で湯河原を目指す。途中サンドイッチを頬張り、うっとりするような春の日差しで眠気が高まったところで湯河原到着。
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↑国府津を越えたあたりで見事な富士山に見蕩れる。

名高い幕山梅園へはバスで赴く。バス停から公園のスロープを登っていくと、一気に視界が開けてこの風景が。
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荒々しい山と淡い色合いの梅との対比が美しく、桃源郷ならぬ梅源郷に来た思いがした。梅は山裾の急勾配に植わっていてしかも足元はまるで整備されていないから、ご老体が多い見物客の渋滞が起きていた。そこそこの高さまでは10分ほどで到着して、相模灘が臨めるベンチに腰かけて春の気配を存分に楽しむ。
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ここは梅園の中を巡るよりも遠景を愛でながら、ふきや筍それに鯛の子などの炊き合わせたのが入った春らしい弁当をゆったり楽しむというのが向いているかもしれない。

取って返して、隣の熱海まで移動。卒業旅行なのか若者が多く、このところ名をあげたプリン屋には30mほどの大行列が出来ていて苦笑い。こちらはさらに坂を下り、見事な早咲き桜の角を曲がった「福島屋旅館」でひと風呂浴びる。
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夕方だから混んでいるかなと思いきや、男湯は自分だけで終始独占。小さい湯船しか貯めていないからなのか、いずれにしろレトロな雰囲気の残る浴室と、淡い塩気をはらんだ湯を存分に堪能。
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また桜の所へ戻って、ホテル貫一の横の階段を下るとすぐに目当てのサンバードが現れる。
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昭和の歓楽街にあった喫茶店の風情を色濃く残しているとのことだったが思ったより明るく綺麗で、ソファに座って暮れなずむ海景を飽くまで楽しむ。
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なにを頼むか逡巡したが、風呂上がりで炭酸を欲していたから、この店の雰囲気に合うメロンソーダにしたら、自分でも不思議に思うくらい気持ちが高揚して可笑しかった。
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子供の時分、「すがきや」位でしか頼んでもらえなかったメロンソーダを悠々独占して飲み下す快感はなかなかないものだった。

帰りは前回に続きサッポロの静岡醸造を呷ってだったが、運よく小田原までボックスシートを独占することができ、根府川辺りの暮れなずむ美景に没頭できたのは忘れがたい。
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家についてから鎌倉の美鈴で買った上生菓子を食べる。「柔らかいのであまり揺らさないようにね」と店の女将さんに言われたものの、一日持ち歩いたのでそこそこ揺らしてしまい、恐る恐る箱蓋を開けてみたが問題なく美しい姿が現れて一安心。いずれも申し分のない美しい姿形とはっきりした発色が春色めいていて人気があるのもよくわかる。一方餡は個人的にはやや距離を置く緩めのもので、もう少しほっくりとした豆の味わいが欲しい所だった。
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ほぼ神奈川県内に終始したので疲れも少なく、あちらこちらで懐旧の時に揺蕩うことが出来て楽しめた一日だった。

2019年1月 8日 (火)

2018年のドラマあれこれ(下)

2018年のドラマ振り返り続編。

苦々しく思いながら、エッジを攻めた内容で見せてくれたのは「恋のツキ」。地上波でギリギリの描写もさることながら、女であることしか売り物のないグズグズした女が男をフラフラ渡り歩くという異色の話を、よくもここまで破綻なく膨らませられたなと感心した。

映像もしっとりとしていて見応えがあり、女に甘い顔を見せていると碌なことにならないという教訓も得たし、長く記憶に残りそうな作品。

また贔屓にしている松本若菜が結構な役を担うようになってきたのも記憶しておくべき事象だった。「チアダン」では夫の心の病からの回復を明るく支える良妻、
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「僕らは奇跡でできている」では学習障害のある息子に苦悩する母
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といずれも物語が進む中で欠くべからざる役を軽々と演じていて、昔のようにハラハラさせられることは無くなった。

アマゾンエコーのCMといい、

よい妻・母というイメージが植わってきているようで、今後は奥貫薫の後任のようなポジションになるのだろうか。一方で美しさゆえの薄幸など、難しい役どころも見てみたいという気持ちが高まった。

一年のトリは「昭和元禄落語心中」が務めてくれた。

岡田将生は「天然コケッコー」で見て以来、真っすぐで純真なイメージが強かったが、今回は捻くれた老落語家を散りゆく美しさと共に魅せてくれた。華奢な身体がうまい具合に枯淡の雰囲気を醸し出していたし、タナダユキが丁寧に色気を拾っていく演出を施したからか、美しい横顔や上目遣いもたっぷり利かせて物語全体に艶冶な空気を横溢させていた。
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大政絢と山崎育三郎もそれに随分貢献していたし、竜星涼の噺の上手さも際立っていて見応えを大いに高めてくれた。
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今年も色々と楽しませてもらえればありがたい。

2019年1月 7日 (月)

2018年のドラマあれこれ(上)

去年は随分ドラマを見た年になった。なので回顧録を書き留めておく。

今まで主流派ドラマは敬遠しがちだったが、「義母と娘のブルース」、そして「コンフィデンスマンJP」を通して見た。前者の綾瀬はるか、後者の長澤まさみが主演するドラマを初めてちゃんと見た気がする。

ギボムスは近隣の大岡山がロケ地になっていたこともあって、散歩の際には「麦田ベーカリー」まで足を運んで写真まで撮ってしまった。
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綾瀬はるかが融通の利かない生真面目さをうまく出していたので違和感なく見られたし、全体に劇画的な演出がはまっていて気軽に見られた。

コンフィデンスマンは古沢良太の脚本なので見たが、リーガルハイ不足に悩んでいた自分にとてもフィットして、全編倍速再生のようなスピードと濃縮感はさすが!と唸らされた。

真田丸で堺雅人と絡んでいた長澤まさみが今度は古美門チックにバタバタ動くというのも違和感なく受け入れられて、絶妙のキャスティング。

さらに「あーあー、長澤まさみだったらな~」とリーガルハイで言わせた返歌をこの作品で「あーあー、ガッキーならなぁ~」とやってみせたあたり、サービス精神旺盛で思わず「わかってらっしゃる・・・」と感激した。

ドタバタコメディといえば「おっさんずラブ」も楽しみに見ていた。偶々番宣で出ていた田中圭の挙動が面白く、では・・・と思って見始めたところ、小気味よいドタバタコメディで一気に引き込まれた。

田中圭は、「ブラック会社に勤めているのだが、もうダメかもしれない」で冷淡な切れ者を見事に演じていて注目していたが、


ここにきて「アオイホノオ」の柳楽優弥ばりに振り切った演技を見せて、

荒唐無稽な話を笑いながら受け入れさせる道化役を見事にこなしていた。

伊東修子演じる先輩社員は下手をすると大やけどしてしまうキャラだが、妙に既視感があって物語に違和感なくはまっていて、「サムライ・フィクション」の神戸浩を思い起こさせた。
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こういうクセのある脇が活きると、全体に視野が広がって楽しみが増えるのだなと改めて実感。

2019年1月 5日 (土)

TWEEDEES「DELICIOUS.」

いまや唯一新譜(!?)を買うバンドであるTWEEDEESの三枚目のアルバムが発売され、未だ旧式人間の自分はCDを購入して、しばらくはずっと聞いていた。


オープニング曲でアルバムタイトル名にもなっている「DELICIOUS.」はいきなりタイトなリズムで始まりちょっと変化球かなとも思ったけれども、すぐにいつものように濃密で手の込んだ音達が押し寄せてきて圧倒された。リズムの一部は人力でのドラムンベースのようにも感じられ、メロディも相俟って雰囲気がコーネリアスの「star fruits surf rider」のサビに似ていると感じ、親和感を覚える。

ここからM-2の流れは、2枚目のM-1~3への疾走感を継承するものでたまらないものがあった。たまらないと言えば「東京は夜の七時」を取り上げて、まるで違和感なく今という時代に合った曲に昇華されていたところもグッと来た。

御本家がリミックスを出したのと同タイミングだったが、「これこれ!」感は圧倒的にTWEEDEESの方が高かった。

沖井氏は「この曲のキモは”早くあなたに会いたい”という心情」とインタビューで語っていたがまさに我が意を得たりで、それをベースに昨今の繋がっているようで繋がっていない寂しい私たちを描写していて「うまいなぁ・・・」と呟いてしまった。

その部分もお得意の「教誨系」(=絶対的存在へ疑問と救いを投げかけるスタイル)に仕上げてきていて、すとんと腹に落ちる内容。妙に大ネタにしてしまい、曲のコアをぼやかしてしまった椎名林檎嬢に見習ってほしいとすら思ってしまった。

これ以外の曲も大変作りこまれていて、破綻なく淀みなく流れていき、唯々心地よい。特に清浦嬢の歌唱力には舌を巻き、「こんなに聞かせる人だったのか・・・」と思わせる進境ぶりがあった。

1・2枚目はどこか客演感が漂っていたが、今作ではもはや彼女の声抜きではバンドの音が成立しないのでは・・・と思わされ、「シンバルズを忘れさせてあげる」と宣言した通りのことをさらりとやってのけていて感服した。

少し気になったのはアイドル・声優界隈での仕事から引っ張ってきた客へのサービスとしてウィンドチャイム・チューブラーベル・ハープの「キラキラ系三種の神器」が多用され、それが全体の平坦さにつながったように感じられた点。個人的には「Air Guitar」「LIAR・SADIST・COWARD」に連なる小粋な小品を次作では期待したい。

ともあれ、新しい水平を見せてくれた二人に大きな拍手を送るとともに、より一層かけがえのない二人になっていく様をこれからも見ていきたいという欲求が生まれた一枚だった。
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↑イギリスに行って様々な写真を撮れるまでに・・・英国風味ぶりが似ていて、the pillowsの「彼女はシスター」のPVを見た時のことを思い出した次第。このPV、ちょっといい小品なので記憶に残っている。


2018年6月 1日 (金)

東急東京メトロパスで銘菓・名画・名建築(上)

この1年ほどフリー切符の魔力に囚われてしまって、どこかに行く際には何か使える切符はないかと考えるようになっている。今回あまり縁のない文京・豊島区界隈に出かけるにあたり「東急東京メトロパス」の活用を思い立ち、正規料金約1,800円のところ750円とうまく利用できたので記録しておくことにする。

まずは副都心線直通の特急で池袋まで行く。ここは何度来ても判りにくい駅構内だが、今回もエチカなどを延々歩いてようやく地上に出て、目的の自由学園明日館へ向かう。

丁度薔薇の咲く頃で、到着早々麗しい姿に心弾む。
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ライトの弟子である遠藤新の「加地邸」に行ったことがあるが、あちらと同じく直線がぴしりと決まった感じと質朴な雰囲気がうまく混交していて、それが学び舎としての威厳と温かみを併存させるのに効果をあげていて好ましい。
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ホールでは椅子に腰かけて休憩することが出来、係の方が「あちらの本もご覧になれます」とのことで、明日館の掲載された本が並んでいたのでゆったりと読み耽る。快晴の午前中だったので光の加減が丁度よく読書が苦にならない。さすがライト先生と感嘆する。
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続いて午後には売り切れてしまう豆大福を手に入れるべく二駅隣の護国寺へ。
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↑立派な講談社の本社を臨むとここが文京区と称されるのも首肯できる。

その対面にある群林堂は行列必至とのことだったが、昼時前のエアポケットだったのか、先客1名で並ばずあっというまに手に入る。これは持ち帰って家で食べたが、出来立ての大福を直接紙袋で包むので、紙が水を吸ってふにゅふにゅになり、ついでに餅も隣のものと連結してしまって難儀した。
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特徴としては塩えんどうのかたさが挙がるだろうが、これと餅の柔らかさと餡の滑らかさがややちぐはぐで、今一つ渾然一体感がない。これなら品川の誇る中延倉田屋の豆大福でも十分太刀打ち出来る。きっと購入してその場で食べるくらいでないと真骨頂は味わえないのかもしれない。次は是非そのように。

引き続き有楽町線に乗り込み飯田橋へ。ここの乗り換えがひどく遠く、何のかんので地下道を500Mは歩き、さらに地上に出て5分ほど、目指すは福臨門で焼味を担当していたコックが開いた「錦福」。

新しいビルの殺風景な店内の奥には、焼味がぶら下がっていて、小ぶりな鳥は鳩のようにも見える。これは期待できるな・・・と蜜汁叉焼飯を注文。待つこと数分、皿盛で現れたそれは品よく盛られていて高級店譲りの雰囲気があった。
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個人的にはもっとざっかけない雰囲気がいいなぁと思いながら箸をつけると、叉焼の肉質も良く、甘すぎるくらいの蜜汁感があり、しかも米からは長粒米特有の香りが漂ってなかなかの仕上がり。箸しかなかったので後半は食べずらさと格闘しながらだったが(スプーンで食べられると良い)、香港の雰囲気をわずかに感じられてなかなかのものだった。ただ、これにスープとミニサラダで税込1200円は香港贔屓の自分にも高く感じられたから、なかなか一般には浸透しにくいかなとも思われた。

食後九段下まで歩き、半蔵門線の永田町経由で丸ノ内線に乗り換えて南阿佐ヶ谷へ。ラピュタ阿佐ヶ谷で岡本喜八の「大菩薩峠」へ見るためだ。

欅の新緑が美しい中杉通りを通って
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「うさぎや」へ行ってどら焼きを買ってから鑑賞。原作は名前は聞いているものの、まったく読んだことはなかったが、殺人狂である主人公の底深い薄気味悪さを仲代達矢が巧みに演じていて一気に引き込まれた。また殺陣には思い入れがなかったが、雪中の三船敏郎の乱切りといい、茶屋での仲代達矢の乱切りといい、いわく言い難い迫力があって、岡本喜八の底力を見る思いがした。

 

群林堂和菓子 / 護国寺駅茗荷谷駅新大塚駅
 
昼総合点★★★☆☆ 3.3

錦福 香港美食広東料理 / 九段下駅飯田橋駅水道橋駅

昼総合点★★★☆☆ 3.3

 

2017年10月15日 (日)

池上線1日無料デーに出かける

池上線が10月9日の東急の日に無料乗車券を配ると聞いて、なかなか行けていないところをピックアップして散策に出かけた。

真っ先に行きたいと思ったのは、小沢昭一の生まれ育った蒲田の女塚界隈。先だってユリイカの川島雄三特集を読んだ際、川島も蒲田撮影所に近いこの辺りのアパートに住んでいたと書いてあって、両人へ憧れを持つものとしては是非にも足を運びたいと思っていた所だった。

最寄駅の蓮沼は未だかつてこんなに混んだのを見たことがないという異例な事態となっていて無料の威力を思い知る。駅東側をしばらく行くと住宅街に入り、公園に「女塚」の文字を発見。
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しばらく行くと晩年小沢昭一がNHKのドキュメンタリーで訪れていた女塚神社が
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さらに行くと母校の相生小学校が見えてきた。
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今はみっしりと中層のビルが立ち並ぶ一角でひと気も少なかったが、昭和初期はまだ空地と新開の商店街が開けたばかりで活気もあり、実家の写真館は目立つ存在だったろうなぁと思いを馳せる。また、どこにも書かれてはいないけれど、小沢少年は町内に新米監督だった川島が住み暮らしていることを銭湯などで聞いたのではないだろうかとの夢想も広がった。

平坦な道を南下して行くとハングルや中国語・タガログ語など諸国の文字が並ぶ歓楽街があり、そこを越えたところが蒲田駅西口になる。丁度岩手旅行から帰って少し経ったところで、再び冷麺熱が高まってきていたから、冷麺の元祖である盛岡の食道園の料理長が独立して出したという店に行ってみる。
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池上線の高架沿いの飲み屋街の一角に店はあって、休日の昼時とあって8割の入り。運よく席にありついて早速冷麺を注文。基本に忠実な具材が乗った端正な姿の冷麺は、期待通りの出汁の風味と麺のコシで水準以上の出来。特徴らしい特徴は少ないものの、手堅くまとまっていて美味しかった。
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店の裏手にあるベトナム食材の店「福山商店」に寄ってニョクマムを買おうとしたところ本日はお休み。やむなく最終目的地である御嶽山の和菓子店「呂万寿」へ向かう。

御嶽山はホームの下を新幹線が通過するので、鉄道好きの幼子を連れた家族連れや本式の鉄の方が入り乱れ、やはりかなりの混沌状態だった。しかし、目指す呂万寿は和菓子屋の本道を行くひそやかさが保たれていて、ほっとした気持ちになる。
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季節柄芋と栗を使ったものが多かったので、芋ようかんと薯蕷饅頭、それに栗鹿の子風の上生菓子を購入。
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芋ようかんは鮮やかな黄色が間もなく色づく銀杏の黄葉を思わせる。つなぎを最小限にとどめているようで、口当たりは案に相違してふっくらしていて面白い。甘みは芋のものを生かす姿勢が感じられ抑制気味。ふっくらふわふわとした焼き芋を食べているようでその新食感が斬新だった。
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一方薯蕷饅頭は端正な姿とその肌の美しさが目を引いた。つまみ上げるとしっとりとした皮が指に吸い付くようでなんだか艶めかしい。そうして期待通りのむっちりしっくりとした皮の按配と、滑らかで仄かに甘い餡が大変品よく実に美味。後口も良く何個でも食べられそうだった。
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このところ近隣になかなか良い和菓子屋がなくて寂しい思いをしていたが、これからは雪が谷大塚のとよだへ行く際には寄って、季節ごとの味わいを楽しみたい。
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この後、一旦自宅に帰った後、夜に大崎広小路まで出てツタヤでDVDを借りて無料デーは終了。瞬間的に竹下通りの混雑を越えたという戸越銀座やスワンボートが1時間待ちとなった洗足池には寄り付かなかったので、面倒には巻き込まれずに済んだ。
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↑戸越銀座の大群衆(ネットから引用)

東急にはもっと名所開拓を掘り下げて、乗客が各駅に分散・回遊するよう計画・宣伝を練った上で、来年も実施してもらえれば幸い。

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↑東急にはこれくらい古い車両を輸出した国から再輸入してレストアの上、走らせるくらいの胆力が欲しいところ。渋谷の再開発の100分の1くらい還流すればできそうだと思うのだが、どうだろうか。(写真はネットから引用)


平壌冷麺食道園冷麺 / 蒲田駅蓮沼駅京急蒲田駅
昼総合点★★★☆☆ 3.3

2017年3月13日 (月)

「この世界の片隅に」と毎日映画コンクール授賞式

年末に「この世界の片隅で」を映画館で見たら、訳もなくただただ涙が流れた。映画館で泣くのはリトルダンサー以来二度目の事だが、舞台が日本だからか、それとも齢を重ねたからか、あの時よりとめどなく涙と嗚咽がこみ上げて難渋した。

少しでも作品世界に触れられればと原作も購入したある日、毎日映画コンクールの受賞が報じられ、その授賞式に一般客の参加募集があったので応募したところ当選したので、川崎まで見に行ってきた。

中条あやみの驚異の九頭身ぶりや香川照之の軽妙なスピーチ、本木雅弘の男振りも楽しませてくれたが、やはり真打は「この世界の片隅で」の片渕監督とのんのスピーチだった。

片渕さんは穏やかで謹直な人柄が偲ばれ、どこにクラウドファンディングを募ってまで作品を作り上げようという執念が潜んでいたのか不思議に感じられた。一方ののんは「きちんと喋れるのだろうか・・・」という不安をよそに、要点をきちっと押さえ、たじろぐことなく堂々と話していたのが印象的。一連のブームの過程を通して人間としての成長も遂げているような頼もしさすら感じた。

これに加えて、主題歌を歌ったコトリンゴがステージに上がって生歌を披露してくれたが、これが言いようもない感動が身体の中から押し寄せて、思わず涙が頬を伝った。


なかなかスターを一度に見る機会もないので、いい具合に抽選に当たったのはとても幸いなことだった。

2016年11月10日 (木)

小気味よい佳作の「ラブラブエイリアン」

フジテレビは不調を伝えられているが、深夜になかなかの小品がやっていてしばらくは楽しみに視聴していた。「ラブラブエイリアン」というドラマなのだが、ふわっとしたそのタイトルとは裏腹に年頃の女子たちの赤裸々なトークがこれでもかと展開される内容で、女子受けが最重要課題であるモデル系の女優たちがずらりと並ぶキャスティングも、いい意味で裏切ってくれて楽しい。

そういう場合埒のあかない演技を延々見せられる場合もあるが、演出がいいのでメインの4人が4人ともボロを出さず、ごく自然に演じていてかなり見られた。特に森絵梨佳の弱気も入り混じる勝気な役の演技は見どころが多く、うまく物語を廻すうえでその柱石となっていたと思う。
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お蔭で経験の少ない新木優子も伸び伸びとやれていたようだし、太田と久松もスパイスとして作用していた。夏の空気を感じさせる映像や美術も映画レベルで、余計なことに気が散らずに4人の生活を覗き見している感じに没入できたし、宇宙人のCGも満足のレベルで違和感はなかった。
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わざわざオープニングをスタジオでしかも振り付きで撮ったりと、とても低予算とは思えないし、これだけの仕上がりとなったドラマを平日深夜2時台に放送するというのが、フジテレビの不調の一因だとすら思えた。


個人的には金曜24時台ならもっと違った世間の反応になったと思う。いずれにしろ、今後新木と森には注目していきたい。

なお、毎回楽しみにしているNHKの「京都人の密かな愉しみ(秋)」はメインの演出の源孝志が漱石のドラマを撮るのに忙しかったようで、いつもの濃密さが欠けていて少し残念だった。

2016年10月10日 (月)

岡崎体育に見る京都らしさ

ある日。ゴッドタンで「フライ揚げる」っていう曲があったナ・・・と思って検索したところ、「あなたへのおすすめ」で岡崎体育の「Music Video」が出てきて視聴したところ、久々に爆笑した。

冒頭の奇妙な”カワイイ”キャラはきゃりーぱみゅぱみゅ、横からメンバー出てきて、二分割の男女を最終的に出会わせるのはゲスの極みのMVを揶揄していると思われ、あまりの巧妙な突っ込みぶりに両名から「この曲、面白い」と事実上の敗北宣言を引き出したのも小気味よい。これだけのものをたった6万円で作り上げることが出来る世の中になっているんだということを強烈に知らしめてくれることになった。

そういえば彼の姿はこのCMで見ていて、商品が商品なだけに「江南スタイル」でブレイクしたPSYの二番煎じを狙う韓国人アーティストだとばかり思っていた。

上の二曲でも明らかだがかなり曲調に振り幅があるのも面白い。特に同郷のくるり調の「鴨川等間隔」「手元不如意」はなにも知らずに見たら「工夫がないボッチの独りよがり」風なのだが、よく聴くと「見下ろしながら見下されてる」「あいつはいいや→あいつはいいな」など僅かな違いでまるで意味合いが異なる日本語の面白さをずばり射抜いていて、爽快だし凄味も感じる。

京都サバービア在住で地元に愛着を持ち、日常をオープンにしながらユーモアと反骨をまぜ込み凝った曲を作るあたり、halfbyとの近似性を感じたがなにかそういう土壌があるのだろうか。

最近井上章一の「京都ぎらい」を読んだので、その影響で個人的に関連性を見出したいだけかもしれないが。そういえば、彼のツイートでくるりの岸田氏に住んでいる場所について特定されるほど細かく聞かれて「警察か!」とおどけていたが、これなど洛中による洛外へのマウンティングの好例のようにも思えて苦い笑いがこみ上げた。

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今のところ一人っ子で育った気質が良いように出ていると思うが、自分の世界に没頭しすぎるあまり視野狭窄に陥り他人からの理解が得られにくいという諸刃の刃を抱えているかと思うので、その辺りをうまくコントロールしてくれるパートナーと出会って、ニヤリとヒヤリが同居するようなキックのある曲を引き続き聴かせて欲しい。

また、今までは世に出たアーティストの作風を下敷きにして精巧なイミテーションを作ることに長けていたゆえ、自分らしさの開拓を怠っていたように思えるので、そのあたりがどのように醸成されていくのか、注目していきたい。

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